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2015年11月20日21:47

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『村上華岳―京都画壇の画家たち』に行って来た。

ダブルヘッダー明けの半休を利用してミュージアムm(_ _)m
「知名度抜群の《現代の村上》」と、「たぶん一般にはほとんど知られてない《近代の村上》」、どっちにしようかなあ? と迷って、今回は後者を採りました。

山種美術館「《裸婦図》重要文化財指定記念 村上華岳―京都画壇の画家たち」
【展覧会HP】http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
フォト
当館所蔵の村上華岳の代表作《裸婦図》が重文指定されたのは昨春のことなので、「今更?感」のある企画ですが、本作には新指定時に東博で会って以来お目に掛かっていませんし、村上華岳のそのほかの作品にも興味があったのと、加えて、本展には当館所蔵の別な重文、竹内栖鳳の『斑猫』も出るってことだったので、楽しみに伺ってみました。



「第1章・先人と学友―京都画壇の画家たち」
華岳の学生時代の師匠にあたる竹内栖鳳、同窓生の土田麦僊や小野竹喬、華岳も参加した新団体「国画創作会」の同人メンバーでもあった甲斐庄楠音ら、華岳に関係のある人たちの作品を中心に、直接的には関係なさそうな田能村直入であったり今尾景年であったり西村五雲であったり、まあ大まかに「京都画壇」に属する人たちの作品が展示してありました。
いつものごとく(?)、全体の分量としては、華岳本人の作品より、こちらの章に展示してあった「関連人物の作品」の方が多かったという。。。
まあ、それでステキな作品がたくさん見れたので、文句はないんですけどね(;´∀`)

ハイライトはやっぱ栖鳳の『斑猫』(重文)でしょう♪
たぶん、先年近美で開催された「竹内栖鳳展」で見て以来の拝観でしたが、竹内栖鳳展が大人気だったので前回は混雑の中で見たのに対し、きょうの館内は空いてて、じっくりとっくり拝見することが出来ましたヾ(*´∀`*)ノ
近くで見ると、毛のふわふわ感まで見事に表現されてて、思わず撫でてみたくなっちゃいます♪ でも、この絵の感じでは、身繕いしつつも上目遣いにこっちを警戒してますし、たぶん触らしてはくれないでしょう、この猫ちゃん。いや、触らしてくれないばかりか、おそらく、あと1、2歩近づくと逃げ出しちゃうと思います。。。そんな様子まで、しっかりリアリティを持って描かれてます。さすがの逸品ですねヾ(*´∀`*)ノ

その他、今回目に付いたもの。
華岳と関わりのある連中の作品では、小野竹喬の『沖の灯』、福田平八郎の『春』などが良かったです。
関係のない(ただ同じ「京都画壇」というだけの繋がりの)人たちの作品では、田能村直入の『百花』、金島桂華の『叢』、山元春挙の『火口の水』『空山密雪・夏山煙雨』(※双幅のうち特に前者)などが良かったのと、あとは西村五雲の作品(特に動物画)に複数点ステキなものがありました♪



「第2章・村上華岳―《裸婦図》への道」
本展のメイン・重文『裸婦図』は、個人的にはそれほど好きな絵ではありません。
しかし、今回はじめてまとまったカタチで拝見した村上華岳の作品、全体としては、けっこう「好き♪」て思えるモノが多かったです。どちらかというと、個性を発揮し始める前の、「オーソドックスに上手いなあ」て初期作品の方が、わしの好みにはマッチしてるみたい。
たとえば、20歳の時に描いたって『驢馬に夏草』とか、24歳の時に仕上げたって『四季草花之図』(京都市立芸術大学芸術資料館蔵)とか。若書きの作品で既にしてこのテクニックか(;゚Д゚)! と。



「第3章・京都画壇の女性表現―《裸婦図》の前後」
女性をモチーフにした華岳の《裸婦図》に託けて(?)、京都画壇の画家たちがどのような女性表現をしてきたか? 「女性像」を描いた作品たちが特集されてました。
近代画で女性像といえばこの人! つうくらいメジャーな上村松園は、さすがの質を誇る作品が3点出てました。
しかし、今回いちばん注目したのは、甲斐庄楠音の『春宵(花びら)』て作品。
これが、得も言われぬ不気味な異彩を放つ「怪画」でして。。。
杯を持つ花魁と禿が「怖い笑み」を浮かべてる図。。。いま思い出しても身震いが出るような、気持ちの悪い作品でした(;´∀`)



いやーしかし、相変わらず山種美術館の近代日本画のクオリティーはハンパないっすね!
毎年、2〜3度はお邪魔してると思いますが、それでも、出かける度に「未見の好印象作品」に少なからず出会えますから♪
しかも今回は珍しく、京都の方々の美術館から、全体の5分の1〜6分の1くらいの作品を借り出して来てくれてるんで、全体のクオリティはますますいや増してる感じでした!!

つうわけで本日も素晴らしい見学が出来ましたm(_ _)m
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