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2016年04月01日14:14

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「母よ、」

2015年カンヌ映画祭コンペディション部門エキュメニカル審査員賞を受賞したイタリア・フランス合作映画です。

主人公は、恋人とも別れ、離婚した元夫との娘の進路問題も抱え、兄とともに入院中の母親の世話をしている映画監督のマルゲリータ。
撮影中の新作映画は、アメリカ人俳優バリーが撮影に参加してから、思うように撮影が進まなくなり、ストレスがたまるばかりでしたが、そんな中、
医師から母の余命宣告を受けてしまいます。

「息子の部屋」のナンニ・モレッティ監督が前作「ローマ法王の休日」の製作中に監督の母親が亡くなり、その時の体験が投影されていて、若死にしない限り、誰もがいつかは経験しなくてはならない親の死を見つめ、「家族のありかた」を問うヒューマンドラマです。
そして、彼の分身として女性が主人公になり、さらに母、娘、孫の3世代にわたる女性ドラマになっています。

撮影現場のシーンが多く、車を運転中のシーンは、あんなふうに撮るのかとか、撮影現場での苦労とか、興味深いシーンや笑えるシーンも多かったです。

中盤過ぎまでは、撮影中の場面と、病院を中心にしたプライベートの場面があまりに目まぐるしく切り替わるので、衰弱していく母への思いなどをもっとじっくり見たいのに残念に思いました。
でも見終わって見れば、やはり普遍性のある、良い映画でした。

主人公のマルゲリータ役を演じるのはモレッティ監督作品でも常連のマルゲリータ・ブイ。
アメリカ俳優バリー役には「ジゴロ・イン・ニューヨーク」のジョン・タトゥーロ。マルゲリータの兄役でモレッティ自身も出演しています。
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