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2015年07月12日08:10

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『 ターミネーター: 新起動 / ジェニシス 』


開初日に、『 ターミネーター: 新起動 / ジェニシス 』を観た。レイトショーにも関わらず、かなりの観客が座席を埋めており、さすがである。とにかく、シュワルツェネッガーが大活躍していて、『 ターミネーター 』シリーズの大ファンとしてはそれだけでもう満足。何も言うことはない。特に、不評だった『 3 』自体が「 なかったこと 」にされているのは痛快だ。あんなヘタレなジョン・コナーは見たくないからね。ただ、一言だけ言うとすれば、「 『 ターミネーター 』と『 ターミネーター2 』がいかに偉大な傑作だったかをあらためて痛感した 」ということくらいだろう。シュワルツェネッガー以上にターミネーターの似合う役者はいないよ。

 以下、作品の内容に触れる重大なネタバレを含むため、未見の方はこれから先はご遠慮願いたい。




































 序盤、T800とカイル・リースがそれぞれ1984年のロサンゼルスに送り込まれるあたりは感動ものだ。このシークエンスだけで、第一作に対するリスペクトを感じられ、大いに期待感が高まった。しかし、その先がいけない。タイムワープものにありがちな、こねくりまわした複雑な物語になってしまい、筋を追うのに忙しい。何度も過去をいじった挙句、その先の未来も変わってしまい、さらにタイムワープして修正を加えるという、『 バック・トゥ・ザ・フューチャー2 』のターミネーター版のようだ(TVシリーズの『 サラ・コナー クロニクル 』も同様)。脚本は整合性をとるべく頑張っているが、「 あぁ、そうだったのか! 」という驚きもなければ、感動もない。その時点で失敗だろう。

 『 ターミネーター 』シリーズの良さといえば、人間軍のリーダーであるジョン・コナーを無きものにするため、過去に戻ってサラ・コナーを抹殺しようとする機会軍の殺し屋ターミネーターT800(シュワルツェネッガー)と、それを阻止しようとする人間軍兵士リースの戦いというシンプルな対決構造であることだ。これは『 T2 』でも変わらない。少年時代のジョンを殺しに来たT1000と、人間軍が救援に送り込んだT800(シュワルツェネッガー)の戦いになっているだけである。

 しかし、『 ・・・・/ ジェニシス 』の場合、最強のターミネーターを登場させるために、あろうことかジョン・コナーを悪役にしてしまったのだから、もはや、何がしたかったのか正直、理解できない。戦いの核心がスカイネット(ジェニシス)の起動前の破壊なのか、サラとカイルの抹殺なのか、ちょっとわかり難い。さらに、アクションシーンを盛り込みすぎてドラマが平板になってしまい、肝心のハラハラドキドキはどこかへ行ってしまった。エンドロールで『 ターミネーター 』のメインテーマが流れて、ようやく、この映画が『 ターミネーター 』シリーズ最新作だったことを思い出すに到っては、ちょっと哀しい。アーノルド・シュワルツェネッガーが主演していなければ、単なる駄作にしか映らなかっただろう。『 ターミネーター 』と『 T2 』は本当に大傑作だったよ。
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