スポーツに造詣の深い人が集まる飲み屋、に久しぶりに行って来た。
連れて行った人もスポーツ好きなのだが
理解のある人とそうでない人は
スポーツを見る資格の有無に関わるほど落差があるものだと
改めて納得と云うか落胆した。
競輪の場合だと9人の選手の前を
「先頭誘導員」と呼ばれる人が打鐘まで引っ張って
打鐘から実質の競走が始まるのだが
本当に強いのなら、それまでにダッシュして抜け出れば良いと
主張してやまないのだ。
因みに残り1周半になると先頭誘導員はバンクから姿を消すのだが
それまでに先頭誘導員を追い抜いてはいけない事になっている。
どうやら、それが納得いかないらしい(笑)
まず「抜いてはいけない」のではなくて
先頭に立ってしまったら不利だから、「抜いたら勝てない」と説明しているのだが
彼は、まずそれが理解できないのである。
時速60キロから70キロで走ると強い風圧を受け、
長時間風圧を受ける選手はかなり不利なのである。
たった2周、800メートルでも有力選手が走る後ろに着いて
風避けをして貰ったら、最後の直線で抜き去ることが容易になるほど
風圧は重いのである。
だから、競輪はライン戦といって
9人なら基本的に3人グループが3組、
それぞれ役割を持った3人が作戦を立てて勝とうとしているのである。
上位3人が勝ち上がる仕組みなので、
作戦が完遂できれば、グループがそのまま勝ち上がる。
実際にはそんな単純ではないので、
3連単の車券はラインで買っても当たるわけではないし
当たったとしても安いのである。
こんな話をしても分からない知人であるから
ボートのフライングスタートも訳が分からないままだ。
マラソンの「ラビット」も納得は行かないらしい。
陸上競技も、開催場所やコンディションによって左右されるので
その時1位だったものが称賛されるのであって
マラソンの世界歴代の速さの評価とは別である。
ウサイン・ボルトも最速にして「チャンピオン」であることが凄いのであって
記録会で世界最速を出しても評価されるわけではない。
ライバルたちと最速を争って「1位」になった時のタイムが
「世界最速」だから凄いのである。
今度の高校野球に、社会人野球と同様に
延長戦に「タイブレーク」を導入しようと云う動きがある。
だが、タイブレーク時の駆け引きと通常のプレイ時とは大きくは違わないので
これはまだマシかも知れない。
しかし、本来ならアウト3つ取られるまでに何点取るか、の9イニングの
総計で争うものであって、序盤の得点とタイブレーク時の得点は
価値が少し違う事を考えても、望ましい決着方法ではない。
だったら「永遠に決着がつくまで延長戦」の方が
真の意味で競争しているのではないかと感じるのだ。
同様にサッカーのPK合戦も
フィールド上の点の取り合いとは全く異なる決着方法であるから
サッカーをしていた人間として望ましい決着方法だとは感じない。
僕はGKもしていたがPK職人で、試合の時も良く止めたのであるが
アレはサッカーの技術ではない。
単なる1対1の読み合いである。
だから、真に決着をつけるために、かつてのトヨタカップでは
延長、再延長を行っていたことは記憶に鮮明である。
スポーツの本質は「争う事」である。
何らかの決着を付けることが目的であったとして
どういう経緯が必要であるかと云う事を競技者として考えた時、
(細かくは説明しないが)
競輪のライン戦もボートのフライングスタートも
それなりに納得のいく理由があるのである。
スポーツの世界観を理解しない人、には
どれだけ説明しても伝わらないので苦労するが
それは「見るだけの人」だからではないだろうか。
最近、そう思うのである。
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