mixiユーザー(id:12923117)

2026年07月25日23:39

112 view

『デッドマンズ・ワイヤー』感想

〜「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」「ミルク」「エレファント」などで知られる名匠ガス・バン・サントが、1977年にアメリカ・インディアナポリスで発生した実際の事件をもとに描いたクライムスリラー〜
〜不動産投資会社メリディアン・モーゲージ社に財産をだまし取られたと主張する男トニーは、同社に押し入り、社長の息子で同社役員のディックを人質に取る。トニーは自分と人質の首をショットガンとワイヤーで結びつけ、動けば発砲される仕組みの「デッドマンズ・ワイヤー」を用いて立てこもり、警察も手出しできない状況を作り出す。現場からメディア出演を行うなど異例の行動を続ける中、世論は彼を非難する声と同情する声に分かれていく。膠着状態を打開しようと警察が突入に備える中、ついにトニーと社長が電話で話すことになるが……〜<映画.comさんより>

フォト


           フォト        フォト


こんな事件が実際に起きたとは・・・。

トニーは社長の息子ディックを人質に取って、自ら地元警察に電話。
現場にパトカーが集まって来ると、人質を連れ外に。そして1台のパトカーを奪って自宅へ。
繰り返します。’犯人’が’パトカー’を奪い、’警官たち’を’先導して’自宅へ向かう(笑)
そのシーンで流れる曲に、腰が抜けるほど驚きました。
めっちゃ爽やかで、可愛くて、そよ風みたいな曲なの♪
歌詞が「木の鳥たちがさえずっている。僕のためにさえずってる」っていうね鳥

このあたりからジワジワわかってくるんですが、ガス・ヴァン・サント監督がこの作品で描きたかったのは、事件の異常性ではなく、トニーという人物。
ごくごく普通の庶民。庶民の代弁者を名乗るヒーローというわけでもない。

トニーの社長に対しての要求は、確か、借金帳消、500万ドルの支払い、刑事免責、そして謝罪。
とりわけ、心からの謝罪を求めていたのに、全く聞いてもらえず。

ちなみに、人質となったディックは父親のおかげで、今の役員の肩書があるわけなんだけど、この父親をもったせいで味わっている辛さもあるようで...。

それがわかるのが、父親との電話シーン。
今にも自分の息子が殺されるかもしれないという時に、信じられない発言の数々。
テレビ中継を見ながらこういう台詞もあったバッド(下向き矢印)
社長「見ろ。犯人は涙を流しているのに、息子は平然としている。素晴らしい、さすが我が子だ」

トニーとディックは、ある意味、共に’被害者’で、同じワイヤーに繋がっている。

この当時の雰囲気がしっかり出てるし、時にテレビカメラの映像に切り替わったり、モノクロ画像のショットが入ったり、様々な切り込み方で引き付ける。

※予告編
https://youtu.be/M3v0tEsPXO8?si=yuOIWQDUdZttSyA4

ビル・スカルスガルドのトニーはペニーワイズと匹敵するほどの代表作になるのでは?
人質となるデイカー・モンゴメリーは『エルヴィス』に出てたと聞いて調べちゃった。
で、またまたのコールマン・ドミンゴ!極めつけはアル・パチーノぉおおお。

裁判での判決、そして後日談にビックリ仰天。

最後にかかる曲が『The Revolution Will Not Be Televised』(革命はテレビには映らない)
ガス・ヴァン・サント監督がこの事件を映画化した理由がそこにある。

「What a shit show」

総評:題材的に、やろうと思えば、いくらでも過激なショーに仕立てられた気がします。
でも、ガス・ヴァン・サント監督はトニーを軽快な曲で優しく包み込んだ。
ある意味、行き当たりばったりの犯罪。それでもトニーはやるしかなかった。
そういうのが人間臭いし、抑えた演出が心に沁みた。私は好きでした。3.9☆
5 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年07月>
日 月 火 水 木 金 土
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031