日曜も、Kinoシネマみなとみらいで、
「白い牛のバラッド」。
これは、イランの人間ドラマ。
ベタシュ・サナイハと共にメガホンを取ったマリヤム・モガッダムが、夫を冤罪で失ったシングルマザーのミナ役で主演を兼ねる。
イランの首都テヘラン。夫が死刑に処せられ、ろうあの娘を一人で育てるミナは、夫の処刑から1年を過ぎたある日、裁判所から夫の無実を明かされる。夫は冤罪で処刑されたのだ。
謝罪を求めるミナだが、裁判所は賠償金の支払いには応じたが、担当判事には会わせてもくれない。そんな彼女の前に、夫の友人というレザと言う男が現れ、親切な彼と親しくなるが……
許しを乞わなければならない相手に自らの立場を偽ったまま交流を持ってしまい、関係が深まってしまうという展開自体は贖罪ものの定番。この映画は、そこに、死刑制度、女性差別的な制度や慣習といったイラン特有の問題をも盛り込んだ。
結果として、イラン国内では上映禁止となってしまったが、冤罪による刑死と言う取り返しのつかない現実に直面した、喪失の悲しみや、罪の意識などは普遍的なドラマとして国際的に認められると言う判断だろう。
寡黙な物語で、繊細で、暗喩に満ちた物語は観る者に多くを求めるが、フィックスを基本とする緻密に計算されたアングル、繰り返される刑務所の中庭にたたずむ牝牛など印象的なカットも多く、見応えはある。
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