2007年2月のコンサートから収録されたCDで全長76分。
マーラーの作品の中で人気がないとされているこの「交響曲第7番」だが、私は大好きだ。
マーラー的エンターテイメントの集大成であり、映画みたいな音楽だと思う。
しかしメータは若い頃、バーンスタイン指揮のリハーサルで初めてこの曲を聴いて、自分にこの曲は解らないと思ったそうだ。
そのメータが初めてこの曲を録音したとなれば聴くしかない。
満を待したものなのか、解らない曲でも指揮出来る様になったのか、それはどちらでも良い。
メータ・ファンだし、イスラエル・フィルなら演奏に不安はないからだ。
メータ・ファンにとってはジャケットもグッド(ちなみに私は指揮者に顔も重視する)。
細部にこだわりをみせながら熱くソリッドに爆走していた若い頃に対し、絶妙に要所を押さえながら複雑なスコアをシンプルに、そしておおらかに聴かせるのが近年のメータの特徴だと思う。
バレンシア・リングもそういう演奏だった。
この「交響曲第7番」も近年のメータらしい仕上がりになっており、透明感があって心地よく、何回聴いても飽きない。
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