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2020年05月02日02:47

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僕は、こう思う「火の鳥」

幼少の頃に通っていた「こども文庫」(正式名称は別にあるけどね)に
置いてある唯一の漫画であった「火の鳥」は
僕の愛読書だった。全編、愛読した。
オススメの順番は。。。。

というより
全編の整理をしたいと思う。
その中で少女漫画として描かれた「エジプト編」と「ギリシャ・ローマ編」は
少し異質である。
狭量なことを言って申し訳ないが、一連の「火の鳥」の系列から外れていると思う。

「火の鳥」は実写映画でも上映されていて
恐ろしくクオリティのひ、いや独創的な映像で送る映画作品も
正直、別物と言えなくも無くも無くも無いので
その可能性が否定できない限りは「別物」とさせて戴くことにしよう。
因みに、その「火の鳥」は黎明編で
主人公の、というか猿田彦役は、あの「若山富三郎」である。
そしてグズリという渡来人と火山の底で子作りに励む流れの
ヒナクという女役に大原麗子である。セリフ棒読みの。
しかもCGなのかアニメなのかよく分からない動画の火の鳥は
最後は弓彦に射られて首を刈られて埋められるのだが
その火の鳥はぬいぐるみか紙製のハリボテか
まぁ、映画についてはこの辺で。

で、本編の「火の鳥」の第1作に相当するのが
「黎明編」である。
黎明編から読む、というのは通しで「火の鳥」を基本ルートの第一歩である。
オススメ作品の一つであり、日本書紀をベースにした
「火の鳥とは歴史デフォルメ漫画」として認識しているのであれば
是非とも3世紀頃の日本を描いている黎明編は最高の傑作である。
時代考証はごちゃまぜだが、高天原族という騎馬民族が
海からやってきて主人公含む土着民族を壊滅させるのである。
それが日本の始まりであり「黎明編」の名の由来でもある。
また「火の鳥伝説」(漫画上の設定)もここでしか示されていない


次に時間が無い人や内容の精緻さを求める人に対しては
「乱世編」もしくは「太陽編」をお勧めしたい
しかしながら、この両作品から読み始めると
余りの出来のアバウトさに読み切れない「編」が
その内出て来てしまうからそこは代償である。

「乱世編」は舞台は源平の合戦期の日本である。
主人公は弁慶伝説のモデルになった弁太というフィクションである
登場人物の大半は歴史上の人物であるが
時代の進行は概ね史実に基づいて進んでいくのである。
勿論、大半はフィクションで構成されてはいるが
主人公が鞍馬山で天狗と牛若丸に出会う前から細かく描かれている。
やがて恋人のおぶうを平清盛に奪われた主人公は
源氏方として義経と共に平氏と戦い、最後は義経と共に平泉と思しき場所で
滅ぼされるのである
これには幾つも史実と寓話を時代考証に沿って織り交ぜており、
そこに火の鳥伝説を追う権力者・平清盛を通じて色んな登場人物の
人間ドラマを描いた一大叙事詩と言っていいだろう

「太陽編」については百済の王族・余氏の末裔の王族が
クチイヌ(=顔の皮を剥がされて犬の顔を付けられる)となって
7世紀の日本の壬申の乱を闘う事になる。
天武天皇側についてさらに朝廷側とも対立していくのだが
その背景には日本は「八百万の神」を祀っていた国だったのに
支配強化目的で政治利用された仏教によってその信仰を阻害される事に対して
闘うのである
そして並行世界として未来の世界も描かれるのだが
とある宗教(光教)の信仰者は地上世界に、信じない者は「影(シャドー)」として
地下に封じ込められるのである。
しかし主人公は徐々にクチイヌと体が似始めて行って
最後はシンクロしてしまうのだが
姉は地上に、自身は地下に、ときょうだいで別離を強要されてしまうのだ
光教の「ご神体」が火の鳥であり
これを襲って光教解体を目指すゲリラになるのである
この2つの物語が「宗教とは」を問いながら進められていくのだ
但し、未来の世界を描く部分はだいぶ雑。
物語の構成とかプロットは一番寝られているが
所詮、仮想未来の描写を事細かくやるには、基礎知識がある過去よりも
念入りにしなければならないのだが、逆になっている

そして、本記にもあった「鳳凰編」は
単発の物語としては最も完成している
そして、火の鳥の象徴ともいえる「手塚式生命観」が
最初に描かれた作品である。
恐らく、「鳳凰編が一番おすすめ」と仰る方は
この手塚独自の生命観の提示に対して高い敬意を抱いているか
既に強い影響を受けているか
いずれにしても我王、茜丸、良弁(実在の人物)が登場人物ではあるが
奈良時代の日本の仏教世界から見る死生観を
物凄く長く色んな角度からのアプローチで丁寧に描く物語である
各作品に登場する鼻の大きな男「猿田彦」(または猿田)が
「鳳凰編」では我王として暴れまくるのである

ここに挙げなかったが
「宇宙編」「未来編」「復活編」「望郷編」については
舞台が未来設定であり
「ヤマト編」は過去の日本設定である。
未来が舞台の物語には総じて「ムービー」という仮想生物と
ロビタというロボットが通じて登場する。
将来の「火の鳥伝説」は内容にばらつきがあるので
それぞれ短編で読むに相応しい
かな、と

で「ヤマト編」は日本書紀をベースに
ヤマトタケルなどを描く物語だが
「火の鳥伝説」のベースを
大和朝廷末期を舞台に描く物語だ
しかしながら、邪馬台国九州説と近畿説にそれぞれ踏み込むなど
実に微妙な作品で、読み手によって「こっちなんだな」という
解釈が変わってしまうのではないか
ヤマトタケルの東征はともかく
「黎明編」の高天原族はじゃあどうする、という話であって
ここを連続して読むと「?」がいっぱいになるので
最初に読むことは勧めない
が、読むには質も高く面白い作品であると言えなくもない

といったところである。
さらに漏れた幾つかの短編は、全く初回に読む必要が無い
どちらかというとスピンオフや作品間のジョイント的な位置づけである。

『火の鳥』を何編から読むべきか? 悩ましい問題を議論する漫画に読者からのお勧め続々
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=6068440
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