文法と単語からの直訳では意味が通じないのでは、より通じやすい、誰にでも判りやすい表現を使おうとは思わないのだろうか?
「英語ネィティブ」「英語が出来ます」の驕りがそうさせている。
"Globish"は比喩を不用意に使わないようにしている。比喩は文化的背景を持っているから、それを知らない人には通じないから。比喩ではなく直接表現を使う。
自分も相手も間違いなく伝わる表現をするのは必要と実利だけではなく、思いやりと助け合いの精神である。
『
訳せますか?日本人が間違う英文』
英語の重要性が増している昨今、日本語を読むようにスラスラと英文を読めるようになりたいと思っている人は多いはず。しかし、日本人は英語を読む際に単語の意味と、文法構造から“直訳”してしまいがち。
しかし、それだけでは文意をうまく読み取れないことも多々あります。どうすれば、英文を正確に、素早く読むことができるのでしょうか。
『日本人だけが間違える英語』(実業之日本社/刊)の著者・大井正之氏によると、英文を正しく読むためには、文法以外の“プラスアルファ”が必要なのだそう。それはあまり知られていない慣用表現であったり、日本語にはない表現法であったり、訳す際の考え方だったりします。
今回は本書の中から、日本人が間違えやすい英文をいくつか紹介します。きちんと訳せるかどうか、チャレンジしてみてください。
■It was raining like anything an hour ago.
使われている単語自体は簡単なものばかりですが、訳そうとしてみると意味をつかみにくい文章です。そのまま読むと「1時間前、何かのように雨が降っていた」となりますが、これでは何のことだかわかりません。
実は「like anything」で「たいへん、激しく(…する)」という意味なのです。
そのことから上の文章の意味は「1時間前、雨がとても激しく降っていた」となります。
英語には「sing like a bird(小鳥のように歌う)」、「sleep like a log(直訳の“丸太のように眠る”から“死んだように眠る”)」など、比喩や比較を好む傾向があります。しかし、その比較対照が見つからない時に「like anything」という表現をするのです。
単に慣用表現を覚えるだけでなく、こうした英語の独特の発想法を知っておくことが、英文を上手に読むコツの一つだといえます。
■All through the excitement she was as cool as a cucumber.
これも、英語独特の比喩が使われた文章です。直訳すると「騒ぎの間ずっと、彼女はキュウリと同じくらい冷めていた」となりますが、「as cool as a cucumber」は「(緊急時や苦境などで)この上もなく冷静で、落ち着き払って」という慣用句です。
つまり、上の文章は「騒ぎの間ずっと、彼女はまったく落ち着き払っていた」となります。
■Mr.Scott is a good scholar, but a poor teacher.
これは一見簡単な文章です。つい、「スコット氏はよい学者である、しかし貧乏な教師である」としがちですが、これは誤訳です。
カギになるのは「but」。この言葉は前に述べた事柄を受けて、それと逆の内容を述べる時に使われるので、「poor」を「貧乏な」と訳してしまうと、本来の「but」の用法ではなくなってしまうのです。
この場合、前半の「good」と逆の内容を述べているはずなので「poor」は「下手な」と訳すのが正解。文全体の意味は「スコット氏はよい学者だが、教えるのは下手だ」ということになります。
このように、英文を読む際は単に前からブツ切りにして読むのではなく、文全体の流れにも気を配るのもポイントです。
本書には、日本人が英語の読解力を上げるためのポイントやコツ、注意点などが網羅されています。英語を勉強しているけど、なかなか力がついた実感がないという人は、本書の内容を頭に入れることで、飛躍的に実力が伸びるかもしれません。
(新刊JP編集部)
×It was raining like anything an hour ago.
○It was hardly raining an hour ago.
×All through the excitement she was as cool as a cucumber.
○All through the excitement she was a calm manner.
Mr.Scott is a good scholar, but a poor teacher.は間違いとは言えないかな。
Mr.Scott is a good scholar, but he isn't a good teacher.かな。
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