この出来事の面白いところは、罪に当たる部分が「未成年による喫煙・飲酒」という点にある。
先に立場を明らかにしておくと、僕自身が未成年の頃に飲酒も喫煙も経験しているのだけれど、当時も現在もさほど罪の意識を持っていないという考えである。30年位前の話と今は何かと違う事は理解している積りだが、明らかに違うのは「未成年にはこの二つは勧めない、もし嗜むのであれば自己責任で」という点に尽きる。
彼女が飲酒や喫煙に至った経緯や理由には興味はない。僕自身、禁煙も禁酒も過去に「成功した」経験があるが、様々な理由で再開しており、例えば今年は年明けに新年会でお酒を飲んでから3月の得意先の送別会まで2か月以上、禁酒しているし、タバコに至ってはほぼ毎日吸ってはいるが、昨年に気管支炎を患った時は1か月以上喫煙は無かった。再び吸い始めたのはたまたま喫煙者との飲み会の時であり、以降はほぼ毎日吸っている。
つまり、プレッシャーがその間に無かったわけでは無いし、そこから逃れるにしても他に別の方法が何種類もあるという認識であり喫煙でなければならないというわけでも飲酒でなければならないというわけでもない。今月は初旬に5日連続会食があり、いずれも飲酒したが、これは相手のある一種のコミュニケーションであり、あっても無くても関係はないし、相手が飲みたいのなら一緒に飲むだけの話である。
言い換えると成人がこうして飲酒や喫煙に触れる事は大きな罪にはならないのに未成年だとここまで非難されるのにはどういう理由と背景があるのだろうか。その一つの帰結として「法律で定められている」という点が挙げられるだろう。
僕が問題視したいのは「法で定められている」のに、人に知られなければ(通報されなければ)、多少の違法行為は問題ない、と考える人物だと認定された事ではないかと考える。つまり「宮田はバレなければ陰で何しても良いと思っている人間」と世間に遍く知らしめられた存在だという事である。
否、僕自身も世間や身近な人に知られたくない秘密は一つや二つや三つや四つや五つや六つや。。。。は抱えて生きているのであり、その点は彼女も変わらないというか普通の人間であろう。
体操が上手くて強くて五輪選手にまで選ばれて、その子が経緯は不明だが
喫煙や飲酒を行ったとして(もちろんほろられた事ではないが)、
大の大人がずらり勢ぞろいして記者会見で頭を下げさせられるような
悪い事をしたのだろうかと、違和感を感じずにはいられないのである。
仮に行動規範の違反を理由にこれを咎めるのであれば、
「たった一人で飲酒した」と考えるのは妥当だろうか。
池谷幸雄が暴露した「体操関係者に喫煙者は多い」という発言と
大学の新人歓迎コンパなどで普通に飲酒喫煙が横行している事実、
これらを鑑みた時に「処分」対象者がたった一人だけというのは
余りにも残酷な事実である。
体操協会が定めたルールだというのならば、
飲酒も喫煙も「すべきではない」と何らかの理由がある筈である。
これを指導する人間は処分の対象にはならないのか。
或いは、未成年は飲酒も喫煙も禁止、と指導する立場の
世の中の学校関係者は全員がその規範を守っているのだろうか。
絶対にそれはない、と僕は経験上断言できる。
と同時に、それら生活態度の指導をするのは学校の役割ではなく
保護者や家庭ではないか。
金を与えているわけだから、本人が責任を負えない限りは
保護者が責任を負うべきである。
ここには殊更に五輪が、いやスポーツが神聖化されて
淀み一つない感動製造装置に成り下がっているからではないかと
僕は推測する。
スポーツには金が掛かる。大人の都合も降りかかってくる。
綺麗事だけではスポーツは行われないのである。
あらゆるプロスポーツの選手のユニフォームやジャージに
色んな企業のロゴがベタベタと貼り付けられている事に
不快感を感じてはいけないのである。
スポンサーの期待に応える?
契約上の理由?
もっと厳格にこれについてはこの理由で厳守、とかルールを定めないと
高々、選手の喫煙程度で大騒ぎだ。
ドーピングのように競技そのもののレギュレーションを犯す行為が
厳罰対象になるのは理解できなくはないのだ。
かつて、プロ野球に入団当初のダルビッシュが
パチンコ店で咥えタバコで遊んでいるのを
写真週刊誌で報道され、極めて短期間謹慎した事を記憶している人も多いと思う。
その後の彼の反省と活躍と言動も皆さんご承知のとおりである。
選手宿舎で男女の選手がセックスしているのが判明したら、
どういう処分なんだ?自慰行為は禁止しているのか?
