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2014年12月07日12:21

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世界一クギ打ち銃の似合う男 『イコライザー』

明りの消えたホームセンターでスプリンクラーのしぶきが舞う。
そのしぶきをあびながら姿を現すデンゼル・ワシントン。
相手を静かに見つめ、右手でクギ打ち銃をかまえる。
おそらく世のクギ打ち銃がいまもっとも光り輝く場面だろう。

本作は80年代のアメリカのテレビドラマ
『ザ・シークレット・ハンター』のリメイクだ。*1
テレビドラマでは初老の老人であったロバート・マッコールを、
黒人のデンゼル・ワシントンがつとめる。

映画のマッコールはテレビドラマ以上の力を持つ。
その身一つで組織を追い込み、なにもかもを明るみにさらす。
クロエ・グレース・モレッツがつとめた1人の少女娼婦テリーのために――。
いってみればいびつではない『タクシードライバー』だ。*2

ただ、本作がよくあるハリウッド・アクションかといえば毛色は違う。
マッコールは知的で寡黙。自分から銃は一切使用せず、様々な道具と体術で敵を倒す。
部屋のなかの品物は彼にとって凶器で、
DIYの道具は高枝切ハサミから金槌まで全部武器。

それらの道具を使いマッコールは、静かに密かに静的に戦いを繰り広げる。
最後の舞台、暗闇のホームセンターの対決は、
しかけと構成が、緻密で、非常におもしろい。

監督はデンゼルと『トレーニングデイ』以来のタッグを組むアントワーン・フークア。
おしむらくはマッコールが悪を倒す動機になったテリーがあまり登場せず、
物語に重要ではない部分かもしれない。


※1 『ザ・シークレット・ハンター』は邦題で、アメリカの原題は映画と同様『イコライザー』であった。そのため、この映画が『ザ・シークレット・ハンター』のリメイクであることは日本人にはわかりづらい。

※2 もちろん、その『タクシードライバー』を原型にしている作品は『レオン』や『バッファロー´66』といった映画を超え無数にあるわけだが。
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