長谷敏司「あなたのための物語」早川書房
------------
西暦2083年。人工神経制御言語・ITPの開発者サマンサは、ITPテキストで記述される仮想人格“wanna be”に小説の執筆をさせることによって、使用者が創造性を兼ね備えるという証明を試みていた。
そんな矢先、サマンサの余命が半年であることが判明。
彼女は残された日々を、ITP商品化の障壁である“感覚の平板化”の解決に捧げようとする。
いっぽう“wanna be”は徐々に、彼女のための物語を語りはじめるが…。
------------
長谷敏司さんの長編SF小説です。
人工神経制御言語の開発者の主人公サマンサは難病で半年の命である事が判明します。
病と闘いながらサマンサは仮想人格の研究に身を捧げますが、、
主人公と仮想人格の交流や未来社会の描写が興味深いのですが、難病との闘病の描写が、かなりリアルでちょっとそこはつらかったです。
ジョン・スコルジー「ゾーイの物語」ハヤカワ文庫SF
------------
波瀾にみちた幼年時代を送った少女ゾーイは、コロニー防衛軍を退役したジョンとゴースト部隊出身のジェーンの養女となり、植民惑星ハックルベリーで幸せな日々を送っていた。
やがて両親とともに新たな植民惑星をめざすが、宇宙船は目的の星に到着しなかった。
しかも、ゾーイたちは思いもよらない陰謀にまきこまれていく…『最後の星戦』をゾーイの視点から描き、その知られざる冒険の旅を明らかにするシリーズ第四弾。
------------
ジョン・スコルジーのミリタリーSFシリーズ「老人と宇宙」4作目です。
この巻は番外編で1作からの主人公ジョンの養女ゾーイの視点で3巻の事件を描きます。
同じ事件を別人の視点から描くというのはかなりテクニックが必要で作家の腕の見せ所でしょうが、作者によるとかなり大変だったそうです。
3巻の事件の意外な事実も明らかになり、面白かったです。
ログインしてコメントを確認・投稿する