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2015年08月20日19:36

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故郷 はよ忘れたく候

日本には潮干狩りという習慣がある。

子供の頃、瀬戸内の島に住んでいたときに、家の目の前がすぐ浜で、アサリはその気になったらいつでもたくさん捕れた。

祖母はアサリを捕るのが実に旨く、浜に出かけて2−3時間もたったかと思えば、鉄のバケツ一杯にアサリを抱えて帰るのが常だった。

自分も時折つきあうことはあるものの、実のところアサリ捕りは苦手だった。

中腰で炎天下ザクザクと掘り続けるのは本当につらかった。

特にアサリはきれいな土には棲んでおらず、真っ黒で粘土のような土が滞積している場所に棲んでいる。

この土がまた汚らしく、臭いのだ。

元来飽きっぽい自分がこんなこと続けられるわけがない。

「・・・もう、あきたんのあんたは!」

怒る祖母を後ろに自分はいつも他の場所で遊んだりしていた。

干潟にはもっとおもしろい海の生き物たちがいる。

カニ、イソギンチャク、エビ、ウミウシ、それらは見ているだけでもあきない。

しかも夕方五時ともなれば仮面ライダーの再放送がある。

あれから40年たち、自分は東京に住んでいるが、干潟を知らない友人など

「・・・潮干狩り・・・いいなあ」

というが、

「・・・あんなもんどこがおもろいねん」

と今でも自分は思うのである。

(写真は自分が当時遊んでいた干潟の現在)
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