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2014年12月04日23:39

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映画の“なか”に「広告出稿のお願いはパラマウントへ」とはってある 『トランスフォーマー/ロストエイジ』

いわゆるエンタメ業界には、現在、「予算3倍」の通例がある。
つまり予算3倍の収益を得て、はじめてそのビジネスがペイでき、
成功したプロジェクトになるわけだ。*1

3部作を撮り終え、ふたたび開幕したトランスフォ―マー。
その予算は2億ドル(約230億円)。
「予算3倍」の通例に照らし合せるなら6億ドル(約700億円)の収益が必要だ。
監督を含め、制作のプレッシャーは相当なものだろう。

結果、本作は、中国政府の資金援助を受け、各国から企業広告を募集した。*2
車、下着、食べ物、飲み物、スポーツ選手、観光名所、エトセトラ、エトセトラ。
結果はどうだ?

あいかわらず胸焼けするようなオートボットとディセプティコンの戦いに次ぐ戦い。
そのなかでマーク・ウォールバーグと、スタンリー・トゥッチは、
スポンサーのために広告商品の酒と牛乳を飲む。
ねらったようにアメリカの人気ダイナーが襲撃場所となった。
中国の自動車メーカー、第一汽車の車(のみ)が道路を走り回る。
オプティマス・プライムが横転して2階建てバスを壊す。
だが、後部座席は破壊されない。ヴィクトリアシークレットのロゴがあるからだ。
中国の人気ボクサーとラグビー選手が突然登場した。

ああ、ひどい。ひどい。露骨だ。
世界よ。これこそブロックバスター映画の未来だ。
プライムがダイナボットを画面のなかで剣を上げ鼓舞している。
金のために吠えまくれ、と。その日、その時、私はそれを観てそう思った。


※1 商品そのものの開発だけではなく、現在、企業は商品販促におけるバイラルやデジタルマーケティング、プレゼンに多額の費用をかける。映画も一緒だ。その費用を担保できなければ成功したプロジェクトとはいえない。同時にこれは、およそ一般の人には成功したと思えないプロジェクトが成功する……といった奇妙な状況も引き起す。

※2  ただ、この時点でパラマウントは約3億ドル近い資金を収集したとされる。予算をそっくりそのまま回収したのだ。ただ、この露骨な広告手法に、アメリカのユーザーはおろか中国のユーザーまで難色と非難をしめした。あれだけ“よいしょ”したにも関らず。商業主義優先になった娯楽作品は、結局、馬脚を露す……ということかもしれない。
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