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2015年04月02日21:13

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『大ニセモノ博覧会』に行って来た。

きょうも仕事がお休みだったので、ちょっと郊外まで出かけて来ましたm(__)m

国立歴史民俗博物館「大ニセモノ博覧会―贋造と模倣の文化史―」
【展覧会HP】http://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/old/150310/specially/index.html
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昨年11月、国宝拝観目当てで歴博にお邪魔した際、本展のチラシを見かけ、「おっ、面白そうなことやるなあ!」て、期待してた展覧会。

しかし先ずは、常設展示の方を拝観。
なんてったって、当館の常設は、ニセモノ(レプリカ)の宝庫ですから!
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↑ご覧あれ、ホンモノと見紛うばかりのハイクオリティ・レプリカの数々。名付けて、「土偶オールスターズ・レプリカント」!
この中には、現在国宝に指定されてる5躯の土偶、そのすべて、、、のレプリカが展示してあります。

そう、当館の常設展示は、9割方がレプリカの展示です。がしかし、ごく稀に、オリジナルが混じってるので、注意が必要!!
では突然ですが、問題です。
以下に掲載する国宝の写真、5件のうち、1件だけホンモノ(オリジナル)があります(ほかは全部レプリカです)。ホンモノはどれでしょう?
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《左上=「宋版史記」当館蔵/右上=「宋版後漢書」当館蔵/中段左=「ポルトガル国印度副王信書」京都・妙法院蔵/中段右=「御堂関白記」陽明文庫蔵/下段=「金銅藤原道長経筒」金峯山神社蔵》
わかりますか?
わかりませんよね。。。
原物を目の当たりにしても、わかりませんもん(;´∀`)
正解は、左上の『宋版史記』です。

9割方がレプリカ展示の当館常設展ですが、こんな風に、オリジナルの国宝を人知れず出してたりするんですよね。。。だから侮れません。なので毎回、お邪魔するたびにいちおうチェックするようにしてます。
今回出てた『宋版史記』の周りの展示は、前回11月にお邪魔した時と同じラインナップだったんで、もう半年くらいは展示替してないものと思いますが、何せ展示替のアナウンスがないので、結構知らないうちに出品してた未見国宝を見逃したりしてるかも知れませんね。。。



歴博、さすがに国立だけあって、展示スペースが広大で、いちいち全部を見てたらとても1日じゃ回りきれないようなボリュームです。
なので今回は、序盤を飛ばし気味に見て、逆に、いつもは疲れてきて適当に流し見しちゃってる後半の展示、すなわち民俗の展示や、近代・現代の展示を、力を入れて観て来ました。
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前々から思ってたことですが、、、民俗の展示は、かなり面白いです。
各地の奇祭や、珍しい習俗、お土産品なんかの展示もあります( `ー´)ノ
ただ、近現代の展示はちょっと「重く」感じて、真剣に見るとしんどいですね。
戦争や、震災や、被差別部落の展示とか。。。



とまあ、そんな感じで常設を見たあとは、お待ちかねの企画展『大ニセモノ博覧会』!

冒頭に「プロローグ」として展示してあった、『安南陶器ニセモノ事件』に関する展示に、いきなりぶっ魂消ました(;゚Д゚)!
そこに展示されてた陶器は、全部ニセモノだったんですが、付属展示として上映されてたビデオが凄かった。
安南だから、ベトナム人たちでしょう、映ってるのは。彼らが穴を掘り起すと、地中から発掘される陶器の数々。最初は破片しか出て来ないんですが、そのうち、しっかりカタチの残った壺や皿が出てきます。掘り当てた人々は嬉しそうに、発掘品にキスしたりしてます。。。そんな映像が3分ほど流れるんですが、実はこのビデオ自体がニセモノでして。
ニセモノの安南陶器を、ホンモノと信じ込ませて売りつけるために、売り手が「証拠映像」として買い手にに見せてたというビデオが、コレ。
実は、現代陶器を一旦穴に埋め、それをわざわざ「掘り当てたかのように」掘り起こす。その様を、さも「それっぽく」撮影してるんだそうです。。。
いやー、ここまでしますか。その商魂の逞しさには、ある意味おそれいりましたm(__)m

そのほか、ニセモノから「地域性」や「歴史」を読み解いたり、「摸刻」や「復元」から、文化史を考察したり、と、思ってたより、おふざけ度は低めで、学術的な内容でした(ま、国立博物館の展示だし、当たり前か(;´∀`))。
個人的には、もっと「おふざけ」があった方が面白かったかな〜? とは思ったりしたんですが。。。

「おふざけ度」がいちばん高かったように思ったのは、「人魚のミイラ」ですかね。
幕末の頃には、外国に輸出したりもしてたみたいで(!)、ペリーの日本遠征記にも、「人魚のミイラ」に関する記述があるらしいです(その記述のある本も展示されてました)。
ただ、ニセモノだというのは当時からバレてたみたいで、「人魚のミイラ」の作り方が、本には記述されてるらしいです。。。
上半身は猿、下半身は大型の鮭を使って、いろいろ細工して拵えるみたいですよ。
原物の「ミイラ」も一躯だけ展示してありましたが、上半身と下半身の接合部分が、ねぇ。。。ちょっと(;´∀`)

あと、絵画の贋作は、わしも普段『開運!なんでも鑑定団』とか観て鍛えてるおかげか、けっこう見破れたんですが、文書とか考古資料のニセモノとなると、ちょっとお手上げでした。
中には、初めはニセモノじゃねえの? て思われてたのが、実は新発見だったという、信長の書状なんかもありました(ただし、自筆ではなく、右筆の手になるモノですが)。

中でも、いちばん「スゴイな」と思ったニセモノは、旧石器時代の上高森遺跡から出土したという石器のニセモノ。これは、歴博もニセモノと見破れず、しばらくの間、ホンモノとして展示してたシロモノらしいです。
帰宅後にネットで調べてみたら、Wikipediaにさえ、この捏造事件に関するページがありました(Wikipediaに飛びます→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7%E7%9F%B3%E5%99%A8%E6%8D%8F%E9%80%A0%E4%BA%8B%E4%BB%B6)。
本展を観る前、わしが「贋作事件」と聞いて思い浮かべれてたのは、『永仁の壺事件』や、フェルメールの贋作で知られるハン・ファン・メーヘレンなどだったんですが、ほかにもこんなスゴイ贋作事件があったんだな! て。
パネル展示で、そのほか世界中の著名な贋作事件のあらましを、紹介したりもしてましたね。
や、さすがになかなか興味深い展示内容でしたm(__)m


で、最後になりましたが、佐倉で桜。
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スイマセン、言いたかっただけです。。。m(__)m
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