期日前投票と「ひょっこりひょうたん島」

１日早いが、期日前投票に行って来た。

なにしろ寒波はきてるは、私はいつまた発作を起こすか分らないは、東京住まいなので「首都圏直下型大地震」が明日の朝に起きても、おかしくはないのだ。
（さすが「自治会防災班長」の妻である、我ながら。）

新市庁舎に初めて足を踏み入れる。
わー、立体駐車場はあるは、コンビニはあるは、エレベーターは瀟洒なデザインだは、館内静かな白とおさえた銀で統一されて、トイレは「入ってドアを閉めるまで灯がつかない完全省エネ」で（しかしウォシュレットはしっかりある）、もう、いっぱいいっぱいでゴチャゴチャしていた、曲がりくねって分りにくかった前の庁舎に比べて、いきなりスマートになってしまった。
しかし元工場敷地で土地が平淡なので、以前の「自然の地形を活かした」地下１階の食堂の片面が総ガラス張りで「岩場の渓谷を蔽う木々の茂みと、鯉の泳ぐ池」を眺めながら１８０円で長いランチタイム、なんて、おじいさんたちの午後のけだるい「たまり場感」はもうなく、『ムダはないけど意味のない時空間振る舞い』もない機能施設に徹底してしまった。

東京は、あの「『風水上最悪のポイント』で、地下室に鈴木善幸元都知事の『玄室』があると噂される『淀橋浄水場跡地』新都庁」に統一される前は、凄まじい勢いで膨れあがる首都機能の後追いで、あっちに分庁舎、こっちに分庁舎、大変だったのではある、が。

「障がい者も『お給料』を稼いで、通勤を体験し、帰りにショッピングや映画の『娯楽』を体験しんで生きよう！」
と考え、場を提供し、実行したのは革新派・美濃部良吉都知事（戦争中、下町の写真館を「杉浦文一」の偽名で経営して、夜は地下に潜伏して平和活動をしていた「文太郎＆静」祖父母とは「お米五合の貸し借りをする仲だった）であるし、彼が数代都政を担って、引退した途端にエレベーターを全部自動化して、「障がい者は危険な社会に出るよりも、安全な施設でみんなと一緒に暮らすのが幸せ、給付金も出るし♪」とほざいたのが、現与党の皆さまである。
そのあと､私が大学を出た後やっと義務づけられた身障者雇用法までの道のりは、もどかしく、偏見に満ち、苦しく、辛抱を強いられるものであった。
格差社会となった現代の日本の運命が、欺瞞と偏見に満ち、苦しく、辛抱を強いられる、という点に於いては、規模が国全体の運命、経済不況も２０年以上続き、健全で統一された対抗勢力であるはずの野党は、ジジイどもがへそを曲げ、若い衆が呆れかえって、分裂をくり返し、ワケワカラン状態に陥っちゃった「日本国」の未来図であった。

明日は投票日である。

しかし、北日本は記録的大雪で、大丈夫なのか？
期日前投票が前回より１０％伸びたのは嬉しいが、結果はフタを開けてみるまで分らない。

投票は法で定められた「国民の権利」だが、これ以外「国にもの申す方法は（ごく一部の裁判を除いて）ない。
国民同士にとっては、投票は「よりよい国」を目指すための、「国民の相互義務」と位置づけたい。
投票せんバカ者にＴＶインタビューなんぞで
「しょせん今の政治は…」
とほざく権利は無い！

で、投票の後で、全国チェーン書店に、注文した岩波の「井上ひさし短編中編小説集成・１〜３」を取りに行き、「全４〜５巻？」と思っていたら「全１２巻」だったので、小学校前から、３２才で結婚し、横浜に引っ越すまでお世話になっていた小さな「文具・事務用品・書籍・ファンシー小物〜団地お年寄りご婦人用のちょっとした服まで手がけている「もとかわ文盛堂」に､残りの８冊を月取り＆平凡社と白水社の本を注文しに寄ってきた。
相変わらず若々しい、おしゃべり上手で親切な奥さんがレジにいて、近況をキャイキャイ♪ウフフ♪とおしゃべりして、帰宅。

そうだ、その団地に越した頃、私はまだ小学校にあがる前で、毎晩ＮＨＫ人形劇「ひょっこりひょうたん島」を観ていて、もう夢中で、最終回の時には「せめてカラーで」とお隣の梅山さんちへ行ったんだっけ。
（わが家のテレビは壊れないからずーっと現役だった「国産ポータブルテレビ２号機」だった。カラーの世界になり、一人暮らしを始めたとき譲り受け、配線を案配してＴＶゲームをモノクロでやったのだ、私は）
で、「ひょっこりひょうたん島」は人気最高潮にして「体制批判」をお笑いで演って、いきなり番組打ち切りになった、そのメイン脚本家が井上ひさしさん。
で、ＮＨＫ人気子供番組を強制打ち切りにしたのが、現与党である。
自○党め、子供番組で上手に足元突っつかれたら打ち切りにしやがって。

「ひょうたん島」のウラミは投票用紙に出るのである、私の場合。

今夜は名著「ひょうたん島大漂流記」でも久々に読もうか。


このエッセイは「ＵＦＯ文學14年度冬季号」に掲載しますので、引用･盗作を固く禁じます。発覚した場合は提訴します。