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2021年08月07日03:05

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TM NETWORK「CAROL」

このアルバムにはサブタイトルが付いていて
「A DAY IN A GIRL'S LIFE」というもっともらしいタイトルがついている。
これだけ聞けば、「ああCAROLとは女の子の名前なのね」と
一方的に印象を受けるかも知れないが、このアルバムをリリースした時に
木根がインタビューで
「別にキャロルとは女の子の名前とは限らない」
と意味深長な発言をしている。つまり、日本人で言えば
「かおる」とか「ひかる」みたいな中世的でもないが
男性女性どちらの名前にも適合する名前の一例として挙げられる。
確かに「ある女の子の人生の1日」とは言っているが、
そこに登場するCAROLが少年なのか少女なのか
分からないようになっている設定だとの説明は成り立つ。
しかし
アルバムジャケットには
RPG風のイラストで
TMのお三方が描かれているのと加えて
もう一人、明らかに女性に寄せたビジュアルの人物が書き込まれている。
これが「CAROL」でなかったら一体誰がキャロルなのか。

この出鱈目の謎かけに対する「答え」が実は彼らが刊行したソングブック「CAROL」にはびっしりと書かれている。僕はそんな与太にびた一文投じたくないので
熱狂的なTMファンにそれは任せるとして
彼らによると「明確に”ある少女”がキャロルである」と本に書いてあるそうだ(笑)

「A Day In The Girl's Life (永遠の一瞬)」
「Carol (Carol's Theme I)」
「Chase In Labyrinth (闇のラビリンス)」
「Gia Corm Fillippo Dia (Devil's Carnival)」
「Come On Everybody」
「Beyond The Time (Expanded Version)」
「Seven Days War (Four Pieces Band Mix)」
「You're The Best」
「Winter Comes Around (冬の一日)」
「In The Forest (君の声が聞こえる)」
「Carol (Carol's Theme II)」
「Just One Victory (たったひとつの勝利)」
「Still Love Her (失われた風景)」

先にラインナップを羅列してみたが
彼らが「コンセプトアルバム」と強く主張する割には
タイアップ曲なども多くあり、強いて言うならば
最後の曲「Still Love Her」だけは本アルバムのコンセプトから
それ無い楽曲でシングルカットされた感があるが
「SEVEN DAYS WAR」や「BEYOND THE TIME」は明らかに
別のコンセプトに沿って制作された事は見え見えで
このアルバム内の調和を乱している。
余談だが、このアルバムが
彼らのオリジナルアルバムの中で最も売れたアルバムであり、
最も売れたシングルの一つである「SEVEN DAYS WAR」が
含まれるなどセールスに繋がる要因は揃っていた。

結果的に難解な作りになっている事、
コンセプトアルバムと謳いながら首尾一貫していない点、
時代を追求した結果、後に聴くと些かダサい点、

などから、このアルバム以降のオリジナルアルバムは
セールスを下降させていく要因にもなった。
残念な結論だが、TMというプロジェクトの進化は
ここで限界点を迎えたと言って良いだろう。

先般、30周年の記念ツアーが行われたが、
会場には彼らのまとまらないコンセプトの結果売れ残った
大量の当時のグッズがワゴン販売されており
舞台上では意味不明の寸劇が展開されるなど苦笑ものの
コンサート内容だった。
加えて手術明けで体力に不安が生じているボーカル宇都宮が
一曲歌うと舞台から消え、小室の長いインストタイムが展開されたり
木根の小芝居が展開されたり、違和感のあるゲストが登場したりと
「面白い」内容になってしまっていたようである。
コアなファンはそこまでを楽しむ作りになっているのである(笑)

個人的には「大好き」とはっきり言えるが
TMの何となく後付けの理屈と支離滅裂なコンセプトが
愛嬌があるというか愛せる要因の大きな部分を占めるからであって
よくよく聴かないとこのアルバムの良さは分からない仕組みになっている。
小室と言う我が国屈指のシンセサイザー使いを擁しながら
アナログ(風)サウンドで作られていたり、
一曲の中に複数のメロディをアルバム内の別の曲の伏線としていたり
(いうなれば、プログレのジェネシス的)、
明るすぎない曲調で構成されていたり、
彼らの「挑戦」が楽しめる内容になっているのである。
それはただただ「売れるため」のアルバムになっていた
前作「humansystem」と対比すると明確である。

ということで、TMを語る時はこのアルバムを避けて通ることは出来ない、
という事だけははっきりと述べておきたい。


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