mixiユーザー(id:4965891)

2015年10月01日14:55

453 view

「経世済民の男 小林一三」と「漫勉」さいとうたかを

「経世済民の男 小林一三」
前後編面白かった。脚本は江戸、明治、大正、昭和の男を可愛く描くのが上手い森下佳子さん。阿部サダヲ主演。親はいないが裕福な生まれの主人公はやる気のない銀行員。彼が上司のお蔭で金を生かす面白さに目覚め、紆余曲折の末阪急電車、東宝映画、阪急デパート、宝塚と創造。借金を抱え84歳まで働いたパワフルな生涯。「一等国とはこの国に生まれてよかったと思えるような国」は名言。人間の本性は我欲だ、働いて努力が報われる国がいい、もいい台詞で。盛り沢山な人生で連ドラ向きな感じ。ドラマには今までなってないね。やってくれないなかな。同じ森下佳子さん脚本でぜひ。
さらに調べると面白い。阪急電鉄の沿線を栄えさせるため阪急デパートも宝塚も東宝も作ったと。さらに東宝も調べると他の映画会社と設立から違う故に路線が一線を画しと。映画館は沿線でプロデューサーシステムとか導入しとかエログロブームにも乗らずファミリー路線を貫きと。
客目線での視点を大切にするのは便利なら客が来るからと。さらに先を見据えてその子孫までも客になるのだと。
東宝に戻ると制作より配給が主になり。でも配給でも沿線ならではの強みと。ゴジラガメラポケモンナルトドラえもん、その他邦画諸々やはり家族で見られる安心のラインナップは選んでるんだねと。優等生が揺るがずにいてくれてこそ尖ったのも自由に動けるというもので。

「漫勉」さいとうたかを
プロデューサーシステムといえばちょうど「漫勉」のさいとうたかをも読者目線で面白いものを提供するためと似たようなことを。さいとうたかをの絵は驚異だった。下書き無しの理由は藤田和日郎さんと同じ。一筆目はマジックで眉からがしがし描いて大丈夫?思ったのに、びっくりなことに、荒っぽい絵が細部を描いてくうちにどんどん上手くなっていって出来上がりは綺麗に。色塗りも水彩で綺麗。構成とゴルゴは全部描いてて。例の眉だけ描いてる伝説はデマだったとはっきり。
浦沢さんに老人の絵の描き方の話から「君は絵が上手いんだね、絵の上手い人は絵に溺れがちだから気をつけて」という感じのことを言ってたのが印象的。これだけ絵が上手くて自分で画風を作り出した人の言葉なわけで重い。長い漫画の歴史を知ってるわけで。上手くて絵に溺れて読者置いてきぼりになってしまった漫画家をよく知ってるんだろうと。「読者は誰が描いてたって関係ない、面白ければいいんだ」と。大衆路線を続けている客目線ならでは。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年10月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031