季節はずれの『夏の終わりのハーモニー』

〜　心臓の鼓動の急拍は突然の指名に比例する　〜


お世話になっているバンドの

超内輪の貸し切りXmasパーティー
と言うか忘年会

ギターテクニシャンも出ることだし…と
飲み物とおつまみの差し入れを済ませ
今日はとことんXmasパーティーの雰囲気に浸ろうと
マイドリンクとマイおつまみ持参で
隅っこで演奏と歌を楽しん…でいたら

『なに一人でこそこそ楽しんじゃっているんですか？
だめですよ　歌ってくださいね！』

とバンドメンバー女子に声を掛けられ
数十曲が並ぶプリントを見せられた


「じゃあ『夏の終わりのハーモニー』にし…」

と言い終わらない内に彼女は
『ハイっ！じゃあ次歌ってください！』
とバンドの目の前に駆け寄った

演奏を終えたバンドメンバー全員が
想定外の夏の歌に驚き
楽譜をガサガサと探す

バンドマスターが
「ギターの彼がハモるから好きに歌って」
とドラムのスティックを早くもカチカチと鳴らそうとする

ステージで動揺する僕をみかねて
「私がＩのフレーズを歌うので曳田さんはＴのところね
で◎のところは二人でハモろうね」
とギターの彼が助けてくれる

「あ…はい」
そうかＩは井上陽水でＴは玉置浩二か
じゃあなりきっちゃおうかな
アルコールの勢いもあるし
彼らもぶっつけ本番だし
そう思っても心臓バクバク

でも
気持ちよく歌えた
今日のXmasパーティー