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2016年01月06日18:51

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旅行記@2015年末遠征《1》奈良国立博物館

2015年12月25日金曜日、遠征の初日はクリスマス当日であった。

朝一番のいつもの新幹線で東京を発った。
まだ薄暗い中、富士山のシルエットを窓外に認めたあたりから爆睡。。。気が付いたら京都。て感じで上洛。
夜明け前の東京より、京都の方が寒く思った。コートの襟をかき合せつつ近鉄線に乗り換える。
この旅最初の目的地は奈良博だ。
国宝拝観数を年内に750件の大台にのせておきたかったがため、一気に4件GET出来る奈良博に立ち寄ることにしたのだった。ま、ほかにもいろいろ奈良博訪問に至る事情・経緯はあるのだが、、、長くなるので割愛しますm(_ _)m

奈良博の玄関先には、開館5分ほど前に着き、スタンバイ。
注目の特別展をやってるわけでもなし、世間的にはまだ旗日でもないしで、開館時間に合わせて参集するような物好きな客は、わしを含めても4、5人しか居なかった。
「何をこの人はこんなに鼻息を荒くしているのだろうか?」と、係の女性は訝しんだかも知れない。開場するなり一番乗りで場内へ突入した。
目的の未見国宝は4件とも、後半の名品展の方に出てるのがわかってはいたが、まずは企画展の『おん祭と春日信仰の美術』から、順に拝観。
【展覧会HP】http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2015toku/on-matsuri/2015on-matsuri_index.html
フォト
春日大社若宮の「おん祭」は、年に一度、常の住まいを離れて《御旅所(おたびしょ)》の《御假殿(おかりでん)》に遷座される若宮神の前に、様々な芸能を奉納するというお祭りである。平安末期の保延2(1136)年、若宮社御創建の翌年から脈々と受け継がれてきた祭礼は、驚くなかれ、何と今年で880回目を数えるという(;゚Д゚)
この祭りの時期に合わせて、奈良博が、この企画展を開催するのも今回が10回目ということだ。

祭りの歴史を辿る展示ということで、祭礼が始まった当初になる平安時代末期の物品から、現代の物品、祭りの様子を撮影した写真パネルまで、幅の広い展示内容であった。
中でもわしが注目したのは、やはり国宝。『若宮御料古神宝類』のうち3点が展示されていた。そのうちの、アルカイックな魅力を放つ銅製の狛犬がツボだった。

あいだに『新たに修理された文化財』の特集展示を挟んで、お目当ての名品展『珠玉の仏教美術』♪
まず、毎度のことながら、当館所蔵の仏像のクオリティの高さには驚かされる。
いきなり会場冒頭で待ち構えておられたのが、あの有名な東寺の国宝・兜跋毘沙門天立像、、、の模刻像。いや、模刻と言ってあなどってはいけない。何しろ造像は平安時代・12世紀にまで遡る(ま、オリジナルは8世紀なんだけど(;´∀`))、重文指定も受けている忠実な模刻像だ。
「あれっ? 何でこの像がここに?!」と、《見仏界の雑魚》たるわしが(ダメじゃん)見誤ったくらい忠実な模刻で。
胸部中央から臍を経て腰帯の《獅噛バックル(勝手に命名)》にかけて垂れる甲冑の《センターライン》を、ちょっと左にズラすように表現することで、腰のひねりを強調している。そんな細やかな演出に、すごいね! と感心しまくった。
いきなりのっけからこの名像である。
続いて、天理市にある善福寺ってお寺の本尊という、重文・阿弥陀如来坐像にグッと来た。両手を胸前に持って来てからの〜、説法印。その手の動きと、柔和なお顔立ちにヤラレた。それから、久々に拝見した岡寺の国宝・義淵僧正坐像の《シワ表現》。それから、、、と、あんまりしつこく書いてもアレなんで、仏像についてはこのくらいにしておくm(_ _)m

そう、当地を訪れた一番の目的は未見国宝4件のGETだった。
其の一、大毘盧遮那成仏神変加持経。奈良・西大寺蔵。
天平神護2(766)年、称徳天皇付きの女官・吉備由利が発願し、西大寺四王堂に安置した一切経の一部。奈良時代後期を代表する写経である。書道のお手本みたいなキレイな字だった。
其の二、六祖恵能伝。滋賀・延暦寺蔵。
恵能は唐の禅宗の高僧の名。始祖達磨大師より数えて六代目の大師なので六祖という。本書はその恵能の伝記の書写本で、伝教大師最澄が唐より持ち帰ったもの。原本が出来て間もない頃の貴重な書写とされる。当然ながら、漢字ばっかがビッシリ並んでてビタイチ読めん。。。(;´∀`)
其の三、泉涌寺勧縁疏。京都・泉涌寺蔵。
勧縁疏は「かんえんそ」と読む。当代きっての学僧とされ、泉涌寺を中興した俊じょうが、泉涌寺再興のため、人々に喜捨を募った際の趣意書。字は若干かすれて読みにくかったが(まあかすれてなくても読めないだろうが)、見返の《金地に蓮の華》がまずキレイだったのと、5色の色違いの紙を継いだ料紙も目に鮮やかで、字以外のところにも魅力があった。
と、やや地味な書の国宝が3件続いたが、最後の4件目は一味違った。
いや、一味どころか、今回の遠征中でも、屈指の「見れてよかった逸品」となった♪
其の四、籠手。奈良・春日大社蔵。
籠手と聞いて、勝手に剣道の防具のような籠手を思い浮かべていたのだが、実物はさにあらず。上腕から手の甲までを覆う防具、下地の布も付いていた。手の甲のところ(手首くらいまでの部分)と肘の当たるところ、それから上腕部分に、金銅で細かな蝶や菊花が表してあり、工芸品としても見事な仕事がなされている♪ その金銅部分が、鎖帷子のような具材でジョイントしてある感じ。
実際は鎌倉時代後期の作とされてるらしいが、わしとしては、「源義経所用」という伝承、ロマンを採りたい! と。まあそれはそれとして、紛れもない名品だ♪ て鼻息が荒くなったものだ。

で、近くにいた係員の女性に、「何あの人、籠手見ながらハァハァ言ってる(;´Д`)」てな感じで白い目で見られつつも(?)、大満足のうちに会場をあとにして、お次に向かったのは正倉院。
だいぶ時間はゆったり取ってあったし、思ってたより順調に見学が済んだので。

つづく。
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