mixiユーザー(id:5755958)

2015年12月30日09:55

222 view

「独裁者と小さな孫」

ジョージア(グルジア)・フランス・イギリス・ドイツ合作の映画です。
イラン出身で、現在はヨーロッパで亡命生活を送っている「カンダハール」などで知られる、モフセン・マフマルバフ監督が平和への想いや未来への希望を込めて描いたヒューマンドラマです。

罪の無い人々を処刑してきた冷酷な独裁者が権力を握る、とある国が舞台。
クーデターで地位を追われ、クビに賞金がかけられ、逃亡生活を余儀なくされた老齢の独裁者は、幼い孫とともに変装しながら幼い孫とともに国外脱出を図ろうとします。
羊飼いや旅芸人、カカシにも変装した独裁者は、自身が行った悪政のために困窮する民衆の姿、暴徒化した民衆の姿を見ます。

監督は9年前にタリバンに制圧されたアフガニスタンの惨状を目にしたことが、本作製作のきっかけだと語ります。
その後イランの反政府運動や“アラブの春”があって、少しずつ脚本に手を入れていろいろなものを足していったが、「ひとつの国のひとつの問題ではなく、どこの国でもありえる物語として撮りたかったのです」そうです。

冒頭から撮影されたのは旧ソ連の国だなと思いましたが、ジョージア(グルジア)でオールロケを行い、役者も、スタッフもすべてジョージアの人々を起用したそうで、ジョージア語が使用されています。

ラストで、独裁政権下で長い間「政治犯」として投獄されていた男が民主化をするには暴力の連鎖を断ち切る必要性を力説します。
監督は、暴力の連鎖を断ち切るのは難しいことだが、監督自身は今の世界に希望を持って変革を信じていると語ります。
シリアスだけど、ユーモアもあり、素晴らしいメッセージを感じる映画でした。
孫が次々発する素朴な質問が大きな意味を持ち、演じる子役のダチ・オルウェラシュヴィリがとても可愛いいです、

「今こそ、この映画は日本で見られるべきと思います。なぜなら日本の平和とデモクラシーは危険と向き合っています。安保法案の集団自衛権について通してしまったことに沈黙を続けていけば、どんどんいろいろな法案が通ります。」、日本に向けての監督のメッセージです。
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する