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2012年03月28日00:55

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3月27日 お江戸日本橋亭 芸協3月定席

 この時期にしてはまだ肌寒いが、春らしい穏やかな一日。午前中いっぱい仕事をして、午後二時過ぎから上京。掻き揚げ天丼が食べたくなって神田まつやへ行くと店内昼酒飲みのグループ客と喫煙者だらけ。煙草も昼酒も別にかまわないのだが、個人的には平日の昼間に呑む酒は静かに少ない人数で、さらに云うなら蕎麦屋であれば短めの時間で呑む酒であって欲しい。小皿並べて居続けたいなら、昼から呑める居酒屋にでもいけばいいのにと思う。

 芸協の若手特選会は今輔が主任。今輔が気になりだしたのは、百栄がかけている新作落語に今輔の作品があると知ってからである。この日五時過ぎに入場すると、場内はガラガラ。少ないな〜と思ったが、始まって六時を過ぎると客も増え始め、最終的には40人強程度の入りでまずまずと云えるのではなかろうか。

●前座 鯉和 吉好
 前者は「子ほめ」後者は「強情炎」だったが、ふたりともかなり変わった感じの内容だった。どの師匠からどんな経緯で習ったものなのかわからないが、いままで聞いたことないような・・・かといって自分なりのアレンジを入れたというものでもなさそうな、不思議な前座噺。

●べん橋 「引っ越しの夢」
 芸協期待の前途有望若手なのかな? かなり評判が良いと聞いた。才気煥発応用自在という雰囲気ではないが、真面目でまっすぐな雷太あたりと共通する印象の語り。手足が長くて顔立ちが少し当代円楽の若い頃に似ている。アクションが大きい今回の噺には良かったんじゃないだろうか。最後に奴さんを踊った。

●鹿の子 「身投げ屋」
 真打ち成り立ての頃はもっとキラキラしていたけれど・・・ちょっと疲れた感じ。女流落語家の中ではそんなに苦手な方ではないのだが。こみちのように落語会をマメに開く方でもないだろうし、今後はどういう展開をしていくのかな。

●南なん 「将棋の殿様」
 殿様相手に容赦ない将棋をうつドSな三太夫に大笑い。自分は寄席でしか見たことがないのだが、その中でも思い出せる限りでは一度も同じ噺に出会ったことがない。あの歪な頭とマクラで笑いをとりにいかない微妙な導入で「出オチかよ!」と思われてしまいがちだろうが、ものすごく引き出しが多くて、深い落語をするひとだと思う。

<中入り>

 この日、夜の芸協寄席には珍しいことにどうみても就学前の男の子とお母さんらしき女性が最前列中央に座っていた。関係者かなと思って気にもしていなかったのだが、何しろ小さい男の子で無理からぬことだが、もう前座噺の途中で飽きてしまい、座椅子のところでゴロゴロ。演者もちょっとやりにくそうだった。中入りの時、前の方に座っていた年配の女性がこの親子に向かって大人しくさせろと注意(これも無理からぬことだろうが)。少しだけ客席に緊張がはしる。


●遊雀 「電話の遊び」
 登場するなり最前列の子供に向かって「賢そうなお子さんで、楽屋でも評判です。お子さんは大事にしないと・・・ご贔屓になると長いですからね」とヨイショ。これでお母さんの方はかなり気が楽になっただろう。「最近はお客さんの方が面白い。この前も客席のおばあちゃん、座布団をひっくりかえして何か探しているから、何かお探しですかって聞いたらお爺さんがいないって・・・」遊雀の気づかいに会場の雰囲気がほっと明るくなる。注意した女性の方にちらと目をやると、この人も大笑いしていた。噺の方は、もう「初天神」「熊の皮」と並ぶ馬鹿馬鹿しい笑いの波状攻撃。遊雀はよくこの噺をかけているが、ちゃんと聞いたのは今回が初めてだったので思わぬ儲けものだった。。

●やなぎ南玉 曲独楽
 

●今輔 「ぼくの彼女はくの一」
 まってましたの声と共に登場。客席は引き続き温かい雰囲気に包まれている。それを敢えて読まないのか読めないのか、単に緊張しているのかやたら声がうわずる。山田風太郎忍法帳の話から子供の前でそれはどうなの? というシモネタ(どうせ未就学児には理解不能だろうが)までいつ果てるともなく続くマクラ。大丈夫か今輔! 風太郎文学への愛は充分伝わったが、今回の噺はちょっとその設定に頼りすぎ! オチへ収束するまでの展開が弱すぎて、新作落語としては物足りない。これは今輔だけじゃなくて圓丈一門若手でも同じこと。今後に期待。せめ達磨もちゃんとチェックしようと思う。
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