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2012年07月21日01:00

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7月20日 牛込箪笥区民ホール「2012夏 笑っていただきます!!」

 この落語会を主催する道楽亭とか、神保町のらくごカフェとか、
落語ライブハウスみたいなスペースがあるのは知っているのだが、こういうスペースは演者と近い分終演が遅かったり、打ち上げがついてきたりで、如何せん終電が気になるシャイな相模の田舎者にはハードルが高いです。だからこういうかたちでホール落語会を企画してくれるのは嬉しい限り。嬉しいんだけど客の入りが若干寂しい。入りは会場の半分強くらい? 道楽亭はこの箪笥区民ホールとか人形町の社会教育会館とか、結構ホールを借りて今後も落語会をうつようなのだが、採算はちゃんと取れるのだろうか?

●前座 けい木「鮑のし」 
 モサッとしていた印象が一変。適度に自分らしさを織り込んだ落語も良かったし、見た目もさっぱりシュッとした感じに変わっていた。

●たま「憧れの人間国宝」(新作)
 自己紹介代わりのショート落語の後に、「本当は古典をやりたいんですが」と云いつつ人間国宝に成りたい人形浄瑠璃の太夫が死んだ後に・・・というブラックな新作を。以前よりパワーアップしていたし、かなり受けていた。自分が一番知名度が無いと云っていたが、会場の大半の人はたまのこと知っていたと思うけど。

●遊雀「寝床」
 高座の上でヒザ立ちで演じたたまの後を受けて「素人が義太夫をやると・・・」と噺に入っていく。全体の構成としてはかなり枝葉を落とした感じ。それでも物足りなさを感じないのは、ポイントを主人から「で、お前はどうなんだ」と振られた後の繁蔵の七転八倒に絞ったことに尽きる。この繁蔵が正に遊雀落語の「窮鼠猫を噛む」キャラ。「ああ、バカだ俺は。自分のことを考えてなかった!」と、たかが義太夫を聴くか聴かないかで死ぬほど悩み苦しみ、果てには「私は母一人子一人で・・・」と主人を泣きながら口説き、最後には「そこまで言うなら語れよ!」と逆ギレ。この男をこうまでさせる主人の義太夫、それはどんだけ酷いんだと思い巡らせてしまう。最後、オチの「私の寝床でございます」の後にさらに二段オチが続くという大サービス。

〈中入り〉

●馬石「締め込み」
 体力増進のためジョギングに熱中していて4キロを15分ほどで走っているそうな。ある日走り終えたところ警官から職質を受けて・・・「間の悪いやつがいるもので」というマクラから噺へ。馬石の噺に引き込まれる理由を考えると、自分にとってはやっぱり動きなんだなぁ。馬石は兄弟子の白酒みたいに自分なりに噺をつくる人ではないように思う。それでも噺に聞き入らせる力がある語りなんだと思う。たぶん場を作る人、なんだろう。

●喜多八「明烏」
 「今日のお客さんは池袋演芸場が良い面子のときみたいな良いお客さん」と客を持ち上げる。でもよく分かる。確かに自分もそんな雰囲気を感じていた。以前も喜多八でこの噺は聞いたが、寄席の尺では足りない感じだった。本人もマクラで「最近の寄席は8時半上がり・・・昔は10時過ぎまでやっていたもんですが」とブツブツ云っていた。今日は時間がたっぷりあったせいか、喜多八的な「明烏」をたっぷり聞けた印象。で、どこが喜多八的かと云うともう「町内でも札付きの」源兵衛と太助が本領を発揮する噺である。若旦那をなだめたりすかしたり、果ては脅しつけたりの見せ場の連続。この源兵衛が「宿屋の仇討ち」の「色事師の源ちゃん」と同じだと考えるとなんだか可笑しい。終演は9時を15分ほど回ったあたり。

喜多八がマクラでボソボソと、しかし明らかに談志を「下手」とけなしていたのに、ちょっと驚いた。まあ突然思いついて云ったわけではなく、多分いつも云ってるのだろうが、あまり寄席で談志の落語について思い出話以上のことを云う落協の落語家を見なかったので。








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