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2024年11月19日02:30

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斎藤君には通じなかった

今回の選挙は実に面白かった。
というのは、知人が多くある兵庫県庁の職員から
「斎藤君」の横暴は
以前からよく耳にしていて、
彼の存在がかなり多くの職員にとって居心地の悪い存在だったのは
実に明々白々。
それを、まるでスキャンダルを扱うように
メディアの偏向報道が煽り、飛び交っていたからである。

「話をごちゃまぜにしている。」
連日の斎藤君を非難するワイドショーを見る度に
僕は吐き捨てるように同僚に言っていた。
「でも、もうアカンやろ」
「アカンかどうかは知らんけど、関係ない話まで引っ張り出して
彼の資質がどうの、とか言い出してるのはおかしいでしょ。
ニュースとして面白いのは分かるし、
周辺取材すれば次から次から出てくるんでしょ、でも」

彼が告発された「七か条の罪」で現時点で証拠を持つのは
「パワハラ」の一点だけである。
つまり、残る六つは「完全犯罪」か「無実」に対する言いがかりで
一つだけ確かなのは、
長年働いてきた職員にとって居心地が悪い存在である事だけなのである。

にも拘わらず、彼が公人である事を良い事に
マスコミは周辺取材を進めて彼の人間性の否定により
「知事失格」と煽り続けた訳であるから、
これは「やり過ぎ」と言わざるを得ない。市民もアホではないから
心の中で「とはいえ、証拠も出てこない話」と内心思う人が
多くいたのも事実である。

そんな中、恐ろしい光景を目の当たりにした事で
僕は二つの確信を抱いた。
議会による全会一致の不信任決議。
まだ何の証拠も出てきていないのに、
議員が全員「不信任」を投じるなどという事があるだろうか。
「そんなことないんじゃないか」と思う議員が幾ばくか存在していても
おかしくない筈である。
報道が正しいのであれば、尚更、彼らは何かを知っている筈であり
議論の種がある筈である。それが出てこない。
「推定無罪」、つまり斎藤君の罪の証拠は存在していない。
そう確信するに至ったのである。

そして、間違いなくハラスメントを行っている事も確信した。
現に「厳しく指導した事実」は認めているのだが、
議会にとって迷惑千万なばかりか、職員に対しても
人事権を中心とした直接介入で恐怖政治を行っていた、と
確信できた。
恐らく外部に対して伝わる彼の悪い体質の正体は
職員による忖度の積み重ねであり、
人事権を振りかざして恐怖政治を行っている以上、
手を汚すのは職員で、それに対して「よっしゃよっしゃ」と
していたのである。
何故なら、おねだり云々は本人が言っていた、という事実は
未だに出て来ず、伝聞の情報に留まっているからである。
何も言わなくても、現場がそう動くようにしてしまっている事を
彼は戒めるか咎めなければならないのに
「そんなことをした事も、言ったこともない」
といけしゃあしゃあと言えるのは、その裏返しである。
つまり、「俺の気分を害したら、分かっているだろうな」と
いう空気を発して威圧していたから、その結果になっているのであり
彼はそこを徹底的に改め、戒め、(公には)謝罪すべきだったのに
それをしなかったのである。

当の知事選には七人も出馬したが、対抗馬と呼べるのは
「オカン市長」といっても前職尼崎市長の白井文の後継に過ぎない
稲村和美のただ一人だけだったからである。

結果論から逆に論じても面白くないだろうが、
稲村が市長の器としても「?」が付いていたのは
市民なら良く知るところであろう。
彼女はフロントパーソンとして市政の推進力は持っているものの、
個人の何某かに輝きを放っていたわけでは無い。
今回の知事選で「だったら私にさせて」と言わんがばかりに
出馬した事実が既にマイナスポイントだったと感じるくらいである。
加えてコテコテの濃い味付けの関西弁が
「飾らない所」とプラスに評価される地域と
「ウザい」と評価されるところでは劇的に評価が分かれる筈だ。
因みに僕は稲村の品の無さは知事としての品位を欠くとすら感じる。
対抗馬のこの頼りなさも斎藤君には味方したのである。

メディアに登場する識者が分析するところだと
「アンダードック現象」いわゆる判官贔屓の変質したもので
斎藤君に強い追い風があったと見るのは概ね正しいと思うが、
逆転で当選するほどであると事前に声を聴いたことはない。
つまり、斎藤君自身も「ここまでとは」と予想できなかった筈である。

宮根が、いやフジテレビが番組内でつんのめってしまったのは、
市民のテレビの偏向報道に対する嫌悪感と然したるエビデンスもないのに
斎藤君の罪を暴こうと「やり過ぎ」ていた事実を蒸し返した事である。
同じ事を僕も感じていた。
百条委員会で彼の犯した「罪」と、知事としての責任問題を
ごちゃまぜにして「合わせ技一本」に持ち込もうとする、
あの良くない癖である。

内部告発のその後の扱い方がどうあれ、
「噂ベースで告発文」という、極めて情緒的かつ稚拙な訴えを出した
元局長の手落ちは自身の命を懸けた訴えという最も情緒的な形になってしまったが、
是非を問うのであれば、やはり証人として最後まで戦うべきであったように思う。
斎藤君がやり過ぎていたのは間違いないのであり、
彼が指摘していた点については追及可能(但し、罪の軽重は不明)だったからである。

