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2015年05月11日22:04

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「テレビの秘密」本

『テレビの秘密』
<内容>
 「なぜ半沢直樹の後番組は失敗したのか」「人はなぜマツコ・デラックスを見てしまうのか」「アメトークの進行は実はハーバード大学の授業と同じ」経済評論家でもある著者が様々なTVの要素を独自に解説。

<コメント>
 テレビの秘密と大仰に宣伝しているけれども、内容は「NHK朝の連ドラがヒットしたのは視聴習慣がついたから」とか「アナ雪がヒットしたのは現代的な女性目線のドラマに徹底したから」とか「池上彰が選挙で燃えるのはラスト5秒のコメントが秀逸だから」とか、ちょっとテレビに詳しい人なら誰でも知っていたり想像がついたりする実にヌルいテレビ評論。そもそも現代は“テレビのすきま“や”カトリーヌあやこ“らの一流のテレビ感想家が軒を並べているのだから、全体として見たら本当にあまりテレビを見ない人向けとしか思えないほどヌルい。

 ところがそれでも「お!」と思って読ませられるのは所々に出てくるアメリカの比較部分。例えばNHKの早朝バラエティー「あさイチ」の成功は米ABCの番組改革と良く似ている、とか日本では「ドクターX」のように失敗しない人を主人公にするから人気が出る、アメリカの「ドクター・ハウス」は天才だけれども失敗しない人ではない、とか同じく「ドクター・ハウス」は第四シーズンからハウスに恋愛をさせて人気が落ちたけれども「相棒」では右京に恋愛をさせないので長く人気があって続いている、とか非常に納得でき、さらにアメリカテレビ事情に感心させられる。

 どうやら著者はアメリカのテレビ局で編成を担当していたことがあるようで、その部分が非常に面白いのだ。多分、本来ならこの人はそういうアメリカのドラマの裏事情を書くべき人なのだと思う。ヌルい日本のテレビ評論とかは前述のテレビマニアに任せて、本当に日本のテレビ局に必要な海外への投資資材となるべき番組制作のことについてアメリカと比較した論をこの人に書いて欲しいと思う。

テレビの秘密 (新潮新書)
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