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2026年07月11日21:46

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『大統領のケーキ』感想

〜独裁政権下のイラクを舞台に、小学校で大統領の誕生日ケーキをつくる係に任命された少女の奮闘を描いたドラマ〜
〜1990年代、イラク。国民が戦争と食糧不足に苦しむなか、フセイン大統領は自身の誕生日を祝うケーキをつくるよう、国内の各学校に命じていた。祖母と2人で暮らす9歳の少女ラミアは、小学校で行われたくじ引きで“名誉ある”ケーキ係に選ばれてしまう。ケーキを用意できなければ、重い罰が待っているという。翌朝、ラミアは祖母に連れられ、父の形見の時計と、彼女にとって友だちの雄鶏ヒンディと一緒に町へ出かける。しかし、日々の食材すら満足にそろえられない祖母の目的はケーキではなく、ラミアを養子に出すことだった。とっさに逃げ出したラミアは、自らの手でケーキの材料を集めれば祖母との暮らしを続けられると信じ、クラスメイトのサイードと協力して町を駆け巡るが……<映画.comさんより>

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イラク・アメリカ・カタール合作。
どことなくイランのキアロスタミを思わせる予告編に興味津々。

冒頭、給水車から水をもらい、おばあさんと少女が小舟で帰宅するシーンから始まる。
暗闇の中、視線の先の対岸では火事が起きている。
このコントラストだけでも、ゾクゾクした。これは傑作に違いないと確信。

祖母と二人で暮らすラミアは小学生。今日も自分で小舟を漕いで学校へ。
出がけに知人男性がリンゴをくれたので、それをバッグに入れていたものの、学校に遅れて着いてしまい→教師がバッグの中をチェックし→知らないうちにリンゴはなくなっていました。
学校では子供たちはひたすら大統領を称える言葉を繰り返します。

2日後には、フセイン大統領の誕生日ということで、そのお祝いのため、この学校でも、くじ引きで物資調達の役目が決められていた。
ラミアの隣に座るサイードは果物係。そしてラミアは’名誉ある’ケーキ係。
ただでさえ食料不足なのに、一体どうやって、材料を手に入れればいいのか。

翌日、ラミアは祖母に連れられ、町に向かうことに。
ラミアは友だちの雄鶏ヒンディを抱え鶏、また父の形見の時計も持ちました。
親切な郵便屋おじさんに助けてもらい町に到着。
ただ、祖母は別の考えを抱いていました。
あまりにも生活が苦しい、ケーキの材料なんて絶対手に入らない。
だがケーキを持っていかなければ、ラミアに重い罰が与えられてしまう。
あるレストランで、祖母は、ラミアをそこに残して行こうとする。えっ?えっ?えっ?
それに気づいたラミアは逃げ出します。とにかくケーキの材料さえ得られたら、きっと、なんとかなる。

空には戦闘機が轟音も高らかに飛んでいます。
庶民がこんなにもがき苦しんでいるというのに。

ラミアはサイードが父親の働いている遊園地で手伝いをすると言っていたのを思い出して、そこに向かい、サイードと合流。

まずは必死に腕時計を売ろうとする。
ある場所では、大きな袋を運ぶ作業をやる代わりに、卵をゲット。
サイードも、〇〇で、果物をゲット。
ただラミアは砂糖をくれて、一見優しく見えた怪しい男性に引っかかり、危ない目にあいそうになり、こちらもドキドキ。
どこか『霧のごとく』みたい!?

途中いなくなってしまうヒンディの行き先が、この国の弱い立場の人間たちの運命のように思われて怖かった。
何も悪いことはしていないのに、捕まり、そして・・・。

町では大統領を称えるパレードが行われていた。
「魂と血をサダムに捧げます」

※予告編
https://youtu.be/hlaBRfJa3Iw?si=WYYPxCkBDsS8m76Y

祖母が言ってたケーキを作るのに必要な材料は「小麦粉、卵、砂糖、ベーキングパウダー」
これらの材料=独裁政権下の暮らしを文字通り表していたような。
卵は割れやすいし、砂糖はその甘味で子供を疑わせることなく引き寄せる。
ベーキングパウダー(ふくらし粉)は文字通り、権力者&富める者を更に膨らませる、みたいなね。

終盤、哀しい出来事が起こる。突然で驚いた。
振り返れば、だから祖母は、ラミアをああしようとしていたのかも?
しかし、それもこれも、ケーキ作りがなければ、起こらなかったことだろう。

そして、ケーキはどうなる?

サイードとラミアは、劇中3回ほど、’まばたきごっこ’をしていました。
先に瞬きをしてしまった方が負けです。
ラストに、多きな〇〇が起こるのですが、2人はそこでも、その中でも’まばたきごっこ’をしていました。
2人の凛とした表情に注目しつつ、このシーンで監督が言わんとしているメッセージを受け取ろうバッド(下向き矢印)
「瞬きしないで、しっかり直視してください」

そして最後の最後に映される巨大〇〇〇に込められた皮肉たるや。
いや、これ、衝撃だし、上手すぎる。

総評:必死な想いで材料を買いそろえ、ケーキを作ったとしても、実際に大統領が食べるわけではない。
ただ「忠誠」を示すために作らなくてはいけないのだ。
こんな社会はおかしい。こんな社会にしてはいけない。是非ご覧下さい。3.9☆
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