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2015年07月29日20:14
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東博に行って来た（続）。
きょうUPするのは、きのうの日記の続きです。
きのう伺って来た東博、特別展のあとにお邪魔した、常設展拝観の模様m(__)m
先ず、長いこと改修工事のため閉鎖されてた、平成館と本館のあいだの通路が、数カ月ぶりに通り抜けできるようになってました。
で、平成館と本館のあいだにある展示室。考古展示室はまだ閉鎖中のままでしたが（どうやら10月までリニューアル工事のため閉鎖みたいです）、その対面にある企画展示室は復活してました。
その復活第一弾として、「特集・キリシタン関係遺品にみる聖母マリア信仰」て、なかなか興味をそそる企画を開催中♪
展示品は主に、禁教時代（安土桃山〜江戸初期／16〜17世紀）の「聖母マリア信仰」を偲ばせる品々で、大半のモノには「重文」の表記が付いてましたが、これはおそらく、1点1点が重文指定されてるわけじゃなくて、「長崎奉行旧蔵品キリシタン関係資料」みたいな感じで、一括指定されてるものと思います。
たとえば、↓踏絵（それぞれ重文）。
たとえば、↓マリア観音像（各々重文）や、↓ロザリオ（こちらも各重文）。
ちょうどわしが鑑賞してるタイミングで、欧米人の観覧者も数人、こちらの展示を興味深そうに見たり、写真を撮ったりしてたんですが、彼らの立場からすると、こういう「キリスト教弾圧の遺物」はどんな風に見える（感じる）モノなんでしょうか？ そこらへんにも興味を覚えましたm(__)m
それから、幅がひとまわり拡張されて、ずいぶん新しくなってた連絡通路をとおり、本館へ。
で、2階に上がるために通過した近代美術の展示室で、この日いちばんの「お気に作品」に遭遇しました♪
↑河鍋暁斎筆「地獄極楽図」。縦199.6�僉濂�342.4�僂砲盖擇屐�大画面の掛け軸です！
その大画面の中で、亡者や鬼や獄卒や、閻魔大王や裁判官たちや、地蔵菩薩（？）までが、所狭しと躍動しまくってます。
《↑それぞれ、「地獄極楽図」の部分拡大です》
やー、暁斎の筆、踊りまくってますね♪
初めて見た作品というわけではなかったんですが、最近、暁斎の特別展を見て、ますます彼に興味が湧いてきてたためか、以前にも増して惹きつけられました！
あと、近代美術のコーナーには、今村紫紅の『近江八景』（重要文化財）全8幅も、揃いで出陳中でした（↓写真は、そのうちの3幅）。
こちらも初見ではなかったんですが、ひょっとしたら8幅揃ってかかってるのを見たのは初めてだったかも知れません♪
や、近代美術のコーナーは相変わらず充実してました( ｀ー´)ノ
それから正面ロビーへまわり、本館2階へ。
そして最初の「お目当て」が、国宝室の『随身庭騎絵巻』〜！
こちらも初見ではなかったんですが、なかなか面白い内容の絵巻なので、再見の機会を楽しみにしてました♪
改修工事中の大倉集古館からの出張展示なので、写真撮影はNGだったんですが、久々の再会、十分に満喫しました！
それぞれに「キャラの立った」人物が9人、描かれてる絵巻物です。
彼らは、平安時代後期〜鎌倉時代に実在した人物たち。全員が「随身」という身分の者たちです。
「随身」つうのは、「平安時代以降、貴人の外出のときに警護と威儀を兼ねて勅宣によってつけられた近衛府の官人」だそうで、前半の3人が、平安時代後期に実在した随身、後半の6人が、鎌倉時代に実在した随身たちの像だそう。
