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2015年04月19日12:09

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Queensryche「Frequency Unknown」「Queensryche」

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分裂したバンドが同時期に同じ名前でライヴを行う事はよくあるが、アルバムまでリリースするのは珍しいと思う。

数々の問題行動でバンドから三行半を突きつけられたヴォーカルのジェフ・テイトが取り急ぎ集めたメンバーで名乗ったクイーンズライクと、バンド側が新しいヴォーカリストを迎えたクイーンズライクである。

これら2枚のクイーンズライクのアルバムは、同じ2013年にわずか1ヶ月違いでリリースされている。

先にリリースされたのは、ジェフ・テイトによるクイーンズライクのアルバム「Frequency Unknown」(Deadline Music)。

本編全ての曲に参加しているのはリズム・ギターのCraig Lociceroだけで、ギター・ソロは曲によってゲストを迎えている。

その顔ぶれは、Kelly Gray、Jon Levin、Chris Cannella、Ty Tabor、K.K.Downing、Brad Gillis、Dave Meniketti、Chris Poland。

また、その他のラインアップは

Robert Sarzo(g)
Rudy Sarzo(ba)
Jason Slater(ba,key,theremin)
Randy Gane(key,ba)
Simon Wright(dr)
Evan Bautista(dr)
Paul Bostaph(dr)

曲を作っているのはテイトと、Lukas Rossi、Jason Slater、Chris Cox、Martin Irigoyen、Randy Ganeら。

ボーナス・トラック的に旧作「I Don't Believe In Love」「Empire」「Jet City Woman」「Silent Lucidity」をリメイクしているが、こちらの演奏はほとんど全てMartin Irigoyen1人が行っており、本編と重複するのは「Silent Lucidity」のオーケストレーションを手掛けているRandy Ganeのみ。

更にこの2014年になってリリースされた「Deluxe Edition」は、リメイク曲を除いた本編のみをイエスなどでお馴染み、ビリー・シャーウッドがリミックスしたもう1枚との2枚組となっているのだが、面白いのはなぜかそこでは豪華ゲストによるギター・ソロのほとんどがオミットされている点だ。

一体何が起こったのかは不明だが、個人的にはソロが無くなっていても案外気にならなかった。

そしてバンド側のアルバム・タイトルはズバリ「Queensryche」(Century Media Records)。

ラインアップは

Tod La Torre(vo)
Michael Wilton(g)
Eddie Jackson(ba,backing vo)
Scott Rockenfield(dr,orchestrations)
Parker Lundgren(g)

曲はメンバーらによる。

こちらも本編の後、2012年10月27日ワシントン、スノカルミー公演から旧作「Queen Of The Reich」「En Force」「Prophecy」のライヴ音源を追加収録。

正直言ってどちらも新曲のみで勝負して欲しかった所。

大雑把に言えば、テイト版は近作の流れを汲んでおり、バンド版は中期に戻った感じ。

新ヴォーカリスト、トッド・ラ・トーレは若い頃のテイトそっくりで驚かされるし、演奏や録音などプロダクションとしてのクオリティはバンド側の圧勝なのだが、音楽的には、全体にやや雑で大味な仕上がりである事が否めないテイト版により惹かれた。

歌もやはりテイトの方が巧い。

経緯や評判からバンド版の方が良いに決まってると考えていただけに、これは意外だった。

バンド版はアルバム本編が35分しかないのも物足りない(テイト版も本編は42分程だが)。

バンド版は次作に期待だし、テイトの方はバンドのメンバーをきちんと定着させて欲しい。

ちなみに裁判の結果、今後テイトはクイーンズライクを名乗る事は出来なくなった様で、バンド名は「Operation:Mindcrime」とするそうだ。

ところで、バンド版は馬鹿デカイ箱に入った「Limited Edition」を入手したのだが、ステッカーやピック、缶バッジなどが付いているにしてもまだ大きさに余裕があるので、ためしにテイト盤を入れてみたらすっぽり収まった。

これはハッピーエンドではあるまいか。

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