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2016年04月26日00:07

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関光夫さんが活躍できた時代

 今日(26日)は、フランシス・レイの誕生日です。こんな曲を作曲した人です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ain88a_-Xsk

https://www.youtube.com/watch?v=UIfOtRGS030

https://www.youtube.com/watch?v=sAPHNhPucCM

https://www.youtube.com/watch?v=l1DoQhO6gt8

 映画音楽の専門家と言ってもいいですね。でも、この人が活発に活動していた頃には、同じように映画音楽専門家と言ってよい作曲家が他にもいて、互いに鎬(しのぎ)を削り合っていたように思います。
ミシェル・ルグラン
https://www.youtube.com/watch?v=kLXNBu6_JNA

エンニオ・モリコーネ
https://www.youtube.com/watch?v=jHxvcfJtapk

ニーノ・ロータ
https://www.youtube.com/watch?v=14Phpk-8OJY

ジョルジュ・ドルリュー
https://www.youtube.com/watch?v=F9CChpp1YfE

ジェリー・ゴールドスミス
https://www.youtube.com/watch?v=o-_8eWHbU5w

ヘンリー・マンシーニ
https://www.youtube.com/watch?v=IrSNMoCpYls

ジョン・バリー
https://www.youtube.com/watch?v=Lcdmq07u2T8

 もっとも、これらの音楽を私は映画を観て初めて知ったというわけではありません。今だってまだ観てない映画は結構あります。なのに音楽の方は知っているのは、昔はこうした音楽を専門的に紹介してくれるラジオ番組があったからでした。
 特に最強だったのは、関光夫さんの番組でした。こんな番組でした(随分昔の番組なのにYouTubeにアップされてたものがありました)。
https://www.youtube.com/watch?v=3d1F4zUPyMA

 「FMコンサート」、「ポピュラーアラカルト」、「関光夫の映画音楽特集」、「夜のスクリーンミュージック」と、番組名は変わっても、基本的に映画音楽を紹介するというコンセプトは同じで、よくエアチェックしたものでした(そう云えば、当時はエアチェックしやすいように、番組で流れる全曲目や所要時間等を記したFM雑誌(「FMファン」とか「FMレコパル」とか)というものがありました)。
 エアチェックというのは、今にして思えば、なかなかスリリングな作業でした。
 お目当ての曲が流れる予定の番組が始まると、いつその曲が出てくるか、今か今かと待ちかまえ、いざその時が来たら、今度はDJ等の説明が終わって曲が始まるタイミングを見計らい(←これがなかなかむずかしい)、曲が始まる直前にラジカセの録音スイッチを入れるという作業を何度繰り返したことでしょう。一瞬のあせりやためらいにより、DJの声を拾ってしまったり、曲のアタマがちょん切れてしまったり、でそれまでの努力?が水の泡になってしまうわけですから、真剣に取り組んだものです。
 そうやって苦労して録音しても、ラジオですから、途中で雑音が入ってしまうこともあり、それでなくても、音質も必ずしもいいものではありませんでした。でも、YouTubeのような動画サイトなどなかった時代のこと、高価なLPレコードなどによらずに好きな曲を好きなだけ手軽に楽しむためには、この手によらざるを得ませんでした。
 それはともかく、テレビが壊れて以来、ラジオを聴くことが多くなったためか、感じるのは、かつて関光夫さんがやっていたこのような番組が絶滅してしまったということです。
 映画自体が娯楽の王様ではなくなり、また著作権の問題とかもあったのかもしれませんが、より大きいのは、需要が無くなったということなのでしょう。今では、苦労してエアチェックしなくても、音楽は、動画サイトで、より安定した音質で好きな時間に好きなだけ聴けますからね。また、関さんが披露してくれた数々の情報も、今ではweb情報として幾らでも簡単に検索できるようになりました。
 でも、これって、あまりにもお手軽すぎるとも言えるんですよね。
 一般に、人間は楽に手に入る物に対しては冷淡で、使い捨てにしがちです(湯水のように使うという表現もありますし、男にすぐ靡く女は簡単に捨てられたりするでしょ)。
 映画音楽に限らず、音楽の世界でヒットのサイクルが恐ろしく短くなっているのも、おそらくそのせいではないかと思います。今や曲を作る側も、それでもお金は稼がなければならないので、曲そのものは使い捨てにされても、売り上げは伸びるという、言わば本末転倒なことをしてますね。人気アイドルに歌わせ、そのアイドルとの握手券をCDとセットにして販売したりして。
 事情は、映画音楽も大して変わらないでしょう。
 昔の映画音楽は、映画「〇〇」のテーマに特化して作られたものでした。でも、今は、最初から映画「〇〇」のテーマ以外の利用も考えられています。BGMはもちろん、カラオケ、レンタル業等々、たくさんの利用者が想定され、もちろん抜け目なく映画の契約段階から予想される利用者側との交渉も進めて使用料等を取っているものと思われます。
 要するに、お金儲けの仕方が上手くなってしまったんですね。
 これは必ずしも、音楽の質が落ちたということではないでしょうが、音楽というものに対する向き合い方が、作る側にしても、聴く側にしても、変わってきたのは事実だと思います。
 関光夫さんが活躍し、多くの人々がエアチェックに苦労していた時代は、皆それなりにまだ純粋に誠実に曲に向かい合うことができた幸福な時代だったと感じるのは、私だけではないような気がします。
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