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2016年08月25日17:49

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8月16日 新版三人集 赤坂納涼六夜

 台風関東上陸という予報に、正直行くのよそうかと思っていたが、なんとか上京。久しぶりの赤坂。普段は日本舞踊のお稽古場らしき板敷の会場で、6日間連続公演の2日目。毎回60名限定とのことだが、悪天候にも関わらず50名弱の客入りで、しかもその8割が中高年の女性ばかり。ほとんどが以前からのご贔屓さんで常連客という感じ。

●市弥「高砂や」
 今日はサブタイトルが「市弥はのんびり」。市弥以外の二人が大ネタで、市弥は二席軽めな噺で、という構成。謡のつもりが小唄まがい、奇声、豆腐屋の呼び声・・・と来て、最後は師匠よろしく美空ひばりを歌ってサゲ。客席全体に息子を愛でるような温かい雰囲気がある。

 今日は前座がいないはずだが、ここで座布団返しに、袴をつけた昇也がなぜか登場。

●一蔵「宿屋の富」
 「押しの芸風」を暑苦しく思う時もあったが、今日はその下地に強く師匠の存在が感じられた。だいぶ緩急がついてきたというか、軽妙な味が加わってきたと思う。また聞きながら一之輔の「宿屋の富」を思い出したりもしたのだが、同じ噺を演じても印象が重なるということではない。独自の道を行っているようで良いことだと思う。

<中入り>

●市弥「強情灸」
 「横浜の峰の灸」と聞いてもピンと来なかったが、円海山のことだったんだね。神奈川県民にとって円海山ってFMの送信所や無線の中継局、トンネル、霊園がある程度のイメージしか浮かばないが、山にある護念寺でやっていたのが峰の灸で、寺の山号が円海山ということなのか。よくあんな遠いところまで列をなすほど灸をすえに行く人がいたものだ。待合で見かけた好い女から先の順番を譲られる件は切って、コンパクトにまとめた。

 ここで高座返しとめくりにまた昇也登場。座布団に汗ジミついており、市弥が謝るが、どうも中入り前の一蔵がつけたものだった様子。

●小辰「藪入り」
 入場の際に渡されたチラシの束の厚さに驚いた。相変わらず小辰の会が目立つが、ほかの二人の会も多い。二つ目がこんなに落語会に出る、会を催すということ自体がすごいと思う。一之輔の「二つ目でも売れっ子」の方法論が引き継がれていると思う反面、一之輔という突出した才能を前にして気後れした協会の若手を差し置いて、セットで売り込むという飛び道具で打って出た芸協・成金に後れを取ったとも思うわけだが。
 いずれにしても協会の二つ目にとって一之輔の存在というのは大きいだろうと思う。この三人を聞いていても、その影響は感じる(特に二つ目なりたての頃の市弥)。一之輔のように才能も個性も突出していて、またそれを引き立てる人々にも恵まれて早々と人気者になっていければそれが理想的ではある。三人の中では、そのポジションに一番近いのは小辰かなという気はするが、すでに早々と認められているから要らぬ心配だろう。でもこれから長い落語家人生、ほどほどの速さで変わっていく、確実に齢を重ねて面白くなっていくという方法もあるとは思います。落語の方は、母親世代の方が多い客層に合った結構な出来上がりでした。

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