「似絵（にせえ）」という、面貌の描写に特に力を入れて描く技法で、それぞれの人物の個性にまで見事に迫ってます♪ それぞれキャラの強い表情が生き生きと描かれてて、見てて楽しくなってきます。
また、面貌は相当にリアルに描いておきながら、衣装や騎馬や、そのほかの背景は、かなりテキトーに描いてるように見える「ミスマッチ」も、かなり魅力的に感じたという(;´∀｀)
続いて、隣室の仏画のコーナーも大幅な掛け替えがしてありました。
その中で一等魅力的だったのが、↓こちら。
重文・虚空蔵菩薩像（鎌倉時代・13世紀）。かなりキレイな虚空蔵様で、見惚れてしまいました。
で、「変わり種」として興味を惹かれたのが、↓こちら。
普賢延命像（室町〜安土桃山時代・16世紀）。何と、かの武田信玄の弟・武田逍遥軒（信廉）の手になる仏画ということで！
確かに、逍遥軒が画家としても著名で、父・信虎を描いた肖像画なんかは重文になってるってのも知ってはいましたが、ナマでその作品を拝見するのは初めてだったので、「そうかー、これが。。。」と、ちょっと感激♪
オーソドックスな仏画から見れば、かなり「異端」の臭いがしますが、しかしさすがになかなか達者です。
2階の展示は、このほかには前回からそれほど展示替もなく、気に入るものも少なかったんですが、敢えて1点挙げるなら、、、コチラはたぶん毎月展示替されてる浮世絵コーナーの、↓国芳の『猫のすゞみ』でしょうか。
同じ「猫好き」として、国芳の「猫絵」はやっぱたまりませんね。猫に対する愛情とユーモアがあふれてます♪
お次は、1階にステージを移して、この日「最大のお目当て」だった、↓こちら。
文化庁蔵・古備前正恒。
国宝です。しかも未見の国宝でした♪
国宝ではほかに、↓岡田切（左）と、↓厚藤四郎（右）も出てたんですが、、、
こないだまでのフィーバーが嘘のように、いつもの静寂を取り戻してました。。。
例のゲームで日本刀好きになったという「浮かれ女子ども」は、三日月宗近が引っ込められた途端、雲散霧消。。。(;´Д｀)
ま、こんな塩梅じゃ、「刀剣ブーム」てのもタカが知れてますな。持っても2、3年か？
しかしそのブームのうちに、美術館・博物館さんには是非とも「大刀剣展」を開催して欲しいですね。そして「個人蔵のレア国宝刀剣」をたくさん集めて展示して欲しいものですm(__)m
と、それはともかく、お目当ての正恒はなかなかの美刀でした♪
鎌倉時代の岡田切なんかと比べると、平安時代の特徴でしょうか？ 長いです。そして細いです。刃紋も上品というか、直刃のように見えて、根元の方だけ少し波打つ、「小丁字乱れ」ってヤツですかね？（違うかも(;´∀｀)？！）
そのほか、角の企画展示室では、特集展示『能面・女面の表情』を、
《↑それぞれに重文・奈良金春家伝来の能面／室町時代15〜16世紀》
歴史資料の展示室では、『養生の医学』て企画展を、開催中でした。
「女の情念」てヤツでしょうか？ やっぱ能面からは、何か怖ろしいモノを感じます。。。
そして面白かったのが『養生の医学』♪
久々の再見となった、↓国宝・医心方に加え、
《↑左＝巻第9・咳嗽部、右＝巻第22・婦人部》
ツボや臓器や血管が、リアルに（？）再現された、江戸時代の人体解剖模型や銅人形が展示してあり、興味津々でした！
↑ちなみに、写真右の銅人形（岩田伝兵衛作／江戸時代・寛文2(1662)年）は重文にも指定されており、スケスケになった網状のボディの内部に、骨や臓器が拵えて入れてあるという凝り様。。。ちょっと「グロすげえ」て(;´∀｀)
と、こんな感じで今月も、東博の常設展は充実の内容でした♪
