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2016年12月27日09:51

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ハンセン氏病元患者の伊藤まつさんのことがうまく書けない理由

  それは画家だったからです。元患者以上に画家の色彩が強かった。画家は自分の魂を絵に完璧に投影させますが、絵を文章で表現する事は不可能だからです。画家自身も自分の描いた絵を文章化はできませんが、他人の絵を文章化する事は更に困難であり、不可能でしょう。


  伊藤まつさんという人は多くの人たちと付き合いました。その昇天後、伝道師含む、何人かの人たちがまつさんの伝記を書こうとしましたが、全て挫折しています。僕も伝記を書きたかったですが、医学的な事とか、療養所内の煩わしさくらいしか書けませんでした。でも、何故か、例のX君はいくらでも書ける。変に思って考えてみたら、以上でした。書けるとして、絵の評論だけですが、それは僕は美術に詳しくないので、書けないわけです。

 例えば、ゴッホの絵抜きの伝記小説があっても、誰も読む気がしませんね。ゴッホの事は多くの絵の作品を見なければ、判らないわけです。伊藤まつさんも同じです。

 そこから、絵の持つ表現力は文よりもはるかに強烈である事、及び、絵と文は文芸にくくられるにしても、次元が違うものである事も判ります。

  僕は伊藤まつさんの事が書けない理由が判り、納得しました。S園にも絵を描く人がいましたが、その人を文に書こうとしても、同様に書けないでしょう。その分、これからはX君を書く事に集中できる。良かったわけです。

  日本では1980年以降、特に知的障碍者の作業所ができ、絵が好きな知的障碍者たちが絵を多く描きました。それが多くの人の目に触れ、意識を変え、社会を変えていったわけです。絵の力は強烈ですね。

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