「おやすみなさいを言いたくて」

ノルウェー・アイルランド・スウェーデン合作映画です。
家族への愛と仕事への使命感との間で揺れ動く女性報道写真家が主人公の ヒューマンドラマです。
アイルランドの海辺の町で夫やと二人の娘たちと暮らす報道写真家レベッカは、戦争の真実を伝えるため、世界中の紛争地帯を飛びまわる多忙な毎日を送っていました。
アフガニスタンの首都、カブールで自爆テロを行う女性を取材中、負傷して、夫が駆けつけますが、もう限界だと言われてしまいます。いつも自分の死に怯えている家族の苦しみを改めて知り、もう危険な場所には行かないと言うレベッカでしたが・・・。

自分の命、家族の幸せを犠牲にしてでも、生命の危機にさらされている人々がいるという事実を伝えずにはいられない報道写真家の強い信念とその苦悩がよく描かれていました。

ラブストーリーみたいな、甘ったるい邦題ですが、とても深くて重い、良い映画でした。今年も多くの報道関係者が尊い命を落としました。
戦争、自爆テロを含めたテロへの怒りを強く感じます。

この映画は、母の愛とか、仕事と家庭の両立といった女性の問題を考えさせる面も確かにありますが、男女を問わず、生き方を考えさせる内容です。

ジュリエット・ビノシュが、レベッカ役に成りきっていて、素晴らしかったです。