こんなこと言ったらナンですが、個人的には、特別展の何倍もコッチのが面白かったです( ｀ー´)ノ
きのう伺って来た東博、特別展のあとにお邪魔した、常設展拝観の模様m(__)m
先ず、長いこと改修工事のため閉鎖されてた、平成館と本館のあいだの通路が、数カ月ぶりに通り抜けできるようになってました。
で、平成館と本館のあいだにある展示室。考古展示室はまだ閉鎖中のままでしたが（どうやら10月までリニューアル工事のため閉鎖みたいです）、その対面にある企画展示室は復活してました。
その復活第一弾として、「特集・キリシタン関係遺品にみる聖母マリア信仰」て、なかなか興味をそそる企画を開催中♪
展示品は主に、禁教時代（安土桃山〜江戸初期／16〜17世紀）の「聖母マリア信仰」を偲ばせる品々で、大半のモノには「重文」の表記が付いてましたが、これはおそらく、1点1点が重文指定されてるわけじゃなくて、「長崎奉行旧蔵品キリシタン関係資料」みたいな感じで、一括指定されてるものと思います。
たとえば、↓踏絵（それぞれ重文）。
たとえば、↓マリア観音像（各々重文）や、↓ロザリオ（こちらも各重文）。
ちょうどわしが鑑賞してるタイミングで、欧米人の観覧者も数人、こちらの展示を興味深そうに見たり、写真を撮ったりしてたんですが、彼らの立場からすると、こういう「キリスト教弾圧の遺物」はどんな風に見える（感じる）モノなんでしょうか？ そこらへんにも興味を覚えましたm(__)m
それから、幅がひとまわり拡張されて、ずいぶん新しくなってた連絡通路をとおり、本館へ。
で、2階に上がるために通過した近代美術の展示室で、この日いちばんの「お気に作品」に遭遇しました♪
↑河鍋暁斎筆「地獄極楽図」。縦199.6�僉濂�342.4�僂砲盖擇屐�大画面の掛け軸です！
その大画面の中で、亡者や鬼や獄卒や、閻魔大王や裁判官たちや、地蔵菩薩（？）までが、所狭しと躍動しまくってます。
《↑それぞれ、「地獄極楽図」の部分拡大です》
やー、暁斎の筆、踊りまくってますね♪
初めて見た作品というわけではなかったんですが、最近、暁斎の特別展を見て、ますます彼に興味が湧いてきてたためか、以前にも増して惹きつけられました！
あと、近代美術のコーナーには、今村紫紅の『近江八景』（重要文化財）全8幅も、揃いで出陳中でした（↓写真は、そのうちの3幅）。
こちらも初見ではなかったんですが、ひょっとしたら8幅揃ってかかってるのを見たのは初めてだったかも知れません♪
や、近代美術のコーナーは相変わらず充実してました( ｀ー´)ノ
それから正面ロビーへまわり、本館2階へ。
そして最初の「お目当て」が、国宝室の『随身庭騎絵巻』〜！
こちらも初見ではなかったんですが、なかなか面白い内容の絵巻なので、再見の機会を楽しみにしてました♪
改修工事中の大倉集古館からの出張展示なので、写真撮影はNGだったんですが、久々の再会、十分に満喫しました！
それぞれに「キャラの立った」人物が9人、描かれてる絵巻物です。
彼らは、平安時代後期〜鎌倉時代に実在した人物たち。全員が「随身」という身分の者たちです。
「随身」つうのは、「平安時代以降、貴人の外出のときに警護と威儀を兼ねて勅宣によってつけられた近衛府の官人」だそうで、前半の3人が、平安時代後期に実在した随身、後半の6人が、鎌倉時代に実在した随身たちの像だそう。
「似絵（にせえ）」という、面貌の描写に特に力を入れて描く技法で、それぞれの人物の個性にまで見事に迫ってます♪ それぞれキャラの強い表情が生き生きと描かれてて、見てて楽しくなってきます。
