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2010年04月09日04:29
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小説八大龍王 【０６２ 付帯能力】
いつもお読みいただいている皆さま、ありがとうございました
『今日、誕生日を迎えました＾＾そして、初ミクシィー日記です
僕のオリジナルの物語を書きましたので、アップします 』
という書き出しで始まりましたのが、ちょうど１年前の今日です＾＾
とうとう２年目に突入しました
引き続き、頑張っていきますので、皆さま、よろしくお願い致します
それでは、小説八大龍王を始めます
【０６２ 付帯能力】
〔本編〕
この時のハクビの様子をどのように語ったら良いのであろうか…
とにかく視界は効かないなりにも、ケムローン他、カムイ湖北岸の弓兵にはケムローンに一直線に向かってくる影は、北岸一キロメートル付近になると微かにではあるが見えてくる
そこに矢がまっすぐ、あるいは弧を描いて、文字通りハクビを一つの的として殺到してくる
水兵も時速百キロメートルの機動力で周りを囲み、攻撃していく
それに対しハクビの動きはまるで修羅か羅刹のようであったと言われている
水兵の攻撃をかわしつつ、飛んでくる矢をかわしつつ、肘から下が役に立たない右腕を振り回しながら、それでも帝國軍のケムローン副官に向かって一直線に迫ってくる
蒸気による視界の悪さプラス目標物の動きが、矢の照準をかなり絞りにくくしている
さらに湖上の水兵に対して、北岸の弓兵は流れ矢が当たらないようにするため、どうしても手心が加わる
水兵も飛んでくる矢をよけながらの攻撃なので、今一歩ハクビに対する攻めの詰めが甘くなる
それらが幸いし、ハクビは刻一刻とケムローンに近づいていく
倒すべき敵、ケムローンがハクビには分かっていた
ハクビに向かって正面から飛んでくる矢の中で、いくつか断トツに鋭く、かつ正確に自分に向かってくる矢がある
ハクビは当たる寸前でかわしてはいたが、それらの矢（ケムローンの矢）は完全にはかわしきれず、兜と、鎧の腹部（ふくぶ）のあたりに亀裂を生じさせた
ハクビがかわしきれない矢を放っている人物、さきほど霧の中からハクビやマークを奇襲した矢の射手である者、それがこの軍の司令官、或いは一番の勇者であろうとの想像は難くない
つまり、ハクビがこの戦いを終わらす為に、必ず仕留めなければいけない人物なのである
さて、この時のハクビの動きについて、後世の歴史家達はいろいろな説を展開した
ハクビが付帯能力（アドバンテージスキル）を発動させたのは、衆目の一致するところである
しかし、どの付帯能力を発動させたか、何種類の付帯能力を発動させたかで、様々な議論を呼んだ
付帯能力−所謂（いわゆる）アドバンテージスキルは十六種類に体系化されている
誰でも有している基本能力（ベーススキル）と異なり、その人物のみの才能といったものであろう
才能は植物の種のようなもので、それだけでは華を咲かせたり、実を成らせたりはできない
水や日光、土壌といった後ろ盾（バックアップ）があってこそ、華や実ができる
しかし、いくらバックアップがあっても種そのものがなければ、何も起こらない
付帯能力とはそういった類（たぐい）のものなのである
さて、付帯能力は個人差があることは先に説明したとおりだが、一般に凡人は〇〜二、秀才は三〜五、天才や達人は六〜七以上有していると言われている
ハクビは八大龍王の一人ということが現代においては周知のことであるため、この『人』に対する基準では計り知れないが、それでも記憶を失っている状態であるため、次の付帯能力を掛け合わせで使っていたとみる考え方が最も指示されている説であろう
�ゝ馨茵�本来は陸上における乗用動物である馬（ホース）を水上で自在に操った
��直感：近未来を読む能力で、矢をかわすのに有効に働いた
