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2010年05月24日02:48

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小説八大龍王 【071 血戦!マルシャース・グール(一) 〜謁見〜】


いつもお読みいただいている皆さま、ありがとうございます

いよいよ…今回からソルトルムンク聖王国の王城を巡る戦いが始まります お楽しみに

ところで、先週の19日にコミックのライアーゲームの最新刊がでました 早速、購入して読みましたが、非常に面白い 作者は天才じゃないかと思いましたww

既にライアーゲームは、テレビシリーズ2回、劇場版1回で実写的には完結していますが、とんでもない、まだまだコミックは続きます

エヴァンゲリオンとは違う形で、コミック完結後、『新ライアーゲーム』として最初から全て作り直してもらいたいぐらいですww

雑談はこのくらいにして、小説八大龍王をはじめます


【071 血戦!マルシャース・グール(一) 〜謁見〜】


〔本編〕
龍王暦一〇五〇年九月二九日、ソルトルムンク聖王国ジュルリフォン聖王子が通称『谷の城』と呼ばれるカムイ城に入城した

ジュルリフォン聖王子は長身で肌の色が白く、目が黒くて大きい青年であった

王子は今年二十七歳であった

そのジュルリフォン聖王子の脇に顔色が悪く痩せて小柄な黒衣の男が付き従っていた

聖王国の宰相のザッドであった

人和将軍のムーズとハクビの二人は、カムイ城の三階(カムイ城は三階建て)のカムイの間でジュルリフォン聖王子と謁見した

「おお!爺!今回の戦い、よく戦ってくれた 朕(ちん)はとてもうれしいぞ」

ジュルリフォン聖王子がムーズ将軍に労(ねぎら)いの言葉をかけた

「いえいえ 過分なお言葉!王子もご無事で、爺はうれしゅうございます」

ムーズはそう言うと続けて

「ここに控えておりますハクビ殿こそ、今回の戦いの第一の殊勲者でございます」

聖王子にハクビを紹介した

それを聞いたジュルリフォン聖王子はハクビの方に向き直り

「おお!そちがハクビか!グラフ将軍からもそちの活躍は聞いておる 朕もそちに会いたかった 苦しゅうない 表を上げよ」

聖王子の言葉にハクビは、下げていた頭を上げ聖王子を仰ぎ見た

「おお〜!なかなかの好美男子ぶり!朕はそちのような者を配下にもてて幸せよ!」

「もったいないお言葉でございます」

ハクビは恐縮してまた頭を下げた

「はっ!勇者のわりに腰も低いのぉ〜!ますます気に入った!ところでそちの今の階級と役職はなんだ?」

ハクビが頭を下げながら答えた

「はい!階級は第三段階の騎兵のシルバーナイトで、役職はグラフ将軍から小隊長の役を仰せつかりました」

「そうか!シルバーナイトか!最終段階の兵種の任命は、國(くに)の王しか任命できない決まりになっておる 朕は王子ゆえ任命することはできないが、いずれ王になった暁には最終段階への兵の任命を約束しよう

その代わり、直ちにそちをグラフ将軍の副官に任じよう ザッド!すぐにグラフ将軍にハクビの副官の件を伝えよ」

「はっ直ちに」

ザッドが答え、部下に指示するためにカムイ城三階のカムイの間を後にした

ジュルリフォン聖王子はとても満足そうであった

「ありがたき幸せにございます」

ハクビは頭を下げたまま礼の言葉を言った

「それでは王子、これで失礼いたします」

ザッドがカムイの間に戻ってきたので、頃合を見計らってムーズが言った

「ムーズ殿!ハクビ殿!聖王子は、五日後の一〇月三日にこのカムイ城を出立する 両名の者はそれまでに兵を編成しておくように」

「「承知しました」」

ザッドの言葉に、ハクビ、ムーズは声を揃えて答えた

「爺!ハクビ!これからも朕を助けてくれよ ソルトルムンク聖王国復興に向けての…」

「「はっ」」

ジュルリフォン聖王子の言葉に、二人はまたもや声を揃えて答えた後、カムイ城三階のカムイの間から退出した



〔参考一 用語集〕
ハクビ(眉と髪が真っ白な記憶喪失の青年)

ジュルリフォン聖王子(ソルトルムンク聖王国の王子)

グラフ(ソルトルムンク聖王国の地利将軍)

ムーズ(ソルトルムンク聖王国の人和将軍)

ザッド(ソルトルムンク聖王国の宰相)

ソルトルムンク聖王国(大陸中央部から南西に広がる超大国 第八龍王ウバツラの建国した國)

カムイ城(ツイン城を守る城 通称『谷の城』)

シルバーナイト(第三段階の騎兵)

小隊(この時代の最も小規模な集団 十人で編成される ちなみに中隊は五十人規模、大隊は二百五十人規模である)


〔参考二 大陸全図〕
フォト



〔参考三 マルシャース・グール周辺拡大地図〕
フォト



〔参考四 あらすじ〕
龍王暦〇〇〇一年 八大龍王によって八つの國(くに)が建国される

龍王暦一〇四九年八月 ソルトルムンク聖王国にあるクルス山でハクビが発見される ハクビは記憶喪失

龍王暦一〇五〇年二月一五日 ソルトルムンク聖王国のコリムーニ老聖王とバルナート帝國のロードハルト帝王がバクラにて会談 その席上コリムーニ老聖王が急死する

同年同月一八日 ソルトルムンク聖王国、バルナート帝國に対して宣戦布告

同年三月一〜三日 ソルトルムンク聖王国とバルナート帝國が国境の町バクラで交戦、ソルトルムンク聖王国側大敗(バクラの戦い)

同年同月一〇日 ソルトルムンク聖王国の王城陥落 聖王国滅亡 ジュルリフォン聖王子は大陸最南端のツイン城に逃げ込む

同年五月三日 コムクリ村にバルナート帝國軍が襲撃、ハクビが白虎騎士団のバルゴー隊長を倒す 以後、グラフ将軍に助けられ、残党軍の拠点であるアユルヌ渓谷に到着する 

同年八月初頭 バルナート帝國とミケルクスド國連合軍がジュリス王国を滅ぼす

同年同月二〇日 ハクビを始めとする十人がジクリー山のガーンの砦に潜入 一方、帝國軍によりマルドス城陥落

同年同月二三〜二四日 グラフ将軍の軍がガーンの砦を襲撃し、占拠する

同年同月二七日 グラフ将軍の軍、モクル海岸に到着する

同年同月二八〜同年九月三日 ハクビ小隊、モクルラビリンスを使いヴォウガーの軍と戦う

同年九月三日 グラフ軍、ツイン海岸に到着

同年同月四〜五日 聖王国軍と帝國軍がツイン盆地で激突(ツイン城の戦い)、帝國軍、ツイン盆地より撤退

同年同月一四日 帝國軍のマルドス城がハクビの策により陥落 帝國軍撤退

同年同月一七日 ハクビ他五十人が、カムイ湖に到着

同年同月一八日 ハクビが帝國軍ケムローンをカムイ湖の戦いにて倒す 帝國軍カムイ湖より撤退

同年同月二五日 聖王国ジュルリフォン聖王子、ツイン城を発ち、カムイ城に向かう
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