「ルーム　」

アイルランド出身の作家のベストセラー小説「部屋」を映画化したアイルランド・カナダ合作映画です。アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネートされ、ブリー・ラーソンが主演女優賞を初ノミネートで受賞しました。

母親のジョイが幼い息子ジャックが暮らすのは電化製品もキッチンもテレビもバストイレもあるけれど、出入り口、窓は無く、あるのは天窓だけの「部屋」でした。

ジョイは５歳の誕生日を迎えたジャックに「部屋」の外にも「世界」があることを話し、決死の覚悟で脱出を図ります。
脱出は成功し、ジョイは自宅に帰ることができましたが、新しい世界になじんでいくジャックに対し、ジョイは奪われた７年間という時間の長さに絶望せずにはいられませんでした。
突如、出現した「孫」に対するジョイの両親の態度も対照的です。

設定は特異なものでも、普遍的な人間の成長、親になること、家族愛が描かれているので、感情が揺さぶられる映画でした。
ジョイを演じたブリー・ラーソンは「ショート・ターム」でも強い印象を残し、演技も素晴らしいですが、子役のジェイコブ・トレンブレイが可愛いだけでなく、演技も素晴らしかったです。

実際にあった事件に着想を得た物語だそうですが、日本でも監禁されていた少女が脱出に成功したことがあったばかりなので、いっそうリアルに感じました。