この先は、全会一致で彼を否定した議会は
真正面から彼と戦うか
知事の権限で議会解散が可能であり、
或いは百条委員会が何か新しい証拠を突き付けて
対等に戦える状態に持ち込まないと、
議員全員が不利な状態で意見を戦わせねばならなくなる。
最新の市民の負託を得た斎藤君の方が強い立場にある事も
政治家ならよく分かるだろう。
そして議会を解散しなかったとしたら、
斎藤君に平伏していくしかないのか
それで議員の務めが果たせるのか。
そこも問われるのである。

SNS上では早くも斎藤批判の急先鋒だった議員から
血まつりに挙げられている模様だ。
政治家としての癖で、彼の職員からの評判の悪さを
政局に持ち込もうとした罪は大きい。
彼の犯した罪があるなら、一つ一つ事実に基づいて
追求していくのが政治のあるべき道筋であるのに、
そこを逸脱しているからである。

停滞していた県政が再始動する。
議会が始まれば、もう知事批判を議会には持ち込めまい。
そこまで掘り下げてニュースを作らなかった、
論点をずらして面白おかしく報じるだけの
マスメディアが批判されるのは当然である。
こんなに地方政治で面白い展開は滅多とあるまい。

人の命が奪われているのに?
正々堂々と議論を戦わせずに自死する事で訴えるという
方法論を僕は良しとしない。
それでは議論が情緒的に流れるだけで、
選挙すら怪しくさせるからだ。

現実のところは、忖度で逸脱行為に手を染めた職員の
口惜しさと情けなさもこういう行動に繋がってしまったのではないだろうか。
だとしたら「気の毒」とは強く思う。
しかしそれも僕にとってはやり場に困る感情である。
だが、これも斎藤君には通じなかったのよ。

議会と首長、行政組織のここまでのアンバランスは
見た事が無い。そう思うのだ。


宮根誠司「大手メディアの敗北」兵庫知事選めぐり異例の言及「テレビの方がフェイク」の指摘も
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=8099259
宮根誠司(61)が17日、キャスターを務めるフジテレビ系「Mr.サンデー」(日曜午後10時)に生出演し、出直しで無所属の前職斎藤元彦氏(47)が再選確実となった兵庫知事選の選挙報道をめぐり、「大手メディアの敗北」と私見を語った。

番組では、斎藤氏がSNSで支持を伸ばした一方で、真偽不明の情報が飛び交ったことも伝え、兵庫県民の声として、大手メディアへの不信の声もピックアップ。「『Mr.サンデー』ずっと見てたけど、最近見てない」などの声も報じた。

宮根は「今回取材してみて、若い方はもちろんなんですが、比較的ご高齢の方も、SNS、YouTubeなんかで情報を拾いに行っている」と指摘。ゲスト出演した、東京都知事選で15万票超を獲得したAIエンジニア安野貴博氏も「70代、80代でYouTube当たり前に見ている方いらっしゃいます」と紹介した。

宮根は、斎藤知事がネットで支持を伸ばし、フィーバーのような現象になったことについて「それが自然発生的に、あれだけの熱狂を生むんですか」と感慨を込めると、安野氏は「今回の場合は、斎藤さんのストーリーがパチッとはまった。最初いじめられていて、そこから実は違うんじゃないか、というところで人が集まりだしたという、この一連の流れがストーリーとしてすごくうまくできていた」と分析した。

ここで宮根は「SNSの中にはファクト、事実じゃないものもあるので、どうやって判断していくか、というところもある」と切り出したが、安野氏は「一方で、今のVTRを見ていると、テレビの方を信頼できない、という声がかなり増えていると思いますね。これはちゃんと向き合わなくちゃいけない」と苦言も呈した。

元兵庫県明石市長で弁護士の泉房穂氏も「おっしゃるとおりで、いわゆるオールドメディア的な、テレビも含むマスコミへの不信感すごい根強いと思います。そういった中でSNSに情報を取りにいって、SNSだって本当かどうか分からないんですけど、その中で取捨選択をして、どちらかというとテレビよりもSNSを信用している方が増えてきた」と現状を分析。安野氏も「テレビの方をフェイクニュースだと言ってますよね」とかぶせた。

宮根は「いわゆる、我々のテレビ、それから新聞社、大手メディアというのは、平等性だとか、選挙の時にね、それからファクトチェック、事実の確認、裏取りってやつ、それからもう一つはプライバシーの問題。こういうものをいろいろ考えながら報道するか、ニュースにするかしないか考えるわけですよね。一方でSNSなんかは、そういうのをポーンと飛び越えちゃう、というところがあって」とコメント。続けて「今回、私個人が思うのは、大手メディアのある意味、敗北ですよね」と結論づけた。

泉氏も「斎藤さんの勝利であると同時にネットの勝利であり、ある意味、テレビ含めるオールドメディアの面が強いと思います」と同調した。

斎藤氏は、県内の市長22人の応援を受けるなどした元尼崎市長稲村和美氏(52)ら、無所属6新人を破り再選を確実にした。
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