【柿について】
柿にはアルコール発酵と酢酸発酵に必要な酵母菌と酢酸菌が付着しているので柿は洗わない。洗ってある市販の柿はイースト菌を加えれば確実に発酵する。甘柿でも渋柿でも作ることができ、完熟している方が発酵しやすい。
【余っている柿を活用しよう】
地方では柿の木を植えている家が多く秋にはたわわに実っているが、あまり利用されていない。さわし柿では食べきれず、干し柿作りは手間がかかるからだろう。柿をもげる人が少なくなったこともある。だが、柿酢に利用すれば大量の柿を簡単に処理できる。家庭で柿酢を楽しむことができ、地域で組織的に柿酢作りに取り組めば産業とすることも可能である。熟成させると風味が一段と増して価値も高まる。1、2年ものの柿酢一升の値段は四千円ほどで、十年ものは一升2万円もする。
【発酵について】
酵母菌が柿の糖分を食べてアルコールができ、酢酸菌がアルコールを食べて酢となる。柿酢作りではアルコール発酵と酢酸発酵が同時進行する。
【作り方】
1 発酵させる容器は冷暗所に置いた方がよい。低温発酵は時間はかかるが上質の酢ができる。温度が高いと発酵は早く進むが味が荒くなる。
2 指で押すと凹む程度に柔らかくなったら包丁でヘタをえぐり取り、四つ割にして容器に投入する(完熟すると柔らかくて扱いづらい)。発酵が始まるまでは腐敗菌が繁殖しないよう、2〜3日に一度くらいの頻度でかき混ぜる。
3 発酵が始まると小さな泡が出る。この段階になると腐敗菌は繁殖しにくくなるので、かき混ぜるのは一週間に一度くらいでよい。発酵開始後、10日ほどで固形のものは溶けてドロドロになりさらに発酵が進む。
4 万一、青や黒色、赤色などのカビが発生した場合は廃棄する。固形物が浮いたままだとカビが生えやすいので、かき混ぜる際に沈める。
5 アルコール発酵では二酸化炭素の泡が発生する。酢酸発酵は表面で進むので酢酸菌の白い膜が表面にできる。発酵終了の目安はかき混ぜても泡が出ないことと、表面に白っぽい膜が出なくなること。11月に仕込めば発酵の完了は翌年の3月〜5月頃で、気温により異なる。
6 発酵が完了したら別の容器に二本の棒を渡してザルを乗せて粗濾しする。自然落下で2、日かけて漉す。酢の匂いで虫が集まりやすいので、容器とザル全体をビニール袋で覆えばよい。
7 粗濾した酢には微細な固形物が浮遊している。時間はかかるが静置すればすべて沈殿する。念のため上澄み液を濾紙で濾して瓶詰めにする。酢には殺菌作用があるので熱を加えて殺菌する必要はない。
8 瓶詰めした酢からガスは発生しないので、密封して冷暗所に保存する。年月を経るごとに琥珀色が濃くなり、上質の熟成酢となってゆく。
♫ 柿酢の効能 ♫
【柿の栄養成分が含まれる柿酢】
柿酢は、多くの優れた栄養成分を含む柿を発酵させて作るため、さまざまな効能がある。柿酢は「飲むお酢」以上の健康飲料。
【健康フルーツ・柿は栄養の宝庫】
「柿は実も葉もヘタもまるごと使える成人病の薬」と言われ、古くから療法に利用されてきた。「柿は人類最古の栄養食」「柿が赤くなれば医者が青くなる」という言葉もある。柿の主な栄養素はビタミンC、ポリフェノール(タンニン)、シブオールなど。ビタミンCはみかんの2倍、ポリフェノールはぶどうの5倍もある。
【柿酢の健康効果は黒酢の3倍】
柿酢は柿の糖分を発酵させて作ため、柿酢には柿の栄養がそのまま凝縮されている。カリウムを豊富に含む柿酢は、毎日大さじ一杯で血圧を下げる効果がある。カリウムは、体内の余分な塩分を排出し、血圧の改善や疲労回復、脂肪の分解を促進し、血液サラサラ効果がある。 柿酢には、カリウムが黒酢の約3倍、米酢の10倍以上含まれている。
【柿酢の効能】
1 血圧を下げる効果 カリウムが体内の余分な水分と塩分を排出し、水太りの異常肥満をひきしめる。また、細胞の新陳代謝を活発にしてエネルギーを消費し、脂肪の蓄積を防ぐ。
2 心臓病予防 渋柿から醸造した柿酢は、ポリフェノールの一種であるタンニンを特に豊富に含むため、心臓病への効果が期待できる。
3 二日酔い予防 柿に含まれるシブオールが、二日酔いの防止に効果を発揮する。
4 疲労回復 オルニチンが肝臓のはたらきを助けるため、肝臓の負担が抑えられ、疲労の自覚症状が改善される。
5 抗ストレス作用・リラックス作用・痴呆症の改善 GABAが神経細胞の興奮を抑え、不安やイライラを鎮めたり、脳細胞の代謝を促進する効果が期待される。
(了)
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