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2015年11月10日06:20

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『犬に名前をつける日』@シネスイッチ銀座

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ある日、新聞記事の元キャラメルボックスの上川君の写真に目が止まった。
黒いワンコとツーショット!
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以前から、保護犬を引き取って、「ノワール」と名付け、
今、メロメロになっているとは聞いていたのだが、
よく読んでみると、
保護犬をテーマにした映画に、そのノワールさんと出演したというのだ。

そこで、その出演作品をチェックしたらコレだった。

犬モノ…
沙羅さんを見送って以来、ますます弱くなってきているのだが、
それでもコレは観ねばならない!と、
ハンカチを握りしめ、
やはり保護犬を家族にしているマイミク、アズさんと、
行ってきた。

11/6(金) 13:40〜 107分

愛犬のゴールデンレトリバー「ナツ」を病気で亡くした、
映画監督、山田あかねさんが、
犬の為に何かしたいと撮った映画というが、
キャストに小林聡美・上川隆也と挙がっているので、
しっかり物語化しているのかと思ったら、
ほとんどドキュメンタリーだった!

山田あかねさんご本人を「久野かなみ」とし、小林さんが演ることで、
山田さんはその時の自分から一歩退いて、
“撮る”ことに専念できた。
それで、
当事者であれば、つい、のめりこんで、
怒りを爆発させてしまいそうなテーマを、
淡々と、実際起こっている酷い「現実」を伝える、という立ち位置に
立てたのだろう。
撮っている人間の主観が入ると、映像は押し付けがましくなってくる。
その暑苦しさがない、少〜しだけ演出を加味したドキュメンタリー!
ガッツリ心を直撃されるモノが伝わってきた。



最愛の「ナツ」を亡くし、うつろな日々を過ごしながら、
犬のために何かするため、これから外国に行って勉強を…
という「かなみ」(小林聡美)に、先輩のドキュメンタリー監督「渋谷昶子」が言った。
「時間は、あっという間に過ぎるの!
これから勉強してる間なんてないわヨ! 
今!自分にできることをヤリなさい!」
この方、東京オリンピックの女子バレーチーム「東洋の魔女」のドキュメンタリー映画『挑戦』で
カンヌ映画祭短編部門グランプリを取り、
80を過ぎた今も「時間が足りない!」と活躍されている。
それだけに、言葉に力がある。(映画にも、ご本人が登場!)
かなみは、今、自分にできることは映画を撮る事しかない…と、
「犬の命」をテーマに、とにかく撮りはじめた。

まず、カメラは、
動物愛護センター(とは名ばかり。 実質、犬の屠殺場)に、
日々、犬の命を拾いに行く人々を追う。
千葉の「ちばわん」のみなさん。
広島の「犬猫みなしご救援隊」の中谷さんと田原さん。
本当に!、ほんとうに!!、ホントーに!!!
そのご苦労と高い志に頭が下がる。
自身の生活のほとんどを、犬猫の命のために差し出された方達を前に、
せいぜい1匹の保護犬を救う事しかしてない自分が情けない…

「ちばわん」のみなさんに同行する中で、
(これらの場面、小林さんは台本無しで撮影されたとか。
殺される日を目前にした犬達を見つめる“素”の小林さんの姿が、
どんな演出より、心を揺らした。)
かなみは白い大きな日本犬の雑種(?)と出逢う。
汚れきって保健所の職員に保護されてきた彼女を
「洗ってあげてくれる?」と頼まれ、きれいにしてやった時、
彼女と目と目を合わせ、体温を感じ…

かなみは彼女を引き取ることにした。

そして、
運搬ボランティアさんに連れられてやってきた彼女に、
「はる」と命名したその時から、
はるは、かなみの家族になった。

その後、カメラは、
3・11で福島の危険区域に取り残された犬・猫の保護に奔走する、
広島の中谷さんと田原さんを追う。
被爆の限界ギリギリのところで犬猫の命を救うお2人。
柵内の牛たちに、せめて、と、水とワラをたっぷり与えながら、
「助けてあげられなくてゴメンね〜」と涙する中谷さん…
この人があやまるなら、
動物達に土下座して謝罪せねばならない人間が何百と居るだろう?!
はらわたが煮えくり返る!
仮宿舎に居るおじいちゃんに会いに連れて行ってもらった、噛み犬「ポチッこ」
おじいちゃんもポチッこも、全身が喜びに震えている。
唸って噛む犬なんてとても思えない、かわいい犬に変貌している。
こんな、寄り添う2つの魂を引き裂くしかできない支援ってナンなんだ?
どんなにタチの悪いガキでも人の子であれば、仮宿舎は拒めないのに、
犬猫、何が不可だ?!!
絶対、ペット可の宿舎も、地域限定でもいいから設置すべきである!
(ただし、飼主もそういう状況に備え、きちんと躾を入れる必要があると思う。
行儀の悪いバカ犬が、他の人にペットを忌避させるのだ。)

ある時、
「ちばわん」のみなさんが急きょ、犬救出に出動した!
現場は崩壊ブリーダーの繁殖所なる、汚〜い倉庫のような場所。
中は凄惨極まる状況だった。
何段にも積み上げられた、
身動きとれないくらいの小さなケージが数十個。
それらに1頭ずつ押し込められた繁殖犬たちが数十頭…
みな、全く表情の無いうつろな目をして…
ただただ、人気犬種の仔犬を産むためだけに生かされている犬達。
これが、
明るいきれいなペットショプのガラスケースの中で遊ぶかわいい仔犬たち、
というシーンの裏側なのである。
私の愛犬たちは、
初代は親類の家で産まれたエミくん。
二代目は公園で拾っちまったコロン。
三代目は、正に屠殺直前に助けられた保護犬!沙羅さん。
ペットショップ=犬屋で買ったことがないのが私の矜持!
犬は売り買いしてはならない!
が無理なら、
犬は犬屋で売り買いしてはならない!
国に認可されたブリーダーから、
「犬飼い免許」を持っている人間だけが入手できる!
ということにできないのだろうか?

家族に子供が産まれると、人は喜びの内に命名する。
「名を与えること」はその存在を確固たるものとして世に在らしめる事!
ゴッドファザー(名付け親)は親と同格に、名を与えた子の人生を、
責任をもって見守っていくのだ。
「名前をつける」とは、そういうとてつもなく大きな責任を伴うものなのだ。
相手が犬でも猫でも馬でも象でも… 亀でも金魚でもカブトムシでも…
名前=命 なんだなぁ〜

かなみの元夫、前田(上川隆也)も、
かなみの話を聞き、自らも1頭、保護犬を引き取ったと言う。
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4年間、200時間を超える映像を集約して、
“犬のためにできることを何かしたい”という思いでつながったメンバーの手で、
今、産み出されたこの作品。
観て、自分には、今!何ができるか考える人が増えていけばいいな〜
もちろん、私も、考え中です。

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