口さがない連中は
「囲碁は雅なゲーム、将棋は下品なゲーム」
と将棋を蔑むのだが、同じ理由でチェスをこき下ろすことはないので
将棋は特別に「下品」なのだと言う事だろうか
つまりは「勝ち」と「負け」しか結果がなく
トップクラスの棋士になると僅か一手差の違いで勝つか負けるかになるので
優勢だったとか内容が良かったけど負けた、というのは
アマチュアの世界だけの話になる
だが、この「やるか、やられるか」の勝負は
女性には余りにもシビアで、今まで「プロ棋士」になった例がない
「女性」棋士ではなく、「女流」棋士という身分なのである
記憶に新しいところだと現在の女流棋士界の頂点に君臨する
里見香奈女流四冠があと一歩で初の「女性」棋士のところに迫りながら
年齢制限にかかり奨励会を退会するというトピックがあった
そもそも女性で「プロ棋士」というのは表現が実に難しいのであるが
囲碁のように
男女が同じ基準で対戦してそのままプロになれているのに対して
将棋はまだ実現していない、という事実を認識してもらうところから
話を始めなければならないだろう
ところが
男女同じ基準ではいつまで経っても棋士は誕生しないのである。
そこで、別規定を定めて「女流」棋士というプロ制度を始めるのである。
関根紀代子や蛸島彰子らがその先駆者として女流名人などの新設タイトルで
大いに棋界を盛り上げることになるのであるが
男性棋士から見ると「女流」棋士はプロになれなかった人たち、でもあるのだ
同等の扱いをすることもできないし、彼女たちだけで競技の運営もできなかった時代である。
そこであまりタイトル戦も公式戦も数が少なかった女流棋士には
将棋の指導や普及、さらには棋譜の読み上げや
大判解説やテレビ対局解説の聞き手として活躍の場が与えられることになるのだ
しかし時代を経て、女流棋士の数が増えてくると
タイトルも公式戦も増えていっぱしの「プロ」と呼べる時代が到来するのである
そうなると女性には
「プロはプロでしょ」という考え方も浸透してくる
しかしそれは理念先行型の机上の空論である
囲碁の女流棋士は段位相応の実力を男子同等に持ち得ているのに対して
※女流タイトルは別途存在するが女性の七大タイトル獲得者は居ない
将棋の女性棋士には男性棋士に対抗するだけの実力が、まだ無い。
それを証明しているのが「奨励会」の存在なのである。
この構図に反発したのがLPSA「日本女子プロ将棋協会」という
女性棋士団体である
かつて林葉直子、清水市代がらと共に女流棋士ブームを起こした
中井広恵が加わって作った「女性運動団体」と言った方がいい
それもいよいよ瓦解しようとしている
確かに男性棋士と同等の権利を得てもいい
だが、同じ条件で戦っているといつまで経ってもプロ棋士になれないのである
そこで独自の条件で「女流棋士」制度を作ったのである
最近では竹俣紅という女流棋士が日本将棋連盟を退会し
フジテレビに入社するとかしないとか話題に挙がったばかりであるが
彼女の気持ちは実によくわかる
女流棋士のままでは将棋界のホステス的な地位から上に進めないのである
プロ棋士と同等の気概を持って対局に臨むには
それまでの将棋連盟の枠組みに居ては叶わないことを
彼女は知っていたのである
だが、そこまでの実力はないのである
これに似た感覚の女性棋士は今でも少なくないのだが
「女流棋士」は正確には将棋を生業とする棋士ではあるが
「プロ棋士」ではないのである
西山は女性版奨励会の研修会から奨励会に進み
女流棋士ではなく、プロの卵の女性棋士として
現在の奨励会の三段リーグを闘っている
女流タイトルを3つも持っている西山であるが
加藤桃子も同様、女性棋士になるために
「女流棋士」の道を通らないようにしているのである
一方で里見香奈はキャリアを女流棋士として始めたものの
女流タイトルを総なめにしたのち途中から奨励会に参入し、
女性棋士を目指したのである
結果として年齢制限で奨励会退会に至ったが
編入試験を受けるというコースが無いわけではない
西山はまだ24歳。
三段リーグで再び上位二名に入れば
最長で29歳のリーグまで挑戦できる。
今度こそ女性棋士の誕生に期待する
■初の女性棋士、誕生ならず 将棋・奨励会の西山朋佳三段
(朝日新聞デジタル - 03月07日 19:04)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6000592
将棋の棋士養成機関「奨励会」の三段リーグ戦最終日が7日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、女性で初めて棋士になる可能性があった西山朋佳三段(24)は2連勝したもののプロ入りを逃した。
同リーグは半年かけて行われ、上位2人が棋士になれる。昨年10月に始まった今回のリーグは、西山三段と谷合広紀(たにあいひろき)三段(26)、服部慎一郎三段(20)の3人が14勝4敗で並んだが、前回リーグの成績に伴う順位の差で谷合三段と服部三段がプロ入りを決めた。2人は4月1日付で四段になる。谷合三段は東京大出身で、同大大学院博士後期課程に在籍する。同大出身の棋士は片上大輔七段(38)以来2人目。
将棋のプロには、男女の区別がない「棋士」と女性だけがなれる「女流棋士」がある。西山三段は2010年に奨励会に入り、棋士を目指してきた。女流棋士の資格はないが、出場可能な一部の女流タイトル戦で活躍しており、女王、女流王座、女流王将の三つの女流タイトルを保持している。
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