前にも書いたのだが
僕の職場のデスクの隣に座っている、
入社は1年先輩で年齢は同じ。。。ということで
入社以来の飲み仲間が、大変厄介だという話である。
彼は、別の部署で活躍していた営業マンなのだが
紆余曲折を経て僕の部下として配属されるという、なかなか厳しい展開の人である。
何が厄介なのかというと
前に書いたのは、彼が放つ異臭。。。
その腋臭が厄介であると言う話だったが、
実はそんなことは大した問題ではないのである。
彼は劇的に常識人であり
やや破天荒でもある見た目や言動と裏腹に
極めて几帳面で真面目な人間である。
それであるが故に
僕の部署での仕事は恐ろしく出来ないのである。
彼自身も、二人きりで酒を飲むといつも言うのである。
「どうせ、仕事出来てない奴だと不満げに思っているだろう?」
と
「お前は黙っているけれども、そう感じているのが分かる」
と絡み酒の相手をするのがまず厄介だ。
但し、仕事ができない人だとは
僕は思っていなくて
僕が言っていることが理解できない人だと思っていない。
「前の部署でどうだったから、本来こうあるべきだ」という
訳の分からない道理で、仕事をこんがらがせているだけで
極めてまともな人間だと思っているのである。
しかし、上司としては手に余るのだ。
そもそも自分より年下の人間に対しては
慇懃に対応しているのであるが
全く彼らの助言について理解していないのにも関わらず
「分かったふり」をして危機に直面するものだから
混乱してから助けを求めるのである。
言っておくが、彼に対する批評は
僕自身の仕事に関する愚痴ではない。
こういうケースは想定されるべきであり
なるべくしてなっている事態だからである。
従って、理屈を超えて「良いからやって来い」という業務に関しては
殆どこなせていないまま時間が経過しているのである。
僕は、その、彼の愚直な努力について
「姿勢としては問題ない」
と判断している。一方で
成果としては「全く出来ていない」と判断せざるを得ない。
「分かって欲しいのだ」
と酒の席では彼は連発する。
もちろん、僕は分かっている。
「1+1は2だからな」
と言うと、彼は悲しそうな顔をする。
彼も分かっているのである。
理屈に沿った営業活動なんかしていても
成果が上がらないということぐらい。
かつて、僕が上司を仰ぎ、彼の立場で現場を預かっていた時は
殆ど反則に近い、法律すれすれの営業展開をしていた。
成果を上げるということはそういうことであり
前任者や上司が手が届かない領域に
営業範囲を伸ばすことで
普通にしていれば磨り減っていくだけの市場に対して
営業的アプローチをかけていた。
「じゃあ、どうすりゃ良いんだ?」
と彼は尋ねるのだが、僕は答えないのである。
単なる飲み仲間だったら
「もう、その職場を辞めてしまえ」
と既に言っているに違いない。立場上、それは言えないし
僕は
「そこは気付きの問題だ」
とはぐらかせるしかないのである。
何故なら、僕を騙せば良いのだから。
僕の一階級上の上司にも彼は苦労しているはずだ。
その上司は更にオールマイティで
彼の苦労については理解はしていても
彼の苦悩については解決の術を持たない。
以前に、年齢が一つ下だけの女性社員が来たときもそうだった。
仕事はこの上なく出来ないのだが
彼女にムチを入れることは出来なかった。
彼女はメンタルヘルス上の不調を経て
僕の部署に回されてきたからだ。
「出来なかったら、出来るまでやるんや」
そんな、理屈にもならない説明が
他の部下には飲み込めても
「まともな」人間には理解できないらしい。
尤も、理解できるとも思っていない。
彼らには長い時間の中で幾つかの成功体験の中から
営業の法則というものを見つけてもらうしかない。
お金を払って我々に発注する側の
理屈や
感情や
そのメリットを
想像する力が足りないのである。
ここ数年、次々と新しい仲間が
新しい部下が配属される度に
この部分で悩んでしまう。
僕が代わりにやった方が、何倍も早く
何倍も効率が良いという事実を圧し殺して
彼らの「気付き」を待つだけの余力が残されていないというのに。
非常に残念なことだが
彼より一回りも下の
やはり他部署から回されてきた中堅社員がいるのだが
これが呑み込みが早く
実にスムースに躓いたり、壁にぶち当たったりしながら
成長してくれている。
「あいつは何も分かっていないから、出来るんだ」
と当の先輩は言い訳するが、実はそうではない。
もはや激しい変革の流れに
彼自身がついて行けなくなっているという
そもそもの原因に気づいていないからである。
紙で書いてあることも
メールで知らせているだけのことも
言葉で説明していることも
40過ぎのおっさんに何回も説明するだけの
甘い教育プログラムは用意していないのである。
「一発で覚えろ。そして、前進したら次のステップだ」
僕のこの
厳しくもない指導が彼には重荷のようである。
「得意先の人とも、LINEやFacebookで繋がることで
業務だけの会話を越えて、仕事のヒントが得られますよ」
という僕の忠告に
「Facebookなんて。。。アカウントは開いてみたけど
自己顕示欲の塊みたいな人種が怖くて触れない」
という、彼のとても気持ちが分かるのである。
そんな、彼の放つ異臭が
僕はたまらなく嫌で
出社拒否症になりそうなのである(笑)
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