mixiユーザー(id:40224526)

2015年06月27日23:26

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躊躇

〜 その回数は後悔の数に等しい 〜

この事実に気付くのに
いったいどれほどの
年数を要したのだろう

一番初めの躊躇

小学校五年の三学期の転校の挨拶のあと
僕は尚子ちゃんに 
「じゃあ またね」 
のいつものお別れのひと言がいえなかった

学校の帰り道
僕の秘密基地を荒らす犯人を
一緒に待ち伏せした
尚子ちゃん

僕にピッタリとくっついて
秘密基地を見ていた時
いつの間にかすぐ後ろにいた
友達のラッシーに驚いて
僕の背中を押しながら走り出して
ラッシーと一緒に
落とし穴に落ちてしまった
尚子ちゃん

二人で物置小屋に入って
暗闇に 
外から隙間を通して映る逆さの景色を
半分怖くて
でも もう半分は興味深々で
僕の頬っぺたに
くっつく位に寄せて
じっと見ていた
尚子ちゃん

もし 
あの 転校の挨拶のあと
「じゃあ またね」
が言えてたら

大人になった今でも
「やあ」
って 

笑って逢えたかもしれない

素直に









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