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2016年05月29日04:24

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5月26日 神田連雀亭「橘也・好の助 落語十番勝負 其の八」

 夜の連雀亭に行くのは初めて。20人程度のほどほどの入りで、ほとんど40代以上中高年男性。ちらほらアラフォー?女性。圓楽党若手二人の会。

●前座見習い 小はぜ「道灌」
 はん治のお弟子。まだ寄席の楽屋入りを許されていないそうだが、習った通り一生懸命演じてみるものの、途中で何度も詰まってしまう。この会で開口一番を演じるのは二度目で、前回も「道灌」。最初は「習った通りにしか出来ないので20分くらいかかってしまいますが」と言っていたそうだが「今日は12分くらいで降りてきた。ちょっとはしょり過ぎじゃない?」と後に出た橘也が。

●橘也「ぞろぞろ」
 この人を聞くようになったのは連雀亭が出来てからだから相当最近。来年は真打昇進が決まっているらしい。小太郎や昇々あたりと同期だと考えると早い。兄弟子の萬橘は変わった芸風で、ほかに比べられる人がいないと思うのだが、この人も当たりはマイルドだが、いろいろ企んでいる感じがする。ただそれは他協会の演者と一緒にやるときの立ち回り方であって、今日は後輩との会、客の年齢層も考えてか穏やか。

●好の助「宿屋の富」
 前座時代に何度か聞いている。その中には好楽・王楽・ナポレオンズの会で前座がかっ好という、兄弟なのか親子なのかわからない会も。一之輔・きつつきの会で前座がかっ好、順番であがった一之輔に「今日はこれまで出てきたのが人間ですらない、ヘンな落語会」と言われたときもあった。兄弟子・兼好の如才なさと比較すると、かなり客に対して挑戦的な印象。

<仲入り>

●好の助「無精床」
 黒紋付、袴で再登場。また床屋の噺かと思ったが、演じ慣れているのか、軽妙で良い。無精な親方も良いが、お人よしながら負けてない客とのやりとりが楽しい。ところが最後で下げに入るタイミングを誤り「・・・勉強しなおしてまいります」。

●橘也「田能久」
 去年らく兵で「洒落小町」を聞いた時もおおっと思ったが、個人的に談志印象の強い作品を若手が演じると驚いてしまいますね(らく兵の場合は立川流なんだから当たり前だが)。
 阿波の田能村で素人芝居一座を仕切る親孝行で正直者の久兵衛さんが、旅先で出会ったうわばみを退治して千両役者になる・・・という噺。何が良いといって、久兵衛さんには相手を謀るつもりは一切なく、ただ親切心だけで動いている善意の人なのが良い。橘也の隠しきれない人の良さが生かされていたんじゃないか。

 開演前、隣席の人の会話が聞くともなしに耳に入る。
「小痴楽は良いですね」「悪くはないんだけど、何を演じていても自分が出てしまうところがね・・・」云々。いろいろな見方、受け取り方があるなぁと思う。

 5/20は江の島でその小痴楽の独演会。近場の会なので何度か足を運んでいるが、今回は30人ほどの客入りで、これまで見た中では一番多い。しかも若い女性客がずいぶん目立つ。最初に小痴楽が「ご近所の方は手を挙げて」と挙手アンケートをしたのだが、いままでは地元年配男女しかいなかった地方寄席に、そこそこよそのお客さんも来ている。
人気ってこういうところから量れるものだと思う。

○のめる
○佐々木政談
<仲入り>
○風呂敷

 亡父・痴楽と一回り以上も年齢が違うご母堂はまだ51歳で、小痴楽の独演会のあがりや祝儀を預かって、黙ってサイパンに行っちゃうようなヤンチャなお母さんらしい。つまり自分は小痴楽の親世代の年齢なんだ・・・。高校中退後入門してからこっち、客も楽屋も、自分の祖父母みたいな世代を相手に過ごしてきたんだねぇ。「佐々木政談」を最後に持ってくるべきだったのを、順番を間違えてしまったと焦っていたが、両親の激しい夫婦喧嘩話から入った「風呂敷」悪くなかった。ただ、兄いと熊の演じ分けがもう少しはっきりしててもいいんじゃ・・・熊があんまりへべれけに酔ってる感なかった。

 この後横浜で仕事をして11時過ぎに帰宅。喜多八の訃報。やはりろべえの口上には立ちあえなかったか。そして弟子に先に逝かれた小三治の気持ちはいかばかりかと。喬太郎は確か末廣亭中席の主任だったと思う。17日には近親者で葬儀を終えていたのだから、中席の最中にはわかっていたのだろう。睦会の扇遊、鯉昇らも・・・と直近まで高座に上がっていた(さすがに休みがちではあったが)人なだけに、周囲への影響にまず頭がいってしまう。博品館の独演会、睦会などこれまでに見てきた姿が思いだされる。近年高座でやたらと談志批判をする姿を目にしたが、それなら喜多八はこれから、どう落語家として過ごしていくつもりなのかと答えを出さないままの現役世代の死。師匠に心酔していただろうろべえはさぞかし辛いのでは。

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