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2011年12月05日15:52

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映画『 マネーボール 』 その2。

球はあまり詳しくないが、「 野球をさほど知らない観客 」でも十二分に楽しめるのが映画『 マネーボール 』の良いところだ。主人公ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は18歳の時、奨学金をもらってスタンフォード大学に進学するはずだったが、熱心に入団を迫るニューヨーク・メッツからの誘いもあって進路を迷っていた。彼は走・攻・守で圧倒的な能力をもつ他、長身でスリムで、その上、ハンサムだった。将来、メジャーリーグの伝説になる人物だと、スカウトはじめ彼を知るすべての人々は思っていた。父親から「 自分の進む道は自分で決めなさい 」と勧められ、ビリーは大学進学を取りやめ、メジャーに進む。しかし、運命の女神は彼に微笑まなかった。ビリーの才能は大きく開くことなく、凡庸な成績でメジャー球団を転々とする。10年後、自ら「 選手ではなくスカウトとして雇って欲しい 」と球団に願い出て、現役を引退した。映画はメジャー最貧球団のオークランド・アスレチックスのGM(ゼネラルマネージャー)となったビリーが、他球団の1/3以下の予算で選手を集めて強力なチームを作り、金満球団と戦う過程を描く。彼の武器は、「 マネーボール理論 」。熱烈な野球ファンであるビル・ジェイムズが、全く新しい視点から生み出した斬新な野球科学理論であった。

 映画では「 マネーボール理論 」をさほど掘り下げて説明することはないが、その手法と効果は明快に描かれている。それは、これまで選手の能力を示す絶対的な数値と思われていたものでは、選手の本当の価値を測ることができないという事実だ。ビリーと彼の片腕・ピーターは「 マネーボール理論 」に基づき、有力な選手を次々に発掘するが、彼らはいずれも所属球団では「 使い物にならないB級品 」扱いだった。ビリーは彼らを安くトレードしたり、時には相手球団から現金を付けさせて獲得することにも成功する。不用な選手を処分したいという相手球団の心中を、ビリーは鋭く察知する特技があったのだ。潤沢な資金にモノを言わせ、有力な人気選手を次々に獲得する金持ち球団。最貧球団アスレチックスを率いるビリーが、何がしかの欠点のために埋もれている人材を見出して、金持ち球団と互角に戦うチームを作り出していく序盤は本当にわくわくする面白さである。

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