或いは喫煙はNGでシーシャはどうなる?
という話になるのではないか。
大スポンサーのキリンがいるのに
アサヒビールを飲んだ場合は?カルピスだったら?
少なくとも、喫煙は常習していないとこのタイミングで
「吸いたい」とは思わないだろうし、
飲酒も独りででも「飲みたい」と思ったら
既に日常的に飲んでいる筈である。
彼女だけ、晒すのはさらなる過ちを生み、
こういったことが地下化するだけである。
ちょうど昨日の仕事帰りの深夜、
僕は絶対に喫煙が予想できなかった長年の同僚の女性が
暗闇でタバコを吸っているのを見つけてしまった。
壁に向かって一人で煙を燻らせていたのだが、
そういう事ではないか。
或いは別の同僚女性が「夜道が怖いから」といって
原付で自宅の最寄り駅まで走って通勤している事実も
何となく知っている。彼女は飲み会の帰りは
原付を押しながら帰宅しているのだろうか。
地下化とは、そういう事である。
バレなければ問題じゃない、では何も変わらないし
こんな処分の仕方では問題の解決には繋がらないだろう。
彼女から、タバコと酒を取り上げて
「しばらくの間、我慢しろ」
ときつくお灸を饐えるだけではダメだったのだろうか。
あと二か月で二十歳になっていた宮田だが
これが四年後でも同じ処分だっただろうか。
実に軽率な処分だったと僕は感じるのだが。
【体操】19歳宮田笙子五輪辞退「数々のプレッシャー」で飲酒、喫煙「サポートしていく」藤田会長
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=7946723
体操日本代表女子のエース宮田笙子(19=順大)が、パリ五輪開幕1週間前に出場を辞退する異例の事態が起きた。
日本体操協会が19日に都内で会見し、6〜7月に飲酒と喫煙があったと発表。同協会の代表行動規範などの違反にあたり、事前合宿地のモナコから帰国した本人に調査した上で、決断に至った。補欠の繰り上がりはできず、主将を失った4人で試合に臨む窮地となった。女子は28日に予選が行われる。
◇ ◇ ◇
主将でエース。5人全員が初代表、10代がそろう新世代の主柱だった宮田が、パリの地を踏まずに代表を去ることになった。会見で明かされたのは、20歳未満による飲酒と喫煙。18日にモナコから帰国し、そのまま日本協会幹部らの聞き取り調査に応じた。「数々のプレッシャーもあり、そのような行為に及んでしまった」と釈明し、辞退の判断を下した。
激震が走ったのは15日。田中強化本部長に、飲酒と喫煙を知らせる内部通報があった。順大の原田監督が16日に本人に確認し、行動規範に反する疑いが生じ、17日にチームを離脱した。聞き取りでは、6〜7月に喫煙は都内で、飲酒は強化合宿で滞在していた北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)宿泊棟で行われたと判明。担当した西村専務理事は「正直に話してくれという対話の中で説明があった結果。ともに1回」とした。
協会の行動規範は16年に承認され、「日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する」と規定している。他の代表選手にも飲酒と喫煙がなかったかを確認する。
21年東京五輪後に世代交代が進み、その先頭を走り続けたのが宮田だった。鯖江高3年で世界選手権代表になり、今年の五輪選考会では4月の全日本選手権で初優勝、5月のNHK杯は3連覇。4種目をハイレベルでそろえる実力者だけに、チームの戦力ダウンは避けられない。
代表団には補欠の杉原が帯同しているが、ケガ以外の理由では交代は認められず、宮田を除く4人で19日にパリへ移動し、選手村に入る。28日の予選では各種目5人中4人が演技し、上位3人の得点の合計で順位が付く。64年東京五輪以来60年ぶりの団体総合の表彰台を目標にしてきたが、逆境での試合になる。
宮田自身だけではない。仲間、体操界、スポーツ界にも大きな影響を残す過ちとなった。藤田会長は会見の席上で、「犯した罪をあがなわなければいけませんが、将来に向けては、しっかりと新しい第1歩を踏み出していただくために、全力で寄り添いながらサポートしていく事を考えております」とマイクを握り締めた。【阿部健吾】
◆宮田笙子(みやた・しょうこ)2004年(平16)9月24日、京都府生まれ。4歳で新体操教室に通い出し、競技者の道へ。鯖江高から23年に順大に進学。卒業後も千葉県内のキャンパスと鯖江高を拠点にして練習に励んできた。22年NHK杯で初優勝。22年世界選手権では個人総合8位、平均台銅メダル。抜群の脚力が武器でゆか、跳馬が得意種目。151センチ。
ログインしてコメントを確認・投稿する