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2016年03月24日20:18

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オンナはアツい

現在、女流将棋界は混沌として、アツい。

そもそも日本将棋連盟所属の女流棋士会に所属する女流3級以上の女流プロ棋士と
そこから2007年に分裂して独立した日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属の女流プロ棋士の2種類がある。
何れも女流3級と認定すれば「プロ」になるわけだが、
日本将棋連盟の女流は「研修会」と呼ばれる登竜門的組織で勝ち上がった者をプロにしているのであり、
より組織が小さいLPSAのプロ認定を同様のプロとして認めないとした事から、この両者が激しく対立し
訴訟合戦にまで発展したのが、つい先年までの構図である。

米長前会長時代にヒートアップした対立も、一時落ち着いたところではあったが
その間に突如登場したのが希代の女傑、「出雲のイナズマ」異名を持つ里見香奈(さとみかな)女流五段である。
因みに彼女は24歳の若さだが、女流名人を5期、倉敷藤花も通算6期務めており
「クィーン女流名人」、「クィーン倉敷藤花」という永世位称号を獲得している。
加えて、無冠である時期が殆ど無いため、「里見女流何段」と呼ばれることはこれまで殆どない。
彼女が、史上初めての女流五冠を達成したのはまだ21歳の時である。
(名人、倉敷藤花、マイナビ女王、女流王座、女流王位、女流王将の6大タイトルのうち、女流王座を除く5冠)

ここから長く「里見1強体制」「里見独裁政権」が続くかと思われた2014年、
里見は突如体調不良に陥り長期欠場となる。
この間に台頭したのが3歳年下の加藤桃子(かとうももこ)である。
彼女は女性の棋士ではあるが、男性のプロ未満の棋士たちと一緒に戦う「奨励会」に所属。
奨励会では初段で、女流棋士会には所属せずに男性と対等の4段を目指して戦っているのだ。
因みに、里見も奨励会には所属しているが、女流棋士会に所属している女流プロである。
現在まだ二十一歳の彼女は、タイトル防衛戦限定出場をしていた里見を破ったばかりか
その後復帰した里見の挑戦も退けて、女流王座と女王位の2冠を2期続けて防衛しているのだ。

まだまだ若いクイーン・里見と更に若い加藤女王の対立構図が見え始めたところに
さらに新星が昨年登場するのである。
彼女の名前は西山朋佳(にしやまともか)。これまた二十歳である。
2015年12月、史上2人目の「女性の奨励会三段」(一人目は里見四冠)となり、
実力の上では里見と同等となったのである。
彼女も女流棋士会には所属していないのでプロ棋士ではないが
「女性の奨励会員は女流棋士戦に参加できる」規定にのり、各種棋戦には参加している。
今年の挑戦者決定戦でも上位まで勝ち上がっており、
近いうちに女流タイトルの分布図を塗り替える可能性も秘めていると言われているのだ。

現在は復帰して四冠を占める里見香奈に対し、
二冠を守る加藤桃子、
それを猛追する西山朋佳奨励会三段、
更に香川愛生(かがわまなお)女流三段、
僕がイチオシの女流棋士・室谷由紀(むろやゆき)女流二段
といった二十代前半の若手が上位独占している構図だ。

過去に12期のタイトルを保持していた甲斐智美(かいともみ)女流五段
そして、長く女流将棋界を牽引してきた清水市代(しみずいちよ)女流六段らが
ベテランの意地を見せられるかどうかはいよいよ怪しくなってきたのである。
混沌とした女流棋士会がアツい、というのはそういうわけである。
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