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2013年05月23日10:44

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『 ネバダ・スミス 』



きな映画は何度も繰り返し観る癖が私にはある。年に一、二回必ず観るのが黒澤監督『 用心棒 』『 椿三十郎 』、マット・ディモン主演『 ジェイソン・ボーン 』シリーズだ。それより若干頻度は低いが、スティーブ・マックィーンの『 砲艦サンパブロ 』『 ネバダ・スミス 』も好きな作品のひとつである。特に『 ネバダ・スミス 』は数ある西部劇の中でも五指に入るお気に入りだ。タランティーノ監督最新作『 ジャンゴ 繋がれざる者 』の劇場版予告編を観た時、「 あぁ、これは『 ネバダ・スミス 』だな 」と勝手に期待したのが、黒人奴隷ジャンゴを解放した歯科医キングが彼に銃の撃ち方を教えるくだりだった。残念ながら、『 ジャンゴ・・・』本編の方はきちんと銃の撃ち方の初歩から教えることはなく、訓練シーンさえなし。ジャンゴの天性の射撃センスにも言及せずに、都合よく物語が展開していってしまった。

 『 ネバダ・スミス 』では両親の仇を追う主人公マックス・サンド(スティーブ・マックィーン)が砂漠で出遭った銃の行商人ジョナス・コード(ブライアン・キース)に拳銃の抜き方から撃ち方、敵の倒し方まで教わり、ガンマンとして成長していく過程がきちんと描かれている。私が『 ネバダ・スミス 』を高く評価するのは、この映画には「 心 」があるからだ。ブライアン・キース演じる温厚だが凄腕のガンスミスが射撃を指導したのは、マックスに人を殺させるためではなく、危険な旅の途中でマックス自身がまず生き延びる(殺されない)ためである。素晴らしい射撃術を体得したマックスが敵討ちの旅に戻る時、ジョナスは「 どうしても仇を討たねばならないのか? 仇を討って何が得られるのだ 」と諭す。もちろん、復讐心にはやるマックスは聞き入れないのだが、仇討ちの旅の途中で様々な人と出逢うことによって、次第に彼の内面に変化が訪れるのだった。良い映画である。アルフレッド・ニューマンのサウンドトラックが素晴らしい。ヘンリー・ハサウェイ監督作品(1966)。

ネバダスミス スティーブマックイーン
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