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2017年01月05日21:42

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『メタルアートの巨人 津田信夫』と『ブラティスラヴァ世界絵本原画展』に行って来た。

年末年始の10連休も、アッと言う間に今日が最終日。。
明日からの仕事に若干憂鬱を感じながら、千葉までプチ遠出して来た。

今年はこれまで《狛犬ハンティング》にかまけて、まだミュージアムへは足を運んでなかったので、↓こちらが2017年の初ミュージアムとなる。

千葉県立美術館「メタルアートの巨人 津田信夫」
【展覧会HP】https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/event/2016/2016bijyutukantudasinobu.html
フォト
2017年初ミュージアムというだけでなく、千葉県立美術館にお邪魔すること自体が、自身初めての経験であった。
フォトフォト
なかなか立派な美術館だった。がしかし、アクセスがちょっと悪いのが玉に瑕かな? とm(__)m

今回の展覧会で特集されていたのは、津田信夫(1875〜1946)。
展覧会タイトルにもあるように、知る人ぞ知る「メタルアートの巨人」である。
重要文化財にもなっている日本橋の柱部分の装飾(麒麟像や獅子像など)や、国会議事堂の正面扉の装飾など、国家プロジェクト規模の鋳造を数多く手掛けてるとこやなんかから見ても、当代きっての作家であったことは容易に想像出来よう。
また、帝展(文展)で、はじめは設置されてなかった工芸部門を設立するため、先頭に立って運動し、遂に工芸部門の創立を認めさせた、いわば「日本近代工芸の恩人」とも言える人でm(__)m

わしがちょいちょいお邪魔する東博の近代美術のコーナーには、この津田の作品も、ちょくちょく展示してあるので、幾つか作品を見たことはあったし、名前も頭に入ってはいた。
が、「つだ・しのぶ」が本当のところを、「つだ・のぶお」だと思い込んでたくらいのレベルで(;´∀`)、当然、これだけの数の作品をまとめて見るのは初めてのこと。
明治時代の工芸は、どのジャンルでもそうだけど、圧倒的な技術力! 迫真の表現力!
津田の作品も、その御多分に漏れず、とても金属とは思えない、リアルな造形に息をのむ。
ヨーロッパに留学して、フランソワ・ポンポンの作品に接して影響を受けてから、それ以降の動物を象った作品が、特に好い♪
ポンポン自身の作品も3点ほど陳列してあって、津田の作品と並べて比較できるようになってるコーナーがあったのだが、個人的には、ポンポンのものよりも津田の作品の方が好きだった。
どこが好きだったかといえば、「デフォルメの度合い」だろう。
ポンポンに影響を受けて以降の津田の作品は、初期の「写実一辺倒」の時代とは明らかに違い、かなり省略・簡略化のデフォルメが見られる。が、割合でいえば、写実が6のデフォルメが4といった感じ。ポンポンの作品はもう少しデフォルメの度合いが勝って、5対5くらいになってるという印象。で、個人的には、津田の作品の方が「写実とデフォルメのバランス」がイイと思ったわけ。

いや、とにかく動物を象った作品がホントに好かった!
また、ほとんどの作品が、展示ケース内ではなく、台の上に置いてあるだけ、つまり、我々観覧者と同じ空気の中に展示してあったのは好かった♪ 対象をグッと身近に感じれて。
千葉まで来た甲斐のある、素晴らしい展示だった!!



せっかく千葉までやって来たので、今月末に友の会の期限が切れる千葉市美術館にも立ち寄って、展示を見学がてら、友の会の更新をしておこうと思い、千葉モノレールに乗って千葉市美術館のある市街地に向かった。
以前から、千葉に来るたびに「いつかは乗ってみたいなぁ!」と思いつつ、なかなかその機会がなかった懸垂型のモノレールに、遂に乗車できたのは、これまた嬉しい「初体験」だった♪
フォト
それにしても、方式としては、懸垂型の方が古いはずなのに、何となく「未来的」な感じがするのは何故だろう?(そう感じるのはわしだけか?)



千葉市美術館では、友の会を更新したあと、↓こちらの展覧会を鑑賞した。

千葉市美術館「BIB50周年記念 ブラティスラヴァ世界絵本原画展―絵本の50年 これまでとこれから―」
【展覧会HP】http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2016/0104/0104.html
フォト
年パス更新の「ついで」に寄っただけの、全くノーマークの展覧会だったんだけど、これがまた頗るステキな展覧会で、驚いた♪
いやー、寄ってみてホントよかった。
新年のっけから、こんな素晴らしい展示を立て続けに見れて、まさに望外の喜びである( `ー´)ノ

※以下は、HPの説明文より抜粋して引用※
「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」(略称BIB=Biennial of Illustrations Bratislava)は、スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで2年毎に開催される、世界最大規模の絵本原画コンクール。スロヴァキアがチェコと分離独立する以前の1965年に、ユネスコと国際児童図書評議会の提唱によって創設され、1967年に初めて開催されて、2015年には記念すべき25回目、50周年を迎えた。
この度の日本巡回展では、その50周年を記念して、第1部で歴代参加作品の中から「日本の絵本の歴史50年」を振り返り、BIBがその発展に果たした役割を考える。第2部では、参加50ヶ国からノミネートされ国際審査によって決定した、グランプリをはじめとするBIB2015の受賞作品、および、日本からの出品作品を紹介する。
※引用ここまで※
て内容。

原画の1点1点を見ても、それだけでもう「芸術作品」と呼んでいいような、完成度の高い作品も多数あった。藤城清治や安野光雄、大竹伸朗くらいのレベルになれば、個展も開ける「メジャー作家」だし。
ただ、本展の何がよかったかといって、いちばんよかったのは、その原画が使われてる実際の絵本が、展示作品の横に置いてあり、実際にこれを手に取って、読んでみることが出来たこと!
これには、完全に童心に返って愉しませてもらった♪
そして改めて、絵本における「絵」の力を感じた。
それにしても、藤城清治×宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』は、図抜けて完成度が高かったなあ。あの1冊は、もう絵本がそのまま「芸術品」だと思った。
ほかにも、売ってれば買って帰りたいような絵本が何冊かあった。
子どもが居る親御さんは、お子さまを連れて、ぜひ足を運んでほしい展覧会!
まあ、あんまり混むと、並置してある絵本は1冊しかないので、問題も生じるとは思うが、、



いやいや、2017年はのっけから、本年度のベスト展覧会にランクインしそうなくらいステキな展示に巡り会え、上々のスタートである♪
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