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2015年12月07日21:01

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「さようなら」

2010年に発表され、生身の俳優とロボットが共演する異色の世界観が国内外で注目された、同名のロボット演劇は、劇作家・平田オリザとロボット研究者の石黒浩(大阪大学教授・ATR石黒浩特別研究所客員所長)とのコラボレーション作品です。
この芸術と科学のコラボレーション作品を深田晃司監督が脚本も手がけて映画化しました。

舞台は原子力発電施設の爆発によって国土の8割が放射性物質に汚染され政府が「棄国」を宣言した近未来の日本。
国民は皆、難民となり、次々と国外へ避難していく中、南アフリカからの難民で白人のターニャと、幼いころから病弱なターニャをサポートしてきたアンドロイドのレオナは、避難優先順位下位のために取り残されます。

汚染された世界で死にゆく人間と死を知らないアンドロイド、寄り添う二人に静かな時間が流れます。レオナがターニャに頼まれ、暗唱する谷川俊太郎、カール・ブッセ、和歌山牧水の詩が美しいです。
多くの人が消えていくなか、やがてターニャは最期の時を迎えます。そして・・・。

深田監督は映画化に際し、“原発問題”と“難民”という設定を追加したそうです。
死んでいく女性の孤独と、女性を取り巻く世界そのものが破滅に向かっていく状況を作り出したかった」と意図を説明。
原発がテーマではないのだけれど、日本人が難民になる・・・絶対に無いとは言い切れない怖さを強く感じずにはいられません。

レオナ役には石黒教授の開発した本物のロボット、「ジェミロイドF」を起用。教授は、バラエティ番組「マツコとマツコ」に登場したマツコ・デラックスを模した
アンドロイド「マツコロイド」の制作者でもあるそうです。
ターニャ役は舞台版と同じブライアリー・ロング。新井浩文や村上虹郎らが共演。
フランスの名女優イレーヌ・ジャコブと、彼女の夫で、仏演劇界を代表する名優ジェローム・キルシャーがターニャの両親役で特別出演しています。

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