また、面貌は相当にリアルに描いておきながら、衣装や騎馬や、そのほかの背景は、かなりテキトーに描いてるように見える「ミスマッチ」も、かなり魅力的に感じたという(;´∀｀)
続いて、隣室の仏画のコーナーも大幅な掛け替えがしてありました。
その中で一等魅力的だったのが、↓こちら。
重文・虚空蔵菩薩像（鎌倉時代・13世紀）。かなりキレイな虚空蔵様で、見惚れてしまいました。
で、「変わり種」として興味を惹かれたのが、↓こちら。
普賢延命像（室町〜安土桃山時代・16世紀）。何と、かの武田信玄の弟・武田逍遥軒（信廉）の手になる仏画ということで！
確かに、逍遥軒が画家としても著名で、父・信虎を描いた肖像画なんかは重文になってるってのも知ってはいましたが、ナマでその作品を拝見するのは初めてだったので、「そうかー、これが。。。」と、ちょっと感激♪
オーソドックスな仏画から見れば、かなり「異端」の臭いがしますが、しかしさすがになかなか達者です。
2階の展示は、このほかには前回からそれほど展示替もなく、気に入るものも少なかったんですが、敢えて1点挙げるなら、、、コチラはたぶん毎月展示替されてる浮世絵コーナーの、↓国芳の『猫のすゞみ』でしょうか。
同じ「猫好き」として、国芳の「猫絵」はやっぱたまりませんね。猫に対する愛情とユーモアがあふれてます♪
お次は、1階にステージを移して、この日「最大のお目当て」だった、↓こちら。
文化庁蔵・古備前正恒。
国宝です。しかも未見の国宝でした♪
国宝ではほかに、↓岡田切（左）と、↓厚藤四郎（右）も出てたんですが、、、
こないだまでのフィーバーが嘘のように、いつもの静寂を取り戻してました。。。
例のゲームで日本刀好きになったという「浮かれ女子ども」は、三日月宗近が引っ込められた途端、雲散霧消。。。(;´Д｀)
ま、こんな塩梅じゃ、「刀剣ブーム」てのもタカが知れてますな。持っても2、3年か？
しかしそのブームのうちに、美術館・博物館さんには是非とも「大刀剣展」を開催して欲しいですね。そして「個人蔵のレア国宝刀剣」をたくさん集めて展示して欲しいものですm(__)m
と、それはともかく、お目当ての正恒はなかなかの美刀でした♪
鎌倉時代の岡田切なんかと比べると、平安時代の特徴でしょうか？ 長いです。そして細いです。刃紋も上品というか、直刃のように見えて、根元の方だけ少し波打つ、「小丁字乱れ」ってヤツですかね？（違うかも(;´∀｀)？！）
そのほか、角の企画展示室では、特集展示『能面・女面の表情』を、
《↑それぞれに重文・奈良金春家伝来の能面／室町時代15〜16世紀》
歴史資料の展示室では、『養生の医学』て企画展を、開催中でした。
「女の情念」てヤツでしょうか？ やっぱ能面からは、何か怖ろしいモノを感じます。。。
そして面白かったのが『養生の医学』♪
久々の再見となった、↓国宝・医心方に加え、
《↑左＝巻第9・咳嗽部、右＝巻第22・婦人部》
ツボや臓器や血管が、リアルに（？）再現された、江戸時代の人体解剖模型や銅人形が展示してあり、興味津々でした！
↑ちなみに、写真右の銅人形（岩田伝兵衛作／江戸時代・寛文2(1662)年）は重文にも指定されており、スケスケになった網状のボディの内部に、骨や臓器が拵えて入れてあるという凝り様。。。ちょっと「グロすげえ」て(;´∀｀)
と、こんな感じで今月も、東博の常設展は充実の内容でした♪
こんなこと言ったらナンですが、個人的には、特別展の何倍もコッチのが面白かったです( ｀ー´)ノ
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