ラーメン王、再び

３年ぶりに渋谷のラーメン屋に伺った。「渋谷のラーメン王」こと後楽本舗さんだ。

なにしろラーメン王である。
「店が”ウチのはラーメンだ”と言えばラーメンだし、”中華そばだ”と言えば中華そば」の法則にしたがえば、店が「ウチはラーメン王だ」と言ってるので、ラーメン王なのだ。

ついにラーメン王も券売機の導入に踏み切ったか。

以前は、お勘定は後会計だった。しかも、レジ精算でなく、客席精算という高級レストラン方式だったのだ。さすが、ラーメン王である。

「ごっそさん、味噌ニクね」と客が代金をカウンターに置けば

「どうもね〜」と調理中の料理人が硬貨を掴んで小銭入れに放り込み、そのままの手で野菜を掴んで、鍋にぶち込む。

調理中で大忙しだから、たまに硬貨を取り損なって、食事中の客の丼に落っこちる。

「悪いね、お金取って〜」

言われた客は唖然とする．．．．なんて光景が繰り拡げられたものだった。

料理人は一新されたようだ。

ロボコップさんはクビになったのか。ロボットの様なカクカクした動きで鍋を振る、腕の良い職人だった。客の注文が一段落すると、厨房にしゃがみこんでタバコを一服なんてやってた。

おお、新しい料理人は凄いな

休む事なく厨房を立ち回る。ラーメン、炒飯、ヤサイ炒めを同時に作ってるぞ。
しかも目に止まらない程のスピードだ。サイボーグ００９！加速スイッチオン！

注文は私の定番、味噌ラーメンセット。

ラーメン、小ライス、半ギョーザがついて、￥６７０。これで￥６７０である。今時のこねくり回したラーメン屋では、ラーメン一杯も注文できまい。
もちろんラーメンは美味い。ニンニクがふんだんに溶け込んだ味噌スープ。スープが良く染み込んだモヤシ、キャベツ。コイツをライスに乗せれば、即席ヤサイタライスだ。麺は柔めの中華麺。あの黄色くて固い西山麺が苦手な私にはピッタリだ。ギョーザもラーメンの味を壊さない。
こんな雨の夜には最適の夕飯であった。

隣のニイチャンは炒飯をパクついていた。
今流行りの「しっとり炒飯」いや、私好みの「ベチャーハン」に見受けられる。実に美味そうだ。今度来た時は注文してみよう。