mixiユーザー(id:18627182)

2015年04月14日15:50

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『日本刀の教科書』を読んでみた。

日本刀の教科書
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=18627182&id=3456306

<以下、レビューページより転載>

先般、国宝刀剣を鑑賞しに、静岡三島は佐野美術館を訪れた。その際、そこのミュージアムショップで購った一冊。
当館の館長で、「その筋」では知る人ぞ知る権威であらせられる渡邉妙子氏と、当館の学芸員・住麻紀氏の共著。
当館では、初心者向けの刀剣勉強会を開講したりもしてて、特に日本刀に力を入れてる印象があるが、本書もかなり力の入った内容だった。つっても、初心者向けの書物なので、わしのようなレベルでも、それほど難しく感じずに読むことが出来たのだが、内容はかなり充実・濃密だったように思う。

まず、「第1章・日本刀の基礎知識」で、日本刀の作り方や、日本刀の種類(太刀・短刀・打刀・脇差などの分類)、鑑賞する際の各部位の見所、日本刀の歴史的変遷などを紹介し、代表的な刀剣産地(五箇伝)や拵・刀装具のことにまで話題を広げる。
「第2章・歴史にみる日本刀」では、三条小鍛冶宗近や伯耆安綱ら平安古刀の時代の名工から、新々刀の清麿まで、名だたる刀匠を23人ばかり紹介した後、「日本刀を愛した人々」として、坂上田村麻呂から明治天皇まで、10人の歴史上の著名人物をピックアップして、その人物と刀剣との関わりやそれぞれの佩刀などが掲載してあった。
そして最後に、「第3章・日本刀の実践講座」では、勉強会などで日本刀を手に取って見る際の作法や、コレクター向けに手入れの方法・保管の方法・所持するための手続き方法までが記されている。
加えて、博士号を持つ科学者の著名コレクターをゲストに招き、「特別講座」として、日本刀は何故錆びるのか? どんな方法で保管するのが最適か? などのインタビューまで併録されてたりして、かなり興味深く拝読した。

まさに充実の内容だったのだが、、、ただ、惜しむらくは、落丁や誤記がけっこう目立ったという点だろう。
訂正箇所が明記された後付の紙が挟んであったりもしたが、その箇所以外にも、わしが気づいただけで数カ所の「おかしな記述」が見られた。
あと、おそらくは住麻紀氏が担当したと思われる部分の文章が、読みづらいというか、もしわしが国語教師なら、ちょっと添削を入れたくなるようなところが間々見られ、せっかくのテンションが下がっちゃったってことも正直に書いておく。
来歴を見ると、住氏は1981(昭和56)年生まれということで、まだお若い。大学生の論文のような、何となく拙い文章の感じも、そのことを知れば頷ける。が、そうは言ってももうプロなんだから。お金を取ってんだから。て話である。まあ、これからどんどん勉強して、素晴らしい学芸員になると共に、文章も上達するとイイですね。なんつってエラそうに、スミマセンm(__)m
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