�８浚響�幅：視・聴・嗅・味・触の五つの感覚を増幅させる能力
主に視覚、聴覚、触覚で敵の攻撃を関知するのに役立ったと思われる
さらに直感との重ね合わせでより攻撃をよける能力が上がったのであろう
�ねμ圈�敵に恐怖心を植え付ける能力
恐怖心を抱いている敵の攻撃は、無意識のうちに鈍るので、与（くみ）しやすい
�デ塾亙�出：本来の自分の基本能力を飛躍的に高める
おそらく自分の筋力、瞬発力、俊敏性を高めたと思われる
また学者の間でも意見が分かれる事柄だが、騎乗能力の掛け合わせで、乗っている馬（ホース）の機動力といった能力も上がったと考えられる
そうでないと時速六十キロメートルの馬（ホース）の水上移動は考えられないという説もある
��戦闘続行：死にづらさと火事場の馬鹿力といった継続性と爆発性をそなえた能力
これは他の付帯能力の継続的使用に影響を与えたと考えられる
�Э誓�：人智、人力といったものを超えた神としての性質を有している能力
非常に付帯能力の中でも効果があやふやな能力の部類になるが、いわゆる運が良かったなどに通じていくと思われる
運も実力のうちというように、戦場においては大きな力である
これ以外、他の付帯能力を発動させたという説もあるので一概にこれが正しいとは言えないのではあるが、この七種類の付帯能力が発動されたというのが定説になっている
〔参考一 用語集〕
ハクビ（眉と髪が真っ白な記憶喪失の青年）
マーク（ハクビの親友 ハクビの小隊に所属）
ケムローン（帝國軍ヴォウガー軍団長の副官）
ソルトルムンク聖王国（大陸中央部から南西に広がる超大国 第八龍王ウバツラの建国した國）
バルナート帝國（北の強国 第七龍王マナシの建国した國 金の産地）
カムイ城・カムイ湖（ツイン城を守る城、通称「谷の城」 その城が中央の島に築かれている湖）
付帯能力（その人物個人の特有の能力 アドバンテージスキルという 十六種類に体系化されている）
〔参考二 大陸全図〕
〔参考三 マルシャース・グール周辺拡大地図〕
〔参考四 あらすじ〕
龍王暦〇〇〇一年 八大龍王によって八つの國（くに）が建国される
龍王暦一〇四九年八月 ソルトルムンク聖王国にあるクルス山でハクビが発見される ハクビは記憶喪失
龍王暦一〇五〇年二月一八日 ソルトルムンク聖王国、バルナート帝國に対して宣戦布告
龍王暦一〇五〇年三月一〜三日 ソルトルムンク聖王国とバルナート帝國が国境の町バクラで交戦、ソルトルムンク聖王国側大敗（バクラの戦い）
龍王暦一〇五〇年三月一〇日 ソルトルムンク聖王国の王城陥落 聖王国滅亡 ジュルリフォン聖王子は大陸の最南端のツイン城に逃げ込む
龍王暦一〇五〇年五月三日 コムクリ村にバルナート帝國軍が襲撃、ハクビが隊長を倒す 以後、グラフ将軍に助けられ、残党軍の拠点であるアユルヌ渓谷に到着する
龍王暦一〇五〇年八月初頭 バルナート帝國とミケルクスド國連合軍がジュリス王国を滅ぼす
龍王暦一〇五〇年八月二〇日 ハクビを始めとする十人がジクリー山のガーンの砦に潜入 一方、帝國軍によりマルドス城陥落
龍王暦一〇五〇年八月二三〜二四日 グラフ将軍の軍がガーンの砦を襲撃し、占拠する
龍王暦一〇五〇年八月二七日 グラフ将軍の軍、モクル海岸に到着する
龍王暦一〇五〇年八月二八〜九月三日 ハクビ小隊、モクルラビリンスを使いヴォウガーの軍と戦う
龍王暦一〇五〇年九月三日 グラフ軍、ツイン海岸に到着
龍王暦一〇五〇年九月四〜五日 聖王国軍と帝國軍がツイン盆地で激突（ツイン城の戦い）、帝國軍、ツイン盆地より撤退
龍王暦一〇五〇年九月一四日 帝國軍のマルドス城がハクビの策により陥落 帝國軍撤退
龍王暦一〇五〇年九月一七日 ハクビ他五十人が、カムイ湖に到着
龍王暦一〇五〇年九月一八日 ハクビ率いる十九騎三十八人が進撃開始、カムイ湖の北岸の帝國軍の陣をめざす シェーレとドンクがカムイ湖の中央の島に到着
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