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2015年11月09日22:21

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波の音が消えるまで/パパはマイナス50点

沢木耕太郎「波の音が消えるまで」新潮社

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老人が遺した一冊のノート。たった一行だけ書かれた、「波の音が消えるまで」という言葉。
1997年6月30日。香港返還の前日に偶然立ち寄ったマカオで、28歳の伊津航平は博打の熱に浮かされる。
まるで「運命」に抗うかのように、偶然が支配するバカラに必然を見出そうともがく航平。
謎の老人との出会いが、彼をさらなる深みへと誘っていき…。
緑の海のようなバカラ台には、人生の極北があった。
生きることの最も純粋な形を求めて、その海に男は溺れる。
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沢木耕太郎さんの長編小説です。
マカオのカジノでのバカラに耽溺する主人公を描いた話です。
「深夜特急」でも沢木さんがマカオでバカラではないですが大小に熱狂する様子が描かれていました。
主人公と過去の話やマカオで出会った謎の老人と過去のある女性との交流という話もありますが、ほとんどバカラの勝負のみで話が進みます。
その点は読者は選ぶと思いますが、なかなか面白かったです。


小山明子「パパはマイナス50点」集英社文庫

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1996年ロンドンで、映画監督の夫・大島渚が脳出血を起こす。
妻として、すぐに駆けつけたい思いは、マスコミ対策のため阻まれた。
何も出来ないことを悔やみ自らを責め、うつ状態に。
それでも、どん底から這い上がり、女優を休業して、介護に専念。
やがて、夫は『御法度』を完成させるまで奇跡的に回復したが…。
十数年に及ぶ、闘病、介護の現実を赤裸々に綴る。
寄り添い生きる姿が共感を呼ぶエッセイ集。
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大島渚監督夫人の小山明子さんが倒れた夫の介護について書いた本です。
大島さんが倒れた直後、マスコミ対応への恐怖から小山さんがうつ病になった事、大島さんの
壮絶なリハビリによる回復、車いすながら「御法度」を完成させる。
そして、再び倒れ、、と10数年の闘病を語ります。
再び映画を撮る事はできませんでしたが、この本の執筆時点ではそれなりに落ち着いていたそうです。
文庫版が刊行されたのは2011年ですので、2013年の大島監督の死去には触れられていません。

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