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2009年04月09日07:07

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八大龍王伝説 【000 序 〜あらすじ〜】〜【第一部】【001 白き青年】

今日、誕生日を迎えました^^
そして、初ミクシィー日記ですわーい(嬉しい顔)

僕のオリジナルの物語を書きましたので、アップします

(※ここからは、二〇一〇年八月一一日改訂バージョンです)

八大龍王伝説


【000 序 〜あらすじ〜】

 人類史に神話として語られている時代より、さらに数万年さかのぼる時代。
 まだ人と竜(ドラゴン)が共存していた頃の話である。
 ヴェルトと呼ばれたある大陸に、八人の神々が天界より降臨し、混とんとしていたその大陸を八の秩序にまとめ上げた。
 八の秩序は、やがて『國(くに)』と呼称されることになる。

 八の國にまとめ上げられたヴェルト大陸の人々は、それぞれの國を作り上げた八人の神々を、建国神として崇め、神々を八人の龍の王――八大龍王と呼んだ。
 八人の神々が、國という秩序を作り上げるに当たり、それぞれが天界の龍を使役したのがその由来である。

 八大龍王は大陸を平定した後、それぞれの國の運営をヴェルトの民に委(ゆだ)ね、天界へ戻っていく。
 龍王より國の運営を委ねられた者は、『王(おう)』と呼ばれ、王は自國を束ね続けられなくなった時、次代の王を選定することにより、その國を存続させていった。
 八大龍王がヴェルト大陸に秩序をもたらし、八國を建国した年を、ヴェルトの人々は龍王暦元年と定めた。
 八大龍王は、天界に戻った後も、ヴェルト大陸の動向に常に目を配り、場合によっては、天界から國々に干渉することもあったという。
 こうしてさしたる大きな争いもなく、大陸は千年もの長き間、八つの國が並立する平和な時代が続いた。

 しかし、八國建国からおよそ千年後の龍王暦一〇五〇年、未曾有(みぞう)の戦乱が勃発する。
 八大龍王同士の争いが引き金となったその戦乱は、同暦一〇六一年十二月までのおよそ十二年もの長い歳月、ヴェルト大陸全域を混とんとした世界へと変貌させた。
 
 これから八大龍王、並びにこの乱世の時代を駆け抜けた人々によって織りなされた、一大歴史戦記を、古代ヴェルト史をひも解き、語っていくこととする。



【第一部】
【001 白き青年】


〔本編〕
八大龍王と呼ばれた神々によって平定されてから千年余り過ぎた龍王暦一〇四九年八月のある日のことである

ヴェルト大陸の國(くに)の一つにソルトルムンク聖王国という國がある

その國の南西部にクルス山という山があり、その山で二人の男が狩りをしていた

「マーク!獲物はそっちに行ったぞ 上手く仕留めろよ!」

「分かっているよ父さん!」

マークと呼ばれた青年はそう答えると、弓に矢をつがえた

間もなくその青年の前を一匹の兎が横切った

マークがその兎に狙いをつけ、矢を放とうとしたその瞬間である

目の前で真っ白な閃光が輝き、彼らのすぐ近くで大きな地震のような衝撃が起こった

「マーク!大丈夫か?」

ひげ面の中年の男ホルムが起きあがりながら、マークに問いかける

「僕は大丈夫!父さんは?」

「わしは大丈夫だ!しかしすごい衝撃だったな!何かが近くに落ちた音に聞こえたぞ マーク!その現場を確認しよう!」

二人の男は、衝撃が起こった地点に向かった

「父さん!誰かが倒れている!!」

その衝撃が起こった場所に先にたどり着いた青年−マークはそこにたどり着くやいなや、父親に振り返って大声をだした

マークがたどり着いたその地点は、木々が数十本なぎ倒されており、その中心部に直径十メートル、深さ五十センチメートル程度の大きな穴が開いていた

そして、そこに一人の男が倒れていた

「誰かな?」

マークは父親に聞いた

「コムクリ村の者ではないな!」

後から来たホルムは首を傾げた

「とりあえず家まで運ぼう マーク手伝ってくれ」

「分かった」

ホルムの言葉にマークはうなずいた

「あれ?この人何かを持っているよ!」

マークが言った

みるとその男は何かを握っているようであった

近づいて土をどかしてみると両手に一本ずつ斧を握っていた

斧は両方とも使い込まれた感のある古めかしい物であった

但し、その斧は一般に木こりが使うような木を切るための斧でなく、戦いで使用するいわゆる戦斧(せんぷ)であった

二本の斧は大きさが異なっていた

一本は人の背丈ほどの長い柄で刃渡り二十センチメートル程度の斧で、もう一本は柄が極端に短く、刃渡りも十センチメートル程度の投擲(とうてき)に適しているような手斧(ておの)であった

「よし、彼はわしが運ぶ マーク!斧はお前が持って帰れ」

そういうとホルムは自分の弓矢をマークに渡し、自分は倒れている男を担いだ

このホルムとマークは、クルス山の麓(ふもと)のコムクリ村に住んで狩猟を生業(なりわい)としている親子であった

二人は見ず知らずのこの男を家に連れて帰った

その男はマークと同じぐらいの二十代の青年に見え、身長が百七十センチメートル程度で痩せていた

特徴と言えば、肌の色が白く、その肌よりさらに白い髪と眉を有していた

青年はホルム達に助けられてから、三日後に意識を回復した

「ここはどこですか?」

青年がホルムに尋ねた

「おう!意識が戻ったか!よかった!ここはコムクリ村だが…何故、お前はクルス山なんかに倒れていたのだ?お前は何者なのだ?」

「コムクリムラ?…クルスサン? 何のことですか?それより僕は誰なのですか?」

青年の答えにホルムは呆れたように

「それはこっちが聞いているのだ… ん?お前何も分からないのか?名前は?」

青年は困ったような顔になり

「名前?分からない…僕は誰なのだ?」

どうやらその青年は通常の言語や一般的な事柄を除き、個人的な記憶に関しては全て失われていたのであった

「う〜ん!困ったなぁ〜」

ホルムは腕を組んだ

「あれっ?」

ホルム同様途方に暮れていた青年が、ホルムの後ろに置いてあった二本の戦斧に気付いた

「あれは僕の斧だ!」

青年は戦斧にかけ寄り、その二本を手にした

「それはお前が倒れていた時に握っていた斧だが、それについては記憶にあるのか?」

「いえ 全く記憶にはありません…しかし、感じました!僕のだと…」

ホルムの問いにその青年が答えた

その青年は右手に長い柄の斧である長斧(ちょうふ)を、左手には短い柄の斧である短斧(たんふ)を握ってその場に立っていた

その斧を持っている姿は、倒れているときの持ち方とそっくり同じであった



〔参考一 用語集〕
ホルム、マーク(コムクリ村の住人 ホルムが父、マークが息子)

ヴェルト大陸(この物語の舞台となる大陸)

ソルトルムンク聖王国(大陸中央部から南西に広がる超大国 第八龍王優鉢羅(ウバツラ)の建国した國)

コムクリ村(ソルトルムンク聖王国の南西にある村)

クルス山(ソルトルムンク聖王国の南西にある山)


〔参考二 大陸全図〕
フォト




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